むかし野菜の四季ーPART2

2022.7.24(日)曇り、最高温度33度、最低温度25度

             剪定枝の破砕作業

 

暑い真夏でもこの破砕作業は欠かせない。気温32度の炎天下の作業です。

10日に一度は草木堆肥作りを行うためこの破砕屑と葉っぱは必要となります。

写真には映ってはいませんが、草木堆肥を作るためにその右隣では草を広げる作業を

行っております。

 

農業マーケティング

 

(ターゲット戦略)

美味しさを分かって頂ける消費者は多いのですが、全ての消費者が野菜の質的な

違いに気づいてくれるとは限りません。元来、差別化商品開発はそれを求めている、

あるいは、理解してくれる消費者層を特定しその消費者層をターゲットとすること

から始まります。それが販売ターゲット戦略です。

そのためにはターゲットと想定した消費者層の購買行動をリサーチしなければなり

ません。

それではその購買行動を細分化(セグメント)をしてみます。果たして皆様の消費

行動及び欲求とニーズはどれだけ当てはまりますでしょうか。

 

※細分化(セグメント)作業

マーケティングとは、ターゲット消費者の購買に至る様々な要因を動機・欲求・

評価基準・価値判断などに細分化することから始めます。

     三回目の土寄せ作業を終えた一本葱(3番の畑)

 

中耕作業により根に酸素供給するのと、暑さから葱を守ってやれます。

同時に旺盛に茂ろうとする草を土を被せることによって抑えます。

 

①価格設定

皆様から「セレブ層が買ってるのですね」と聞かれることがありますが、決してそう

ではありません。

むかし野菜の価格はスーパーなどに並んでいる野菜より少し高い。慣行栽培やハウス

栽培と比べて労力や生産リスクから考えても2~3倍の価格を付けてもおかしくは

ありませんが、それでは、市場価格から遊離してしまい、それこそお金持ちの方しか

購入できません。

むかし野菜は毎日食べる野菜ですから、市場価格のおよそ1.2倍程度に設定して

います。

その程度であれば、普通の消費者が無理をしなくても購入できる範囲内です。

なおかつ、特定の消費者だけに定期的にお届けしているため、市場相場により価格が

左右されることはありませんので、概ね価格は一年間を通して変わることはありま

せん。

そのため、野菜の不作の年で価格が高騰している時などには、市場価格より安くな

ることもあり、こんなに安くて良いのですかとの声が届きます。

 

課題となるのが宅配の送料負担です。

関東などへ野菜を一箱送ると、税込で1,300円程度は掛かります。隔週配送と

して野菜が7、000円弱、送料込みでおよそ毎月9、000円程度となり、消費者

としては大きな負担です。その費用を上回る「何か」の価値が必要となります。

現在、350余人の定期購入の消費者(仲間と呼んでいる)が居られますが、その

半分近くのお客様達が関東周辺です。その声を挙げてみます。

「連日スーパーなどに買い物に行く習慣が無くなり、無駄使いしなくなりました」

「送られてくる14種類の貴重な野菜を二週間でどう料理して食べるか楽しみです」

「他の野菜が食べれなくなってしまいました。野菜が無くなりスーパーに補充に行く

のですが、買ってきても食べる気にならず冷蔵庫に入ったままです」

「こんな美味しい野菜をいつも食べられるのは幸せです。お作りになられている方々

のご苦労とご努力に感謝しています」

 

どうやら特定消費者(ターゲット層)にとっては価格設定だけの問題では無いよう

ですが、野菜の他にも穀類、特に自然栽培のお米は自然農と言うだけで白米5キロが

5千円を超えて販売されているようですが、むかし野菜ではその約半分の価格で皆様

へお届けしており

ます。ご飯は(野菜もそうですが)日常的な主食です。日常的に食べられる価格設定

にしています。

いくら労力と手間がかかる自然栽培と言えども余りにも市場価格から遊離してくると

ターゲット層からも見放されてしまいます。

  除草・剪定誘引・追肥・畝揚げ(中耕)を終えた二番の畑の茄子群

 

毎年、梅雨明けと同時にこの作業を行い、盛夏に入っていく。

先ずは草刈り機によって大まかに草を刈り取り、草取り鎌で畝の上を掻いていきます

梅雨時期に大量の雨が降り、土が固まり、酸欠を起こしています(酸素の供給)

草木堆肥の効能も3ヶ月を経過すると落ちていき、根回りに草木堆肥を追肥し、

畝下を深く堀り上げ、畝上に土を被せます。

これは畝下から酸素を根に供給してやり、根が酷暑に耐えるだけの厚みの土を被せて

やります。これを中耕作業と言います。

 

②健全性

安全性・有機無農薬・在来固定種野菜などを欲していると概念論を全面に出してこら

れる方は定期的な購入は続かない傾向にあります。

概念論を前面に出してこられる消費者は、有機野菜がさほど美味しく無くともこれは

安全な野菜なのだと自らに言い聞かせて食べてきたのでしょう。

むしろ自らの健康と家族の特に子供達に良い物を食べさせたいと願っている子育て

世代の消費者が多いようです。

高齢者の方々の中には、むかし食べていた美味しい野菜の記憶が残っており、また、

寝たきりにならないように自らの健康を維持するためにと食については気配りをされ

ている消費者も多い。ターゲット層は主にはこれらの消費者層になっております。

 

現代農業では、除草剤・浸透性農薬(癌などの要因となるネオニコチノイドなどが

含まれる)ホルモン剤・界面活性剤(鮮度を保つ)・その他化学物質や高濃度な窒素

肥料などが畑に投下されており、必ずしも健全とは言えない状況にあり農地は微生物

が棲めない環境に変わり、持続が難しい農業環境になりつつあります。

むかし野菜の邑では、除草剤・化学肥料・畜糞に含まれる化学物質や抗生物質・保存

料などの添加物・ホルモン剤などを嫌い、「自然に順」な食作りをテーマとして掲げ、厳しい農業及び加工品作りを行っておりますが、定期購入の方々からはこのような声

が届いてきます。

 

