農園日誌Ⅲーむかし野菜の四季

2020.11.19(木)晴れ、最高温度22度、最低温度16度

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               秋のズッキーニ

「気遣い」

 

季節外れの陽気が農園に季節外れの収穫をもたらす。

このズッキーニは暖かい晩秋が来るのでは!と予測して、ズッキーニ・

インゲン豆・秋南瓜を植えてみた。見事に当たった。

ズッキーニの収量は流石に少なく、全員に行き渡らないかもしれないが、

一ヶ月の間には何とかお届けできるようだ。但、寒が襲ってくれば、

そこで終わりなのですが・・・露地栽培ならではです。

 

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こちらは、ビーツ。例年なら、秋蒔きのビーツは今年中には大きくならない

のですが、これも本年中には、皆様へ届けられる。

おそらくは、来来週には、人参・セロリ・ビーツ・蕪などの洋野菜が出揃う。

 

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                  白菜

 

中々巻いてくれず、やきもきさせられたが、来週中にはお届けできる。

白菜は、露地栽培の場合、8~10月の害虫多発により、晩秋での出荷が

難しい状況となりつつある。それだけ気候が変わってきたのです。

今年は、何とか秋に白菜が出荷できる。

そこで来週のメニューは、白菜・大根・九条葱・青梗菜・味美菜などの

鍋料理セットが並ぶ。

 

賢明な読者の方は、もう、お気づきでしょうが、定期配送メニューは、

週によってそれぞれテーマを設定しております。

洋野菜主体のスープ料理セット・和野菜主体の鍋料理セットと言う訳です。

勿論、配送野菜には、根菜・根もの・葉野菜と、その週で、お客様が使い

易いアイテムを必ず組み込んでおります。

これも当農園の気遣いなのです。

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コロナが第三波に入ったとの報道がなされています。ここ大分は無風地帯で

あったのですが、最近頻繁にクラスターが発生しております。

皆様の地域でも同じような状況でしょう。

当農園の野菜だけでは無く、できるだけ、低窒素栽培(栄養価が高い)の

野菜を求めて、免疫力を付けて下さい。

それらの野菜は手間と労力を掛けており、やや高いのですが、健康に

勝るものは無いですよ。

また、それらの野菜のほとんどは、菌に囲まれた環境で育てられております。

「菌は菌を持って制す」が自然界の掟なのです。

 

農園日誌Ⅲーむかし野菜の四季

2020.11.4(水)晴れ、最高温度17度、最低温度8度

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              玉葱の植え込み始まる

 

 早いもので、今年もすでに11月の玉葱の植え込みシーズンが来た。

今年も約6万本の植え込みを行う。農園スタッフ総出の作業となる。

この植付け作業を終えると、季節は一気に冬へ向かう。

 

「F1種の功罪」

 

昨日、一通のメールが入った。

孫が生まれるに当たり、F1品種の種子についての質問であった。

正直又かと思った。

消費者の中には、耳学問で、F1種の野菜が危ないとの思いからであろう。

それでも、以下のように、丁寧に農家の実情と、在来固定品種の難しさを

お話しした。

 

「病気に強い・多収穫可能・均一性を引き出すために、自然交配を重ね、

 新たに作り出された種子のことです。そのため、二代目は全く別物の

 種子しか取れない」これがF1種です。

当農園でも例えば味美菜(青梗菜と小松菜の掛け合わせ)・一本葱(下仁田葱

と九条葱)などがあります。時折、どちらかの品種の特性がでる場合もある。

これに対して、在来固定種の種子があります。

他の品種と交配をし難い種子となっており、遺伝子が固定しているものです。

この欠点は野菜の種類が少なく、いつも同じ野菜しか食べられないことに

なってしまいます。

但し、在来固定と言えども、いつも自家採取をしていると、その種子の性質が

劣化してしまい、出来た野菜も病気が出たり、小さくなってしまったりします。

時には他の品種と交配させてやらねば、最後は死滅してしまいます。

平家の落人部落に奇形児が出たり、病弱者が出て、一族の存続の危機を迎え

ます。所謂、近親相姦を繰り返したためですね。

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           太陽が落ちる寸前の3番の圃場

秋の夕暮れ時の景色は、一瞬「静」の世界となります。しばし見とれてしまう。

 

