農園日誌ー初秋を迎えて

30.9.19(水曜日)雲り、最高温度29度、最低温度24度

イメージ 1
                  里芋にあらず、筍芋です

 季節は暦の上では、初秋9月となっている。
それでも、気温は30度前後。一昔であれば、充分に夏の平均温度となっている。
日中に鍬打ち作業を行えば、今日もそうだったが、びっしょりと汗をかき、体が重い。
最近の真夏の温度は35度前後が通常になりつつある。
そのため、人参の蒔き時は、7~8月となっていたが、6月に種を蒔いた人参は、雨も少なく、猛暑の中で育たず、果肉が痩せて、えんぴつのようになっている。

従来、野菜の適季(蒔き時)と言われていた季節はとうに昔の話になっており、この気候に合わせて、年毎に、考え考え、種を蒔き、育てねばならなくなっている。
農業は、特に露地栽培は、難しくなっており、動物と同じで、気候の移り変わりに敏感に反応できる動物的な嗅覚(経験に基づいた直勘)が必要になっているのかもしれない。

今年の夏野菜を育ててみて、気候が合ったのか、トマトは6~7月が最盛期となり、
8月になると、流石に暑過ぎて、花は咲けども実が付かず、あるいは、育たず、さらに追い打ちをかけるように、害虫の発生が続き、9月になると同時にトマトの棚は撤去することになった。

イメージ 2

例年ならば、9月までは、トマトも少しばかり収穫ができていたが、残念なことになった。それでもお客様には、相当に希少価値があり、美味しい露地トマトを随分と届けられた。
この撤去作業が大変で、暑い盛りに一所懸命に誘引した紐を先ず切り、竹の支柱を抜き、黒ビニールを巻き取り、トマトを引っこ抜き持ち出す。
スタッフ6人で4列の畝を撤去するのに、午後一杯を要した。

茄子は、生育期の7月に雨が降らず、酷暑の中、全滅の危機を迎えていたが、台風の襲来により、ようやく雨が降り、持ち直し、これも例年よりむしろ多くの収穫を得た.
それも9月に入って、生育が落ち着き、例年通りの秋茄子へと移行している。
古く元気のない枝を選定しなおせば、ずんぐりむっくりの秋茄子ができる。
大量の茄子を送られてきたお客様は、また、茄子か!と思うかもしれないが、
秋茄子は嫁に食わすな!の格言があり、夏の茄子とは味が違って濃くなってくる。
また!と心配せずとも、収量は夏の1/3となる。

イメージ 3

あるお客様から、茄子やピーマンがいつも一杯届き、葉物などは無いのですか?
との問い合わせが寄せられた。

当農園も心苦しく思っております。申し訳ありませんとお答えして、
こうご返事をお送りした。

日本には四季があり、そのため野菜も季節に応じて様々な旬菜が育ちます。
秋冬にはその季節しかできない野菜があり、夏には夏しかできない野菜があります。現在は、施設栽培が主流であり、スーパーには季節に関係なく、様々な野菜が並びます。
それでも、当農園は露地栽培しか行わないのは、その季節(気候)に合った野菜が最も栄養価があり、美味しいからです。
処が、旬菜のうち、夏野菜は旬の時季(6月末~9月)が長いのです。
農地の表面温度は、夏の場合、50度近くにまで上がり、葉物野菜が育つ環境にはないのです。
そのため、表面を厚い皮で守られた実物野菜が夏場の主役になり、木が生育し始めて、老木になるまで実物野菜が続くことになります。
特に最盛期にはもう待って!と言っても決して成り続けることは止めません。その命が尽きるまで・・・

どうか、日本の四季の野菜、特に露地栽培の旬菜を頑張っているねと、愛でてやって下さい。

イメージ 4
イメージ 5









栗                          筍芋

イメージ 6
イメージ 7









さつまいも                     柿

イメージ 8
イメージ 9








  
かぼす                       金時生姜

それでも、農園主としては、そんなお客様の不満(我儘)も分かっており、初秋の恵みであるこのような秋野菜が育ってくることを心待ちにしてはおります。
露地栽培農家は、「季節に順なれ」と願ってはいるものの、暑苦しい夏が去っていくのを皆様と同じようにひたすら待っているのです。

イメージ 10


イメージ 11
今年は、除草・蒔き継ぎなど努力の甲斐があり、今のところ、大豆が順調に育っている。

大豆は現在、見直され始めている。
高植物性たんぱくに冨み、栄養価のバランスも良い食材です。
当農園では、味噌作りに欠かせないアイテムであり、この大豆から黄な粉や蒸し大豆を作り、皆様へお届けしている。

特に、この手作り味噌の原料は、全てノン化学物質で育てており、世界の何処にも無い味噌であり、美味しいと自画自賛している。(支持率98%)
今年も今週からお客様(仲間達)の元へ、お嫁に出しました。