「佐藤さんが良いと思うものは入れて下さい。この野菜達のおかげで虚弱体質も改善し、便通はよくなり、以前より健康になりました。佐藤さんを信頼しております」

「好き嫌いが無くなりました。佐藤さんから嫌な野菜も何かの役割がありこの世に

生まれてきましたと言われましたので、調理例を参考にして、今では何でも食べれる

ようになり、

簡単な調理で美味しく食べられ、今では料理が楽しくなりました」

不妊治療をしていてもう体がぼろぼろでしたが、佐藤さんの野菜をたべるように

なってから体が健康体になり、おかげさまで子供を授かりました」

(このようなお客様は私の知る限りにおいて10名おられます)

アトピーに苦しんでおりました。佐藤様の説得により半信半疑でしたが、むかし

野菜を食べ始めて1年ですっかりアトピーが完治しました」

(子供さんの場合、早い方は6ヶ月で遅い方でも1年で完治しております。ただ、

精神的ストレスによるアトピーの場合は完治するまでに数年を要した成人男子の方も

おられます)

 

健全な野菜(有機野菜)と言う概念や思想だけでは消費者は動いてはくれません。

むかし野菜を食べ始めてから明らかな改善が見られたと言う体感が重要です。医食

同源を実感していただくことは大切です。

むかし野菜では、お客様の健康を守っていると言う自負心は高く、好き嫌いを無くし、全ての野菜を食べていただきたく、食育を大きな理念として掲げております。

現在の日本の食は危険で満ちあふれております。お客様へはもっと食に関する情報に

敏感になり、自ら健康を守らないといけませんよとお願いしております。

表面が黒くなっている所は追肥です。その先は中耕作業を終えて処です。

尚、剪定作業は古くなった、あるいは、重なった葉っぱを落とし木を若返らせます。

ある程度葉っぱを除去すると、木は新葉を茂らせ活性化していきます。

 

③質の違う美味しさ

20年間、むかし野菜の生産販売を行ってきました。その中で、数百人の消費者と接

してきました。その体験の中で感じたことは、料理が好きな方や美味しい野菜の見極

めが出来る消費者の方が長く定期購入を長く続けて居られる。

 

「春菊は要りません」と拒絶される方がおられました。そこで春菊の30秒ルールを

お伝えしました(当農園のものはエグミや苦みがありません。ただ、30秒以上加熱

すると苦みが出てきますので)

 すると、こんな応えが寄せられました。「春菊がこんなに美味しかったなんて、

必ず入れてください」

「内の子供はピーマンが大嫌いでした。むかし野菜もあの手この手で調理しても一向

に食べてくれません。そこで思い切って塩胡椒のみで佐藤さんの言われたように焼く

ように炒めて置いていたら野菜嫌いの内の主人も含めて一皿あっという間に無くなっ

ていました」

「最初酸味のあるトマトは食べられなかったのですが、佐藤さんのトマトはあっとい

う間に無くなります。私の口にはとても入る余地がありません。学校から帰って毎日

一つ丸かじりをする娘でした」

酸味の無いただ甘いトマトは当農園では作りません。それでも生食で食べていただけ

るのは質の違う酸味であったり、味香りであったり、旨味があるからです。

 

食は美味しく無いと続かないことが見えてきました。それもやや美味しいではダメで

圧倒的に他と質の違う美味しさが必要になります。

それに加えて、毎回同じ野菜を続けたり、お届け品目が少ないと消費者は飽きてしま

います。

農産物の継続購入は種類の多さや楽しさが必要なことも分かってきました。

健全で美味しい野菜は栄養価も高く、「味・香り・食感・旨味」この四つの要素を満

たしている野菜は必ず低窒素栽培です。そして、美味しいのです。

 

消費者の購買行動を探ると、以上の3つの大きな要素があるようです。

価格帯は市場価格とそれほど遊離せず、健康に直結していく感覚を覚える、つまりは

体が欲していると実感できる農産物であり、他とは異なる美味しさを感じ、料理が楽

しくなる農産物であることなどが、定期的に続けられる要素となるようです。

 

販売ターゲット層は決してセレブ層では無く、むかし野菜が他とは異なる質を持って

いると実感できる方々であると思われます。その消費者層をイメージし、その欲求や

ニーズを探り、商品開発を行い、販売戦略を立てます。これがターゲット戦略です。

また、その欲求やニーズは顕在的なものと潜在的なものがあります。

顕在的ニーズとは、スーパーで見かける「見てくれや規格統一された均一商品」の

ことであり、潜在的ニーズとは真に健全で栄養価に富み、体に感じる美味しい農産物

のことです。

特定消費者をターゲットにする場合、顕在的ニーズは捨て、潜在的ニーズに焦点を当

てます。

つまり、「こんな商品があったら良いな!」と言う農産物のことです。

 

 

 

 

むかし野菜の四季ーPART2

2022.7.13(水)晴れ、最高温度32度、最低温度23度

               フルーツトマト

 

 今年はいきなりトマトが最盛期を迎えてしまった。

定期購入の方々には価格を下げて増量にてお送りしております。

流通には一切出荷しておりませんので、最盛期を迎えると定期的にお取りいただいて

いる消費者の方々に食べてもらうしかありません。

トマトソースにも当てておりますが、自然栽培で育ったトマトの味香りは特別です。

皆様には頑張って食べていただくことにしております。

 

     除草作業を終えてきれいになった3番の畑(草木堆肥歴18年)

 

この畑には葱類・夏のセロリ・漬け瓜・茄子類・ビーツ・紫蘇などが入っている。

除草作業には、畝下を草刈り機で払い、その後、手作業で草を除去していく。

炎天下では根気の要る疲れる作業です。

最もこの作業を男2名、女性スタッフ3名でおよそ一日で完了させております。

終わって眺めて見ると達成感とそのきれいさに思わず見とれてしまい、暮れなずむ

夕日に映えて感慨ひとしおです。この繰り返しが農業なのですね。

 

 

「農業マーケティング

 

(商品開発・差別化そして新規性商品による市場開拓)