偶々、一昨日、NHKの試してガッテンの番組の中で、何故野菜が均一に

育つのか?の設定で、F1品種のことが語られていた。

そこの結論には、「F1種は、均一な野菜が育つ性質を持っている」との

事であったように記憶している。

これも又かと思ってしまう。

メディアはいつも一面的な方向でしか語っていない。

 

F1品種が均等に育つのは、化成肥料で土壌の中の窒素分(成長を担う)が

一定に保たれているからである。

大量流通市場では、店頭に並べる野菜が売り易いことが条件となる。

そのため、野菜が均一になることを望んでいるからであり、規格サイズが

求められている。

その意味では、F1品種は化成肥料を使った慣行栽培(近代農業)のために

開発されたことになる。F1種も自然栽培では、均一にはならない。

 

有機野菜は、本来、均一に育つはずが無い。

唯、昨今は、大手の有機専門の販売店が大量に捌くために、有機野菜にも

均一性を求めている。

そのため、畜糞であれ、米糠・油粕などのぼかし肥料を使って、土壌を

窒素過多にする栽培が主流になっている。

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            草木灰を作っているところ

当農園では、草木堆肥の他、この草木灰が不可欠です。常に圃場にミネラル分を

補給するのに一役かっております。

 

その有機野菜と一線を画した自然栽培野菜は、低窒素栽培となり、当然に

土壌は草木を主体とした堆肥で土を育てる。

土の力によって育った野菜は、土壌の中の窒素を求めて、曲がりくねり、

不均一に育つのが当たり前である。

何故、「低窒素土壌で野菜を育てるか」

その答えは、窒素過多の土壌では、完熟野菜と成り難いからです。

 

※完熟野菜;野菜の体内に蓄積されたデンプン質は土中の窒素が切れると、

      生き残るために体内に蓄えたデンプンを分解し、糖質・ビタミン

      類へ変化させ、自ら生きるエネルギーとして吸収しようとする。

      窒素過多で育った野菜はデンプンの塊となっているため、栄養価

      が乏しく苦い。(デンプンは苦いのです)

 

F1品種の野菜を圃場から除いてしまえば、消費者はいつも同じ野菜しか食べら

れないことになり、それに耐えられるでしょうか。

その意味でも自然交配によって作られたF1野菜も農業では必要不可欠と

なっております。

 

 

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      すっかり秋の野菜に変わってしまった2番の圃場 

 

 

 

 

農園日誌Ⅲーむかし野菜の四季

2020.10.21(水)晴れ、最高温度25度、最低温度15度

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              九条葱の土寄せ

 

季節は進み、はや、10月の中旬。

夏野菜から秋野菜への移行期、束の間の端境期の野菜不足に悩んでいたと

思ったら、捨て植えをしていた秋インゲン豆・秋ズッキーニなどの孝行娘

達が実を付け始めている。

サラダセット・ほうれん草・蕪類・筍芋・里芋・さつまいもなども続き、

来週は何を出そうかと考え始めていた。

今年は余りの気候変動に野菜達も対応できず、真に難しい年でありました。

 

農園日誌が滞っておりましたのは、忙しいのと、むかし野菜の小冊子を

書こうと思い始め、その原稿を書いておりましたからです。

やはりこの農法は日本人の先人達の貴重な叡智であり、このまま終わらせ

てはいけない、次に続けて行かねばならないという思いから以前から書こう

と決めておりました。

その御報告は、別の機会に・・・

 

2020.10.4  世界は、今、

 

日本学術会議の委員選定において、新総理となった菅総理が自らの意にそぐわ

ないメンバーを外した。批判を受けて、彼が述べた言葉が官房長官時代と同じ

く、「法に基づいて適切に対応した結果である」と応えた。

ここは日本なのかな?と感じた方も多いのではないだろうか。

中国の一党独裁政権が発した言葉とまったく同じではないか。

学術会議と言えば、学問の府であり、むかし、学生時代に大学の自治を守る

ため、全共闘に属し、活動した時の事を思い出してしまった。

これが何のことだか理解しない若者や市民が増えている。自分には関係が無い

と思っていることだろう。

自由に発言できると言う事を当然のことだと受け止めて居られるのだろうが、

それができなくなる恐ろしさを皆知らな過ぎる。香港を見れば分かるだろう。

国民が知らないうちに、報道管制(日本の場合は忖度であるが)を受けたり、

真実を語る人を公の下には出させないようにする。

時の政権の思うとおりに規制していく。それがやがて法律となり、国民を縛る。

日本が利権・既得権・時の政権を守り維持していく規制(統制若しくは独裁)

