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夕日に映えるすももの花
3,健全な農産物とは?
―農薬より怖い除草剤・抗生物質・化学物質・硝酸態窒素による土壌複合汚染―
有機農産物は安全?有機無農薬野菜?についてどこまで消費者は知っているので
しょうか?
消費者は農産物の安全性について農薬のことしか言いませんが、農産物の安全性を
阻害している以下のような四つの課題があるのです。
PART6.―残留農薬問題―
「畑に残留する危険な農薬の使用」
それでは危険な農薬について詳しく説明いたします。前項では農業者にとって危険な
農薬(劇薬)の話をしました。これは分解スピードが速く、約1日で光合成分解など
で無害となるように設計されていると説明いたしました。つまりは劇薬は出荷直前に
使わない限りは消費者にとって一番安全な農薬となります。
農薬は分解スピードが遅い農薬(緩効性農薬)ほど効き目が長く続きます。
普通は10日間ほどその農薬の効能は残ります。繰り返し使っているとそれを
残存農薬と言います。
通常、この緩効性農薬は3~5日間隔で使用されております。特に出荷直前に害虫に
葉などを食い荒らされては流通も消費者も買ってはくれませんので、出荷間際まで使
われることが多い。これが消費者にとっては危険なのです。
農薬はその後、より農業者の人体に危険性が少なく、出荷直前まで使わなくて済むよ
うにと、散布量を減らしてより効能持続性の高い農薬に改良されたネオニコチノイド(人体に大きな影響を及ぼす可能性が高い)を代表とした浸透性農薬が誕生した。
その農薬は野菜に浸透していき、散布した野菜を食べた虫が死ぬ、あるいは、生殖
能力を失わせるというものです。浸透性農薬は害虫だけでは無く、虫・微生物・
菌類も殺してしまいます。土に潜んで居る害虫(線虫・夜登虫など)を駆除するため、土中消毒と称して使われている浸透性農薬も生態系を破壊します。自然の生態系の
破壊は自然の循環機能・浄化・再生の仕組みまでも壊してしまうことになります。
例えば、線虫が猛威を振るう5~8月頃に蕪類・大根などの表面が真っ白な野菜は
この土中消毒を使っているものが多い。また、地域によって異なりますが、みかんや
とうもろこしなどは芯喰い虫が飛び回り卵を産み付けます。すると出荷直前頃にトウ
モロコシは茎が折れてしまいます。みかんは実の中を食い荒らします。このため、
当農園ではトウモロコシ栽培を断念しました。浸透性農薬を使うしか術が無くなった
からです。
浸透性農薬の代表であるネオニコチノイド系の農薬は何故か日本では使用禁止になっ
ておりません。使用量が少なくて済むからと言ってむしろ国が奨励しているくらいです。残念なことに、この浸透性農薬は農薬使用の70%を超えております。農薬が
浸透した野菜を食べた虫が死ぬ。そして生き残った野菜を人が食べることになる。
誠におかしな話です。ちなみに最近になって有機無農薬と言う表現を国が禁止して
おります。農業生産活動において農薬の使用は避けられなくなってきており、有機
農家ですらやむを得ず虚偽表示をせざるを得なくなったからです。
さらには、有機JAS規定が自然界の変化の実態に合わなくなってきており、ついには、「減農薬野菜」と言うわけの分からない野菜を認めております。
どの農薬をどの程度使っているのが減農薬野菜か消費者の方は分からないですね。