私も最初は有機野菜生産を目指しておりました。有機栽培の先達を訪ね有機肥料

片っ端から試してみました。牛糞・骨粉・魚腸・海藻・米糠・油粕などなどです。

処が、有機肥料を入れれば入れるほど、野菜は成長してはくれますが、味香りが薄く

旨味も少なく、歯切れも思うほど良くなく、私が目指す野菜とは離れていきました。

化学肥料と同じような窒素過多土壌になっていたのです。

そこで考えたのがむかしの農業でした。むかしは畜糞も米糠もそんなに大量には

確保できません。人糞などを加えた草木堆肥によって土を育てる低窒素栽培でした。

私は有機肥料栽培を捨てて、先人達の知恵を借りて思い切って草木堆肥一本に絞り

ました。

二年を経過した後、胡瓜にトマトにむかし食べていたに抜けるような味香りがした

のです。歯切れも良く瑞々しい食感が蘇ってきました。

日本の先人達は労力と手間を掛けて品質の高い美味しい野菜を育てていたのですね。

私は肥料栽培である有機農産物と区別するため、このむかし野菜を自然栽培農産物

と呼ぶようにしました。

有機・無機を問わず肥料栽培を排して、草木堆肥を使って土を育てその土が野菜

を育てる」

このむかし野菜は肥料栽培全盛の現代農業では差別化商品では無く新規性商品

呼ぶべきで、新たな市場開発をしていることになっているのです。

    数種類の茄子が植わっている4番の畑(草木堆肥歴16年)

 

茄子類は次々と実をならすには、水分を欲して湿度の高い農地を好みます。

この4番の圃場は周囲を茶畑に囲まれ湿度がやや高い。

茄子は葉っぱを旺盛に張ってしまい、密集した葉っぱや枝を常に剪定除去して

いかないと虫の温床となったり、腐れの元になります。

夏野菜の剪定は常に光の道・風の道を確保してやるために行わねばならない。

そのため、収穫時、剪定をしながらの作業をおこなうため大変なのです。

三色茄子は紫・白・緑とあり、通常の茄子と比べるとクリーミーで炒め物に合う。

              三色茄子の一つ白茄子

茄子の表面に傷跡があります。これは小さい時、十星テントウムシに食べられた

痕がひせとなり、変形したり茶色の痕が残されます。

これも一週間に一回、浸透性農薬(野菜に浸透してそれを食べた虫が死ぬ)などを

やっておればこの傷跡は残らないのですが、自然栽培では行いません。

選定作業中にテントウムシは見つけては捕殺します。農業とは殺生の連続ですね。

 

 

特定消費者は有機栽培と呼ばれている野菜を食べて美味しいと感じている方はそんな

に多くは無いようです。有機野菜だから安全で体に良いのだろうと思って購入されて

いる方も多いのでは無いでしょうか。美味しさと安全性は必ずしも同じではありま

せん。

有機JAS野菜をお取り寄せされた方はすでに気が付いて居られるでしょうが、

「さほど美味しいわけでも無く、虫食いの痕も無く見た目きれいな均一に揃った

野菜が届けられる」

疑問に感じたその特定消費者は、ネットで発見した、あるいは、知人からの紹介を

受けて「むかし野菜」を取り寄せてみて、その多くの方からはこのような話を聞か

されました。

「箱を開けてみて、まあきれい!」「包丁の入りが急によくなった」「むかし野菜の

話で家庭での会話が弾んでおります」「高いお金を出して有機野菜を取っていました。ようやく探していた野菜に出会えました。今まで何の野菜を食べてきたのでしょうね」「後2日でむかし野菜が届き、ようやく冷蔵庫の中が満たされます。空になると不安

になります」などなどと、当農園のお客様からこのようなお話を聞くことが多いのです。

  除草・追肥・畝揚げ作業を終えた2番の圃場(草木堆肥歴21年の畑)


ここには牛蒡・人参(草に覆われている)・茄子・トマト・金時生姜などが植わって

おります。

茄子類は梅雨明けと同時に草木堆肥の追肥と中耕(土寄せ)を行います。

農園ではおよそ15本の茄子の畝があり、炎天下、順次この作業を行います。

これは梅雨の間に畝下が埋まってしまい、根に酸素が供給できなくなり、同時に

草木堆肥の効果も薄れ、次々と実をならせるためには窒素分やミネラル分の補給

を行うことと、表面温度50度を肥える暑さから根を守ってやるために土寄せが

不可欠になります。

 

 

それでは、野菜の品質とは何でしょうか?品質の要素(基準)を細分化してみま

しょう。

安全性・栄養価が高い・美味しさ・鮮度・そして食感(歯切れの良さ)となります。

美味しさをさらに細分化しますと、甘さ・味(五味)・香り・旨味・食感となり

ます。

美味しい野菜の定義には一般消費者や流通が評価している「見てくれや形」・

「均一性」は入っておりませんのに何故か一般消費者はこの野菜の「見てくれや形」

を最も重要視しております。例えば、スーパーに「見た目きれいな均一野菜」と

「虫食いの痕もあり不揃いでやや値段が高い野菜」が並びますと、果たしてお客様

どちらを選ぶでしょうか?

 

肥料を使わず、草木堆肥により土を育て、低窒素栽培で育てられたむかし野菜

(自然栽培)には、この品質の基準が全て当てはまります。

あるとき、お客様から「この野菜はやさしい味がしますね」と言われました。

この言葉によって、真に美味しい野菜とは体に馴染む味、体が美味しいと言う野菜は、健全で栄養価に富んでいることに改めて気づかされました。

草木堆肥を作り、数年掛かりで土を育て、労力を掛けておりますといくら力説した

ところで、

有機JAS野菜と言う公認のラベルが無い場合、やや美味しいだけでは、消費者は

評価してくれません。

この自然栽培で育った野菜の「美味しさの違い」が差別化そして新規性商品となる

のです。

 

              3番の畑の全景

 

葱類は2月に種を蒔き、4~6月に圃場に定植をし、9月~12月頃出荷を迎えます。

その間、除草・土寄せを3回繰り返します。

深く根を埋めることによって真夏の太陽から実を守ってやりますが、その間、落ちる

ものも出てきます。生き残り競争ですね。

 

むかし野菜の四季ーPART2

2022.5.22(日)晴れ、最高温度26度、最低温度16度

           農業体験会のじゃがいも堀り

最初は怖々土を掘り返していましたが、10分もするともう熱中し始め、

楽しい!の声があちこちから・・・

 