国家であることを皆様はご存じなのだろうか。

自由の国、アメリカも今回の大統領選挙で、国民が分断されていることがよく

見えてきた。

良きにつけ、悪きにつけ、民主主義と自由の下に世界の秩序を守ってきた国の

今の姿である。

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世界は今、自由と寛容性・利他主義を失いつつあり、独裁国家・利権国家・

自国主義が蔓延している。その利権の裏側には常に大企業・政治家・官僚を

含めた利権集団が存在している。

その背景は、国民の自己愛が深まり、自分の周りしか見ようとしない。

その隙間が拡がれば拡がるほど、政権は国民を御し易くなる。

世界がグローバル化していくにつれ、大企業も内部に溜め込んだ資金を株

などに運用し、マネー本位・投機社会へ変わりつつあり、資本主義も行く途を

失いつつある。

アベノミクスは株価を引き上げ、その内部留保資金を守ろうとする。

社会は階層社会から階級社会へ、格差は限りなく広がり、富や地位から外され

た市民はさらに困窮して行く。中小企業や地域経済や農業者は見捨てられてい

くことになる。

働き場を失った困窮者が増え、国内消費は限りなく下がっていくことになり、

内需の貧弱な国家や経済は必ず疲弊していくことを国民は知っているのだろうか。

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                農園のピザ

ノン除草剤・草木堆肥施肥により5年掛けて土を育てた古代麦と筑後いずみ(中力小麦)のブレンド粉を、

ピザの台にして焼き上げたもの。アレルギー・アトピーの方にも安心して食べて頂ける。麦の味香りと

やや固い食感が美味しい。落ち茄子・落ちピーマンなどの野菜をトッピングしています。
 

新しく発足した菅政権への支持率が上がっている。それも若者を中心にした支持

率が高いとのこと。自分のことしか見えていない若者(若者だけではないが)

が増えている。

この国は一体どこに向かおうとしているのか?

自然と語らい、ひたすら土を見つめていると、人間の動きが逆に良く見える。

歴史はいつも同じ過ちを繰り返す。コロナ時代、経済規模が縮小し続けている。

この時、人は如何に生きていくのか?が問われている。

 

 

 

 

 

農園日誌Ⅲーむかし野菜の四季

2020.9.30(水)曇り、最高温度28度、最低温度19度

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   農園の回りには、あちこちで、曼珠沙華の花が咲き乱れております

 

現在の畑は、夏野菜も落ち着き、秋野菜への移行期となっており、端境期の

真ん中に至っており、皆様へお届けする野菜も、極めて限定的になり、品数

も少なく、お客様へお送りする野菜に四苦八苦しております。

 

初秋野菜である里芋・さつまいもも、乾季があまりにも強烈であったために、

成長が遅くなり、まだ小さいです。

そのため自然農の梨・栗・かぼす・露地ニラ・南瓜などに依存しております。

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                 露地にら

ハウス栽培と比較して丈は短く、葉はしっかりとしており、存在感に溢れております。

 

2020.9.30 旬菜とは?

 