                一本葱の植え付け

葱の植え方を教えると、小さな子供さん達も一生懸命に黙々と植え込んでいました。

未来の農業者になってくださいね。

 

今日は3年ぶりの農業体験会を開催。

以前は200人を超えるご家族が集まり収拾不能な状態に陥り、その反省を踏まえて

コロナ下と言うこともあり、50~60人(15家族程度)に絞り収穫だけでは無く

葱の植え込み作業なども組み込み、半日農家になったつもりで頑張ってもらいました。

今までは子供さんが楽しいといっておりましたが、今回は大人も楽しんでいただいた

ようで、「今度何時します」と聞いてこられる方も多数いらっしゃいました。

まずまずの成功でした。

有機・無機を問わず、肥料栽培では無く、草木堆肥による土作りを行い、土を育てる

農業を広く皆様へ知っていただき、その大切さを理解していただきたいと始めた農業

ですので、この農業体験会は今後も年に数回は継続してやっていきたいと考えており

ます。

 

         農園マルシェと農業体験会の同時開催

 

 

 

「農業マーケティング

(欲求とニーズは異なる)

生産者が品質の高い健全な野菜を生産し、それを求めている消費者へ届けたいと欲しても現在の大量流通の仕組みの中では、その能力も機能もありません。流通システムがそれを求めてもいないし、消費者のニーズも乏しいのです。

流通が求めている農産物は均一で見栄えの良い流通に扱い易い商品であり、いちいち説明をしなければならない商品はノーサンキュウです。

その扱いに慣らされている消費者も均一で見栄えの良い立派に見える商品が良い野菜であり、美味しく栄養価の高い安全な野菜はあくまでも消費者にとっては欲求であって、必ずしもニーズでは無いのです。このように考えていくのがマーケティングです。

欲求とニーズは大きく異なります。

現在アンケート調査をすると、有機野菜を欲している消費者は実に80%以上います。

それなのに、実際に有機野菜を購入する人は3%程度しかおられません。

日常的に有機野菜を食べている消費者はさらに減って1~2%程度しか居ません。

 

欲求はただ欲しいと思っているだけで、購買者はやや高い金銭支払いと言う痛みを伴っても野菜を購入しようとすることをニーズと言います。マーケティングにおける購買行動を促すには消費者の欲求をニーズまで高めるための商品開発・コミュニケーション戦略・戦術が重要になるのです。

そして、なにより重要となるのは健全な野菜を求めている消費者層を特定してその特定消費者層に向けて商品開発を行いコミュニケーションを図っていくのがターゲット戦略です。

 

             草木堆肥の切り返し作業

集まったちびっ子さん達の歓声が、もしかして恐怖の叫びでしょうか、

おそらくは最初にして最後のタイヤショベルの試乗体験です。

 

 

「特定商品(健全な野菜)を販売するとなると、その消費者はどのような欲求とニーズを持ってているのか、どのような商品であれば買ってもらえるのか、その特定商品は、どのような価値観を持っている人達が購買者となるのか、そして、その購買者をどのような手段で探し、どのようにしてコミュニケーション(伝える)を図っていけば良いのか」

 

市場啓発啓蒙活動を続けながら消費者層を育てていくしか無いのが、この自然栽培

と言う農業です。その際、避けられないのがこの農業マーケティングの考え方です。

 

※農業マーケティングの手順

  • 現状分析

(現有マーケットにおける欲求とニーズの違いを明確にする)

  • ターゲット層を設定

(品質を求めている消費者層の購買行動を分析)

  • 商品開発

(特定ターゲット層の購買行動を細分化し、そのニーズに合わせた商品を開発)

(開発した商品を如何にして特定ターゲット層に伝えるか)

 

           ブロッコリーの摘み取り作業

 

採りながら口に入れてむしゃむしゃと、生ブロッコリーでおなかが一杯になった

子供さんも・・・

 

むかし野菜の四季ーPART2

2022.4.27(水)曇りのち晴れ、最高温度24度、最低温度14度

               由布市狭間町の麦畑

 

左端は日本の古代麦(一粒小麦の原生種)、右側は裸麦。

麦作りを始めて8年目。当初の2年間は収穫0でした。

草木堆肥による土作りが進んできた3年間にようやく慣行栽培の1/3程度の収穫が

ありました。

麦は肥料喰いの農産物です。そのため、低窒素である草木堆肥だけでは育たない

との農業振興局や農業試験場の提言に反して敢えて低窒素・ノン除草剤の栽培に

チャレンジしてきました。

これは何とか小麦アレルギーの出ない低グルテン仕様の小麦粉を作りたかった

からでした。

今ではむかし野菜の邑の菓子類・惣菜に使われてお、圧倒的な存在感があります。

 

       弥富麦(日本古来からの原生種である一粒小麦)

               裸麦(大麦)

 

農園では麦ご飯セット・麦茶などに使われております。

麦畑を見ていると日本の原風景が目の前に浮かんでいるようです。

日本人の主食はお米と皆様は思っておられると思いますが、むかしからそれは武士や

貴族達の主食であって、農民は麦・粟・稗をもっぱら主食としてきたのです。

当時はハイグルテン仕様の麦などありませんでしたしアレルギーなど無かったのです。

 

農業マーケティング

有機農産物の現状と消費者動向」

 日本の有機JAS野菜はオーガニックの認定を受けていない。つまりは信用されていない。有機JAS認定は取得するのにも大変な労力と費用を要するほど細かく規程が盛り込まれている。それほど厳格なのに、何故なのか?

問題は五つあります。一つは一度取得してしまえば、後はフリーパスとなっており(

毎年日誌と書面の申請は必要ですが)形式基準が厳しい割には実態と遊離しているということで、世界には信頼されていない訳です。

 

二つ目は、「有機物なら何でも良い」と言うことにあります。

例えば、あれほど化学合成された物を嫌っている規程には、薬品・抗生物質・農薬などが大量に含まれている(家畜飼料)配合飼料を餌として食べた畜糞には触れておらず、結果として、その畜糞主体の有機肥料が畑に大量に投下されることになり、土壌の微生物や菌類を駆逐しており、有機本来の自然循環する土壌を汚染させているのです

 

三つ目は、この規程は緯度にして北海道に該当する寒冷地である欧州で作られたものを踏襲しており、日本の農地の95%以上が温暖地にあり、さらに温暖化が進む日本の気候では害虫が多発しており、「化学合成した農薬を使ってはならない」と言う規程が実態にはそぐわないことです。

たとえ有機農家であっても特に春から秋にかけての野菜の生育期に旺盛に繁殖した害虫の餌にされてしまうと農家は生きてはいけないのです。

結果として、有機JAS規定では禁止されている農薬、特に危険な浸透性農薬を使っている有機農家も出てきます。

 

四つ目は、日本の消費者の意識であり、流通の問題です。

本来的な有機野菜は手間が掛かり生産リスクがあり、価格は慣行栽培野菜と比べてやや高くなります。さらには、規格サイズは揃わず、見てくれは悪く、虫食いの痕もあるなど、その健全性や品質の割には日本の消費者からは評価されず、売れにくいのです。

また、不揃いで虫食いの痕の見える有機野菜は大量流通に取っては扱い難い農産物であり、敬遠されております。欧州のように露天マルシェで販売されていることもありません。

 

五つ目は、厳しい規制の対象となる有機野菜生産農家への補助金などの助成処置はほぼ無いと言ってよいのです。

有機農家から見ても、費用を掛けて煩わしい書面申請をしても、その見返りはほとんど無く、申請費用や煩わしい報告書の作成や一品当たり50銭のシールを貼らねばならない有機JAS野菜を申請する農家が減って行くのも当然の結果でしょう。

 

それならということで、実際に有機野菜であっても敢えて有機JAS申請をしない農家も多いのです。結果として、有機野菜は農産物の0.2%以下しか無い。

これは政府の公表数値ですが、これすらも妖しいほど、実態は少ないようです。

除草を兼ねてじゃがいもやブロッコリーの土寄せ作業を行っているところです。

両サイドは南瓜が植わっております。

 

農協は有機野菜に取り組むと収益源である化学肥料や農薬の販売が減り、有機野菜には消極的であり、むしろ敵視している感さえあります。

農協と一体となっている日本の農政も当然に有機野菜を増やそうとは思ってもおりません。

有機農産物生産に対して厳しい法規制は加えて、補助金や支援はほぼゼロです。行政もメディアも農協を、結果としては、農家を敵に回すかもしれないことはしないのです。

それなのに、何故か日本のマーケットには有機野菜が溢れており、東京駅周辺では有機野菜と表示した野菜が溢れているし、有機野菜使用と表示した飲食店も多数あります。

消費者は何を信じて良いのか分かりませんし、当然に消費者の信頼も薄れています。

これが日本の有機野菜を取り巻く現状です。

 

消費者も有機野菜が体に良さそうなどと、有機農産物への欲求度は80%と高い。

処が、ニーズ(金銭と言う痛みを伴って購入する)はどうかというと、価格が高いと言う理由で購入者は増えてきません。有機JAS認定を取得していない有機野菜を加えても1%にも満たない程しか無いと言うのが実態に近いのです。

例えば、スーパーマーケットなどで、一本100円のきれいな大根がある横で、線虫が這った痕のある一本150円の大根が並べられているとしますと、貴方はどちらを選びますか?虫食いだらけとなった露地物の有機葉野菜と、慣行農業のハウスで育った立派な葉野菜があったとしたら、どちらを選ぶでしょうか?

見た目きれいな野菜が良い野菜と信じている消費者、野菜は本来安いものだと思っている消費者が大半を占めている日本では、有機野菜のマーケットは拡がらない。

このような理由で実際には、有機専門の通販にしか有機野菜は集まらず、宅配中心の流通しかないというのが実情かも知れません。

大地の会(有機野菜を標榜)では、有機JAS野菜の代わりに大地の会独自の基準で作られた有機野菜(法律上有機野菜と呼べない)を宅配しております。

しかしながら、この有機野菜専門の卸売業で販売されている野菜も何故か規格野菜となっております。

自然栽培や有機野菜は本来規格が揃うはずは無いのですが・・・。

まだ国立系の大学生なのですが、当農園で研修を行っているところです。

彼はコロナ下でリモートによる授業を受けてきたようで、すでに単位は取り終えた

とのこと。大学には一年間しか通っていないそうで、この時代の学生は大変です。

大手企業の実態を見てしまったようで、夢が持てないということで就活もせず、

当農園に興味を抱き、当農園での研修となりました。期待の新人です。

 

欧州ではどうかというと、オーガニックのマーケットは15%以上に、有機野菜生産農家は10%にも膨れあがっており、今でも増え続けております。日本では中国よりも有機農産物の耕地面積は少ないのです。

フランス・スイス・オーストリア・ドイツなどでは、国が有機栽培を奨励し、手厚く保護助成しております。

この違いはどこから来ているのでしょう。

欧州には自然環境を守る、食糧を国内で確保する、露地栽培は環境保全に大きく寄与しているなどの意識が高く、安全な食と言うよりも持続可能な農業として有機野菜を支持する国民が多く、その意識が高くなっているのです。国民の支持が高ければ、国も当然に補助金や支援を厚くしております。

環境問題に関心の薄い日本の消費者と正比例して国も露地栽培や有機野菜に対しては実に消極的な態度を取っているのも当然かもしれません。

 

一つの有機農家に100家族以上の消費者が居り、日本のように宅配の仕組みが備わっていない欧州では、週末になると家族連れでその農家に集まり、一緒に農業を手伝ったり、昼食を皆で作ったりして楽しんでいるようです。しかも野菜代金は前払いが多く(年間予約性)有機農家は市民の尊敬を集めており、社会的地位も高いのです。

欧州では脱炭素社会という取組も日本などと比べて多くの国民の支持を得ております。

結論として、国民の意識が変わらなければ健全な食を求める有機農業は日本では広まりが薄いと言うしか無いのです。

 

 

 

むかし野菜の四季ーPART2

2022.3.18(金)雨後曇り、最高温度14度、最低温度9度

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              農園の杏の花は満開

 