国産野菜の場合、日本には四季があり季節に合った野菜が一番美味しく栄養価

が高いと言われてきた。

しかしながら、大量消費社会となり、物流も進化し、大型流通が市場を支配す

るようになってくるにつれ、地産地消野菜は次第に姿を消し、日本列島、南は

鹿児島から北は北海道の産地野菜が四季の変化と共に、全国に届けられるよう

になった。

又又、農業も主流であった露地栽培が廃れ、促成OR抑制栽培のできる施設栽

培(ハウス)ものへと主体が変化していくのに、そんなに時間が掛からなかった。

かくして、スーパーには、季節に関係なく野菜が並ぶようになり、旬菜の概念が

変わり、いつが旬なのか消費者には分からなくなった。

かっては野菜によって四季を感じ、旬の野菜を使った料理が季節感を醸し出し

ていたのだが、そんな昔が懐かしいとばかりは、露地栽培を標榜する当農園と

しては言って居られない。

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                秋南瓜の定植

今年は秋があるのか、定かでは無い。それでも成長する可能性に賭けてチャレンジしています。

夏の南瓜と違って、秋ものは身が小さく、味は濃い秀逸な南瓜となる。
 

「旬菜が栄養価は高く、美味しく、体に一番良い」と言った定義と言うか、

概念は一体どうしたのか?と問われそうである。

葉物野菜は、夏場には露地では育たない。畑の表面温度は軽く50度を超える。

ハウス内で寒冷紗を掛けて育てたとしても、野菜はその暑さに耐えるため、

表面を硬くし自らを守ろうとする。春秋の旬の葉野菜の柔らかさとは比べよう

も無いほど、不味い。

表面に皮を被り、暑い太陽から身を守る夏野菜(胡瓜・茄子・万願寺とうがら

しなど)は、ジューシーで美味しいし、体の温度を下げたり調整してくれる。

真冬に季節感の無い茄子やトマトを食べたいとは思わない。

体が欲しないからです。

 

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                 露地トマト

現在、市場に出回っているトマトはその95%がハウス栽培のものです。

トマトは水を嫌い、雨が降ると必ず割れます。そのため、今では露地トマトは希少価値があるほど

に少ないのです。私達もこの露地トマトには、試行錯誤の連続でした。収穫のタイミングを誤ると

全て割れてしまいます。

 

本来、野菜はその原産地の気候風土を「種子」が知っております。

トマトは乾燥し暑い南米が原産地です。ですから、水を嫌い、太陽を求めます。

私は個々の野菜の原産地を知ろうとします。その気候風土に合った時季に野菜

を作ろうとしております。

当農園も育苗ハウスを二棟持っております。

そこで、過去にトマトを育てたことがありました。勿論露地トマトが主体では

ありますが。

苦労することも無くハウストマトは育ちました。処が、当農園の皆はこのハウ

ストマトを誰も食べたがりません。同時季に育った露地トマトのみ食しようと

します。

何故なら、甘さはあるのですが、味香りと酸味が乏しく、明らかな差があるの

です。土作りは全く同じ条件なのですが、厚手のビニール一枚があるだけで

こんなにも差が出ている。

何故なのか?それは私にも明確な答えは出ておりません。

おそらく、寒暖差・太陽の光・風など自然環境の下でぬくぬくと育ったハウ

スものは野菜本来の正常な育ち方をしていないからかもしれません。

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              育苗中の秋野菜の苗
 

露地栽培のやっかいなのは、春から夏、夏から秋へと変化する四季の中で、

必ず、端境期と言う野菜欠乏の時を迎えることです。

それでも私は、苦労してでも、露地栽培の旬菜を好みます。ハウス栽培のも

のと比べて、その味香り、食感、旨みなど、圧倒的に美味しさに差があるから

です。

季節の旬菜の美味しさを守る露地栽培農家の著しい減少を憂えております。

是非とも皆様には日本の四季を、その旬菜を、慈しむ頑固な消費者であって

欲しいと願っております。

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              除草作業中の人参の畝

除草剤を使用しない露地栽培に避けて通れない草取り作業。

気の遠くなるような草取り作業の連続です。

 

農園日誌ーⅢーむかし野菜の四季

2020.9.17(木)曇り時折小雨、最高温度28度、最低温度23度

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               現在の2番の圃場

御覧の通り、夏野菜も無く、出荷間近な野菜はここにはありません。

秋野菜一色に染まっています。

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           二番の圃場に咲いた四角豆の花

 

アフリカ原産の秋になると実を付ける豆です。可憐な愛らしい花です。

 

2020.9.17 秋の端境期

 

日本は四季の国であった。四つの季は確かに毎年やってくる。

唯、そこに雨季と乾季が重なり始めている。特に梅雨から夏場に関しては

亜熱帯気候の特徴が濃厚に出始めている。長年露地栽培を行っていると

農業者の肌がそう言っている。

この気候は今までの四季の農業と言う概念を変えさせるものになっていると

言うことです。

農産物の出来不出来が毎年はっきりとし始めている。

去年は茄子が全くダメで、今年は大豆が育たない。6~7月蒔きの人参は

全滅した。

(鋤き込むのもかわいそうなので、少量ずつ安く皆様にお配りした)

そのため毎年の経験値は役に立たない。これは露地栽培農家にとっては大変な

ことなのです。

当農園は、他の農家とは違って単作栽培はしていないため、リスクは分散でき

るのですが、毎週野菜を消費者に届けるとなると、常に同じ野菜と言う訳には

いかない。

この初秋の端境期、異常気象で(とは言っても毎年異常気象ですが)アイテム

不足が生じている。

 

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                葉物野菜と蕪

 

現在、農園では秋野菜の種蒔き・定植を急ピッチで行っている。

8月・9月の初旬頃まで、露地及び育苗トレイに撒いた種はあまりの暑さに

育ってくれない。

ようやく9月中旬、やや涼しくなってきたため、育ち始めている。

但、本来8月に種を蒔く(育苗)ものが9月中旬にずれ込んでいるため、

早くとも10月下旬頃にしか出荷ができない。

その間、農園ではアイテム不足に苦しみ、お客様はいつも同じ野菜に悩まされ

ることとなる。

その悩みをいささか慰めてくれるのが、さつまいも・里芋・筍芋・栗・かぼす

・南瓜などの初秋野菜です。

 

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            赤蕪、根っこもやはり赤い

 

日本の四季は壊れ始めていますが、かろうじて四季の旬菜は形を留めているようです。

それもいつまで続くのか?

次回は現在の旬菜について、お話致しましょう。

 

農園日誌ーⅢーむかし野菜の四季

2020.9.2(水)雨後曇り、最高温度34度、最低温度27度

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            カラカラに乾燥した3番の圃場

 

すでに40日以上雨が降っていない乾期の圃場。

ラクターで起こすと土埃が舞い上がり、砂漠となってしまった畑。

台風襲来を心待ちにしていた。

 

2020.9.2 大型台風襲来!

 

大型となった台風9号が通過していった。期待していた雨はわずかで、

畑の表面をぬらす程度。

続いて台風10号が接近している。これはかなりの大型に成長しそうであり、

九州に大きな被害をもたらす可能性が高い。この雨には期待しているが、

直撃を受けると、夏野菜は根こそぎ吹っ飛んでしまう。

農園は風対策に備えて夏野菜の誘引作業と支柱の補強作業を行う。

それでも何とか耐えられる限度は風速20メートルまでであり、それ以上と

なれば、天を仰ぐしか無い。

この時季の台風は、乾季に苦しめられてきた夏野菜にとっては恵の雨となる。

日本の気候は亜熱帯気候に変わりつつあり、雨期と乾期に分かれていくのか

もしれない。

夏期は、台風が近づいて欲しくは無いが、雨は欲しいと言うのが露地栽培

農家の思い。

進路に当たる九州の被害は出来るだけ少なく、恵の雨は欲しいと願うばかり

である。

同時に、カラカラに乾いた大地に浸み込む雨は、種蒔きの時の恵の雨でもある。

台風は日本においては、悪者扱いされてきているが、この台風が無いと、日本

の農業は成り立っていかないのです。

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むらさき茄子が死に貧している 。実はなってはいるも立ち枯れ掛かっている。

雨をもたらしてくれるはずの台風9号は地表の表面をわずかに濡らした程度。

 