今日、およそ三ヶ月ぶりに本格的な雨が降った。

今までが余りにも少雨であったため、野菜は嬉しそうです。

大根・人参・キャベツ・白菜などは葉っぱを広げられず、根菜は細長くなり

いびつな成長をしていました。

これからは野菜不足も解消へと向かうことでしょう。

ただ、一部の野菜はすでに莟立ちが始まっており、出荷できないまま花が咲こうと

しております。

ウクライナへのロシア侵攻、プーチン独裁政権の暴走、東北地方の何度目かの

地震、コロナまん延など、不幸な出来事が同時に起こっております。

国はこんな時何をしてくれるのか、私たちは国という形を改めて考えて見るべきな

のでは無いかと思います。

 

それでも九州にはようやく遅い春が来ました。農園も日常の営みに戻れそうです。

今農園は種蒔き・ポット揚げ・定植作業に追われております。

今日は、雨降り直後でもあり、スタッフ全員珍しく5時過ぎに帰宅しました。

雨が一農夫の数百倍の良い仕事をしてくれましたので・・

 

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有機農産物の商品化とマーケティング

「農産物の流通」―現状分析―

皆様は農産物がどのようなルートを経て消費者のもとへ届いているのかをご存じですか?

農産物流通は実に複雑で農協・市場・仲卸・スーパー直などのルートを通っている。

 

全国農協や経済連が最も大きな流通組織です。官僚達の天下り先となっている何重もの

上部構造になっており、その組織を維持するために下部組織である農協と組合員(農業者)が居る。組合員が生産した農産物の75%がこの農協ルートを通る。他は市場や

仲卸を通して小売店へ流れる。

生産者と消費者との農産物の直接取引となると全生産量の数%も無いため、生産者の

作りたい野菜と消費者が欲しい野菜は繋がらないことになる。

農協の下部組織に「野菜生産部会」なるものがあります。

ほとんどの農産物は生産者が作った茄子部会とか、ピーマン部会とかが各地域に必ず

あります。その部会に属さないと農協へは出荷できません。つまりは、流通市場には

出せません。

かって、ある運送会社から電話が入りました。「○○野菜は無いでしょうか。

今、神戸の漬物製造会社から頼まれて探しているのです」

私はこう答えた。「うちの野菜は全て全国消費者へ直接お届けしており、生産量が

限られお出しできません。珍しい野菜では無いのでどこにもあるでしょう」と・・

「いえ!全てが農協に抑えられており、販売してくれる生産者がいないのです」と・・

もし、農協以外へと販売した場合は、部会から閉め出され、次は農協へは出荷できなくなりますから野菜が集まらないのです。ただ、農協はその事実を認めておらず、

○○生産部会は農協の下部組織では無いと主張しているようですが・・・?

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野菜等は農協及び青果市場や仲卸を経由して小売店へ送られる。

例えば、大根一本100円としたら、流通過程でおよそ60円が消えていき、生産者

に渡されるのは40円となり、その内、生産原価はおよそ24円であり粗利益16円

だけとなる。

 

流通では、農産物の品質(安全性・栄養価・美味しさなど)は評価の対象外となり、

規格サイズや見栄えが重視されている。規格サイズ(流通のし易さ)と見栄え(消費者のニーズ)は、農産物の品質とは本来は一切関係ない。

生産者が工夫を凝らし美味しく栄養価の高い安全な農産物を生産しても「流通」から

評価されず、農協及び流通が求める規格野菜(消費者が求めている?)を作るしか無

いのです。

 

近時は、生産者がグループを組み、価格を抑えて、スーパーなどの産地直売コーナー

などに持ち込み並べているケースも増えている。

スーパーへの手数料として20~25%を納めているが、これは買い取りでは無く、

余った野菜は引き取り処分するしか無い。

値引きされた一本80円の産直大根は商品ロスや運送コストなどを考慮すると、

80円―16円(手数料)―12円(運送手間)―12円(商品ロス15%)=40円

となり、結果として手間だけ掛けたということになってしまう。

日本の農産物流通の経路は複雑であり、生産者と消費者の接点はほぼ無いに等しいの

です。

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むかし野菜には新たな開墾地が加わりました。約3反です。

ここにはこれから大豆・麦類・さつまいもなどを植えながら土作りを始めていきます。

むかし野菜の野菜畑になるにはこれから3年を待たねば成りません。

 

生産者が農協離れを起こしていると言われてはいるが、現在の農産物の流通(販売)

の流れは農協抜きでは出来ないのです。

農産物の生産は気候の変動が激しく生産リスクの塊となっており、販売価格も生産者

に決定権が無く、品質志向の考えを持ったとしてもそれを実現できる(正当の評価を

受ける)だけの販売ルートを確保できないのが現実であり、さらに農家の農業離れを

加速させている。

地域の長閑な田園には、重い体を引きづるようにして80歳に近い農夫が畔塗りを

行っている。彼らには後継者はおらず、皆、都会に勤めに出ている。その農夫も子供

達にこの農業を続けてほしいとは願っていない。一見豊かな田園では子供の声は聞こ

えてこない。

 

2022.3.4(金)晴れ、最高温度13度、最低温度0度

 

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                    空豆

 

5月出荷予定の空豆の花が咲き始めていると言うのに、気温が上がらない日々が続いている。

コロナウィルスの感染は、より低年齢化してきており、学級閉鎖が多く出始めている。

おそらくはこのウィルスの自由自在の変異はだれも止められない。

ロシアはさながら専制君主となってしまったプーチンを止められない。

日本国民の多くは勿論ロシア国内でもウクライナへの侵略戦争の始まりにまさかと言う思いを抱いていた。

専制主義国家である中国やロシアの経済をも含めた資本主義経済の行き着く先が見えてこない、混沌とした時代へと入っている。

権力者のあせりと焦燥感を感じるときに、第三次世界大戦のリスクは次第に高まりつつある。

ある著名人が言った言葉、「自由は与えられたものではなく、勝ち取ったものである」

と言う言葉が重く感じられる。自己中心的な考え方から他を慮ることに少しでも価値観を変えて行くことが大切なのではと思わざるを得ない。

 

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2月の異常な寒さの後に来た暖かさに、トンネルは剥がれたものの、また、ぶり返してきたこの寒さに野菜達も戸惑っている。

 

むかし野菜の四季ーPART2

(持続可能な農業とは)

 

持続可能な社会とは一体どのようなものなのでしょうか?

例えば、資本(自由)主義の行き着く先は、一部の企業や人に富が集中し貧富の差が拡大する。その富は株や投機などのマネーゲームに流れていき、投資に回されて社会経済を動かし新たな雇用の場を作ることも無い。そして、益々、富は一部の大企業や富裕層に偏り、中産階層は次第に消えて行き社会は階級社会に移っていく。

さらに、そうした社会ではより楽な流通サービス業に人が集まり、物作り(生産製造)産業が敬遠され、物作り技術や技能を支えている職人の気風が失われていく。

社会経済は産業が偏り活力を失い、多種多様な物を生み出す産業の芽生えは生まれ難い。

社会から生み出される沢山の商品はそれを購う人(消費者)にお金の余裕が無くなり、物は売れず購買力が落ち込んでいく。景気は上向かず、デフレ状態が続き社会経済は活力を失い、

人は内向きとなり社会経済の矛盾に対しても無気力・無関心になる。

経済が、社会が回転・再生産しなくなってしまえば、その社会は持続不能な社会ということになります。このようにして今の日本は全ての産業を適度の配分で再生させようとするエネルギーに欠けているようです。

結論から言うと、持続可能な社会とは、全ての産業がイノベーションを起し易く再生可能なことを指しているのです。

 

技術者・職人・農業者などは紋切り型のマニュアルとは異なり、専門的な経験と勘を持っております。かれらは一朝一夕には育ちません。

私が銀行員時代、不動産詐欺に遭い掛けていた会社員を助けたことがありました。それ以来懇意にさせて頂き、私の仕事上の相談にも応じて頂きました。

その方は、新日鉄の製造部長兼工学博士でした。彼がある時、私にこう言いました。

「佐藤さん、鉄は様々な触媒を使って作っているのです。勿論精密なマニュアルはありますが、その触媒を何時、どのような分量で高炉に入れるかは全て気候変化を見て職人が決めているのです。言わば永年の経験と勘なのです。それは私にも分かりません」

私は唖然としましたが、これが物作り日本を支えていたのですね。

今では、かれら優秀な職人達が定年退職によって退職し、中国・韓国などに引き抜かれていきました。残ったのは所謂マニュアルでした。

政治がセーフティネットを掛けて技術や職人を支援し産業の偏りを無くし、富を生み続ける株や投機を抑え、投資を生み出しやすい環境を整え、社会に於ける富の分配を調整しなければならない筈です。それが政策ですが、今の政治にはそれが見当たりません・・・

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除草剤を使わず、草木堆肥で土を作り、肥料も使わず育てた大豆畑です。
このすさまじい草の中から生き残った大豆を拾いながら脱穀している風景です。

 

では、持続可能な農業とはどのようなものでしょうか?

持続可能な農業のことなどを多くの有識者は語っているが、その方法を知らないため

抽象論を繰り返しており、具体的な方策は示せていない。

園芸業者が河川・道路などから刈り取った草や公園・街路樹・家庭からの剪定枝などは大量な産業廃棄物となっています。それらの木や葉っぱ・草には多様な微生物や菌類が棲んでおります。当農園ではそれらを受け入れ、草木堆肥を作り、畑に施しています。

豊かな大地とは小動物・小虫・微生物・菌類・ウィルスなどの無数の命が生物の連鎖を起こし、自然再生若しくは自然浄化機能を果たしている土地のことを指しているのです。

その自然の浄化機能を果たしているのが微生物や菌類なのです。

持続可能な農業とは自然素材であるそれら草木を堆肥として「自然循環する土」を育てる事です。その農業は膨大な手間と労力を要します。毎年変動する気候にも対処していかねばなりません。

それらの知識はマニュアルでは表せません。永年培った経験と勘が必要です。

農業では、窒素肥料と農薬そして太陽と水さえあれば、取り敢えず農産物はできます。

アメリカ中西部やロシア中央アジアなどの世界の穀倉地帯と言われたところは、永年大量の窒素肥料と農薬を使い続け、地下水をくみ上げてきた。土は砂漠化が進み、生物相は無く、今では瀕死の状態に近づいている。

近代農業では量産や効率を重視し、肥料(窒素)過多の土壌は塩基濃度が上がり、土の表面に塩分が吹き出し、不毛の大地となる。土壌の再生力を奪っている。

窒素過多の土壌・化学物質に汚染されつつある土壌には決して明るい未来は描けないのです。

 

淡路島の玉葱・青森のにんにく・北海道のじゃがいもなどと産地をもてはやし、如何にもその産地の野菜は美味しいと、メディアも含めて伝えております。その産地の野菜はみな美味しいのでしょうか?

確かに種子による美味しい品種特性はありますが、種が良いからと言って美味しい野菜ができる訳ではありません。

野菜の美味しさは「味・香り・旨味・食感」にあります。そして美味しい野菜はすべからく栄養価が高いのです。品質の高い野菜は土作りにその根本があるのです。

 

日本の先人たちは何代にも亘ってひたすら土を育ててきました。その先人たちの叡智を、

肥料栽培となった日本の近代農業では全て捨ててしまいました。

当農園では、雨が降ると畑から突然キノコが顔を出す。古い農業本には「キノコが這える土地は土が出来上がっている証拠」と書かれておりました。菌類等が土壌の再生機能を果たしているからです。

草木堆肥を使ってみて発見したことですが、堆肥を降って畝を立て種を蒔きます。

発芽してからほぼ1カ月間はいらいらするほど成長しないように見えた幼苗が2カ月目に入った頃から目に見えて成長を始めるのです。窒素分を供給し始めるのですね。成長が一段落した頃、窒素分が切れ急に大人になり成長が止まります。完熟期に入ったのです。