夏野菜の支柱誘引などの補強作業と同時に、種蒔きのための土作り(

堆肥撒き・畝作り)を急ピッチで行わねばならない。明日からは忙しくなる。

乾季の夏にずっと耐えてきた人参は、成長が出来ず、細いまま出荷となった

ため、初秋に出荷する予定の人参が無くなった。取り敢えず、3番の圃場に

畝二本分、種を蒔く。

葉物野菜は4番の圃場に続けて、9番(小原農園)に一本、種を蒔くように

指示。7番(竹内農園)には、秋インゲンの直播きを指示。

後は、蕪数種・聖護院大根金時人参・じゃがいもなどの種蒔きがどこまで

できるか。

育苗トレイに種を蒔いたズッキーニ・胡瓜・秋南瓜が徒長しており、蒔き直し

をしなければならないかもしれない。今日帰り際に、男子全員で植え付けの

作戦会議を行う。

夏野菜が余りの乾季にかなり弱ってきており、初秋出荷できる野菜を植え込ん

でいかねば、夏野菜の後が続いていかない。

台風一過、やや涼しくなりそうで、いよいよ秋野菜の種蒔きが本格化してくる

季節を迎える。

 

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乾燥に強いトマト・ピーマン系の一部も、葉っぱは黄色くなり、立ち枯れたものも

目立ち始めている。台風一過の5番の圃場。

 

先週、日曜日開催のマルシェの売上が目標としていた一日50,000円

を超えた。野菜が30,000円菓子・惣菜が20,000円強、微々たる

ものだが、ここにきてようやく地元大分の方々の常連さん達からの支持が得

られ始めたようだ。

今週の日曜日、農園マルシェの日、台風の動向が気になる。

全国に二百数十名の定期購入のお客様がいる。台風の直撃を食らうと、その

方々への野菜配送は一ヶ月以上は止まる。

となれば、農園配送復旧のため、明日からは秋野菜の種蒔きは急がなければ

ならない。

自然野菜を期待して待って居られるお客様を裏切れない。そのプレッシャーは

かなり重い。

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雨を待ちきれず、葉物野菜の種を二列分、蒔いてみたが、サラダ系野菜はこの暑さで全滅

それでも種を蒔かなければ、野菜はできない。この時季はめげずにチャレンジし続けるしか無い。

農園日誌Ⅲーむかし野菜の四季

2020.8.26(水)曇り時折小雨、最高温度35度、最低温度27度

 

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                  バジル

 

2020.8.25  農園主の憂鬱

 

秋野菜の種蒔きシーズンが到来している。畑には夏野菜しか無い。

秋野菜に欠かせない葉物・人参・大根・キャベツ・ブロッコリー・蕪類など、

種を蒔いても雨は降らず、畑は砂漠のように水気が無く、風が吹けば砂塵が

舞い上がる。そこに容赦なく34~36度の日差しが刺す。

育苗トレイに種を蒔いても、寒冷紗を掛けねば発芽した芽は途端に焼き切れ

てしまう。寒冷紗を掛ければ、発芽した苗はもやしのように徒長してしまい、

苗にもならない。

 

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              開封前の醸造味噌

 

農業の現場をご存じない消費者やメディアはその農家の窮状を知らない。

今まで経験したことの無い気候が露地栽培農家を痛めつけている。

味噌作りに欠かせない大豆はすでに三回蒔き直してはいるが、

発芽してくれない。除草剤を使わないため、わずかに発芽した大豆もあっと

いう間に草に埋もれてしまっている。

明日は、35度を超える温度の中で、全員で大豆の圃場の草刈りと除草作業を

しなければならない。体力を使い果たした中での炎天下の作業になり、

気力も萎えつつある。

 

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                オクラの花

 

それでもコロナの影響なのか、テレビ放映(霧島酒造の番組の中)や家庭画報

掲載のせいか分からないが、最近お客様が増えつつある。

真にありがたいことながら、野菜が持つかそれが不安になってくる。

農園主にとって、草木堆肥ができていないことや、野菜が育っていないことが

一番の不安である。野菜を待って居られる仲間達(消費者)へ送る野菜が無い

ことが、最大のプレッシャ―となっており、焦燥感に駆られる。

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              農園の夕暮れ

 

今日もありがたいことに、関東のお客様からメールが届く。

「初めての野菜が届きました。形も色も常の野菜とは異なり、これが自然栽培

の野菜なのか、食べてみると、全てが今までに経験したこと無い美味しさであ

り、是非、継続したい」

いつもであれば、手放しで喜べるところ、今年の晩夏は何故か心が晴れない。

気まぐれな気候の中で、いつもその試練に耐えて頑張っているではないかと、

自分に言い聞かせながら、衰えつつある体を動かす。

 

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