この生命のサイクルは化学肥料や畜糞・米糠油粕などの有機肥料ではできませんでした。

最初の1カ月は野菜が成長するための土台として根を張り基部を丈夫にした頃から、窒素分が供給され始め成長を促し、大人になって窒素分の供給が止まり完熟期に至ると言う、この成長のメカニズムは草木堆肥や微生物・菌類が引き起こす生命のドラマなのです。

しかも土は一切汚さず、常に浄化再生機能を持ち続け、美味しい野菜をもたらしてくれます。

この日本古来からの農業こそ、持続可能な本来の自然循環型の有機農業なのです。

 

むかし野菜の四季ーPART2

2022.2.11(金)晴れ、最高温度10度、最低温度3度

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                  開墾作業

 

 新たな畑を借りることになりました。

約3反ですが、その1/3は雑木や竹林です。

先ずは男3人で雑木の幹をチェンソーで切り、枝を落とす作業と並行して

竹林の伐採を行っています。

この後、木や竹を焼いて重機で根の伐根を行い、ならし作業を行ってから、葉っぱ葉っ木や葉っぱの破砕屑を全面に振り、土作りから始めます。

ほぼ一ヶ月は要します。

その後、荒れ地に適したさつまいも・大豆を植えて、3年以上、土を育ててから

始めて野菜が植えられます。

 

「持続可能な農業」

(F1種子と遺伝子組み換え種子の話し)

当農園のホームページに「貴農園はF1を使っていますか?」という質問がよく届きます。どうやら自然栽培と言っているので、在来固定種の野菜を栽培している筈であるとの思いからでしょう。

私はこうお答えします。

「当農園でも何種類かの固定種を栽培してはおりますが、F1の種の方が圧倒的に多いです。現在の農業では掛け合わせによる品種改良や新種子の開発が当たり前のように行われており、F1を外した農業は難しい」

そもそも固定種と言う種子は無く、長い年月を掛けて緩やかに自然交配を繰り返しながら地域の気候に馴染み、遺伝子が固定化し他の品種と交配し難くなった種子のことを在来固定種と呼んでいます。

それに対してF1種は、ある性質が優勢に出る種子同士を交配させて、新たな種子を人為的に作り出したものです。その新たな種子の遺伝子は不安定で、自然界ではすぐに同系統の他の野菜と交配しますので、その種を採取したとしても同じ性質の野菜はできません。

 

自然界では、普通に他の品種と交配を繰り返して今の種子があります。

例えば、人の社会では、古来から近親相姦を忌み嫌っております。それは何故でしょうか。平家の落人部落が次第に滅んで行きました。これは他の社会と交流せず、近親相姦を繰り返したため、奇形児や虚弱体質の子供が多く生まれてきたからです。

当農園でも長らくエシャロットを作っておりました。処が10年近く経過したとき、種子が次第に小さくなりはじめ、ついには死滅してしまいました。

在来を扱っている「野口種苗」の店主も、時々は他の品種と掛け合わせを行わないと育たなくなってしまうため、他の品種と交配を行うとのことです。

在来固定種は種類も乏しく、元来が雑種ですので、形状や育ち方が異なります。

普通の消費者は常に同じ野菜を食べ続けていられるでしょうか?必ず飽いてしまいます。

F1品種が危ないと言って敬遠されておられる消費者もおられますが、危ないという科学的根拠はありません。

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                   焼き灰

有機物を焼くと炭素やミネラルなどの無機物(元素)になります。

凝縮したミネラル分が得られます。

これをむかしは農地に入れて農産物を作っていました。

「枯れ木に花を咲かせましょう」の花咲かじいさんは逸話では無く本当の話だった

のです。

 

種子法の撤廃・種苗法の改定・引いては食品表示方の改正など矢継ぎ早に農業関連の法律を改正(改悪)し始めました。

「日本古来の種子を守る必要性が無くなった」「外国から種子を取られてしまうから自家採取を禁ずる」「自然界でも交配による突然変異は起こるのだから種子のゲノム編集は認める」「産地が混じることも多く食品表示はしなくても良い」と言う。

その裏側には農業大国アメリカ(種苗の独占)の影が常にちらついて見えるのは私だけでしょうか?

「遺伝子組み換え大豆・小麦・とうもろこしなどは安全なのか?」

消費者は染色体遺伝子を組み換えた農産物だから怖いと言うだけでは無く、除草剤を大量に吸い込んだ農産物が何故安全と言えるのでしょうか?と言った疑問を何故抱かないのでしょうか?

遺伝子組み換え作物や除草剤を扱っているアメリカの巨大企業であるモンサント社は種子の独占を狙っているし、この会社の強力な枯れ葉剤(除草剤)を輸入している先進国は日本だけです。ラウンドアップと言う名の除草剤です。

今や国の農業政策は無いに等しく、日本の食の安全性や食糧の確保を考えない国はやがて滅んで行くことを危惧せざるを得ない。

在来固定品種にこだわるのもよいのですが、むしろ遺伝子組み換え作物の輸入解禁や

食品表示義務を無くすなどの法改正の方が問題なのでは無いでしょうか?

 

ただ、種苗会社がF1種の開発にしのぎを削っていると言っても、その目指すべき方向性に問題があります。最近の種子メーカーは見栄え・量産可能・耐病性・育て易さなどを追求しており、味香り・栄養価・美味しさなどの品質を軽視しております。

何故そうなったのか?それは流通に乗せ易さ、あるいは、生産者の作り易さを選択しないとその種子を買ってもらえないからです。流通側のニーズに縛られている生産者も当然に作り易さや見栄えのする野菜を選択します。

 

むかし野菜では、年間10種類程度の新たな種子を試験的に植えてみますが、残るのはその中で1品種程度です。当農園では、見栄えなどより、先ずは美味しさや個性を重視しており、交配した元の原種の遺伝子を多く残している種子しか選びません。

大量流通社会では生産者と消費者とのやりとりが無くなり、真に消費者が望む個性があり美味しい品質の野菜が消えていこうとしております。

 

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                雨を待つ野菜達

冬期には貴重な雨が日曜日に降る予報で、農園のビニールトンネルを一斉に剥ぎます。

しばらくは寒に曝し、ひ弱になった野菜を引き締めます。

冬はこれを繰り返し、野菜を育てているのです。