むかし野菜の四季ーPART2

2021.11.27(土)晴れ、最高温度14度、最低温度7度

f:id:sato-shizen-nouen:20211127215714j:plain

        自然栽培大豆の収穫作業風景(4反の圃場)

 

 一見すると大豆畑とは思えない光景が広がる。

除草剤も農薬も使わない大豆の栽培とは、このようになってしまうことが多いのです。

大豆は7月に種を蒔き、11月中下旬頃に枯れた大豆の収穫を行う。

この時季は夏草の繁茂する時季と重なり、旺盛な草に大豆が負けてしまう。

畝間の草刈りは行うのだが、それくらいではどうにもならないくらいに草の勢いが

強い。

そのため、大豆を探しながら草刈りを行い、草を除去した後に数回耕して、今度は

麦の種を蒔く。大豆と麦の二毛作と言うことになります。今年は遅くとも12月中旬

頃には麦を蒔きたい。折しも急激な寒波が襲ってくると予想され、心は逸る。

f:id:sato-shizen-nouen:20211127220639j:plain

まだ青く、大豆は青刈りの状態では脱穀ができない。一端農園の作業場に持ち帰り、

自然乾燥させてから脱穀となります。

f:id:sato-shizen-nouen:20211127220841j:plain

むかし野菜の邑の社屋軒下は青い大豆で一杯となっている。年内には脱穀作業はできないだろう。味噌・黄な粉作りは来年の2月頃になってしまうでしょう。

 

 

「農薬の話」-Ⅱ

 

それでは危険な農薬について詳しく説明いたします。

前項では農業者にとって危険な農薬(劇薬)の話をしました。これは分解スピードが

速く、約1日で光合成分解などで無害となるように設計されていると説明いたしました。

つまりは劇薬は出荷直前まで使わない限りは消費者にとって一番安全な農薬と言うことになります。

 

農薬は分解スピードが遅い農薬(緩効性農薬)ほど効き目が長く続きます。

普通は10日間ほどその農薬の効能は残ります。繰り返し使っているとそれを残存農薬と言います。通常、この緩効性農薬は3~5日間隔で使用されております。特に出荷直前に害虫に葉などを食い荒らされては流通も消費者も買ってはくれませんので、出荷間際まで使われることが多い。これが消費者にとっては危険なのです。

 

農薬はその後、より農業者の人体に危険性が少なく、出荷直前まで使わなくて済むようにと、散布量を減らしてより効能持続性の高い農薬に改良されるたネオニコチノイド(人体に大きな影響を及ぼす可能性が高い)を代表とした浸透性農薬が誕生した。

その農薬は野菜に浸透していき、散布した野菜を食べた虫が死ぬ、あるいは、生殖能力を失わせるというものです。

浸透性農薬は害虫だけでは無く、虫・微生物・菌類も殺してしまいます。土に潜んで居る害虫(線虫・夜登虫など)を駆除するため、土中消毒と称して使われている浸透性農薬は生態系を破壊します。自然の生態系の破壊は自然の循環機能・浄化・再生の仕組みまでも壊してしまうことになります。

浸透性農薬の代表であるネオニコチノイド系の農薬は何故か日本では使用禁止になっておりません。使用量が少なくて済むからと言ってむしろ国が奨励しているくらいです。

残念なことに、この浸透性農薬は農薬使用の70%を超えております。農薬が浸透した野菜を食べた虫が死ぬ。そして生き残った野菜を人が食べることになる。誠におかしな話です。

 

ちなみに最近になって有機無農薬と言う表現を国が禁止しております。農業生産活動において農薬の使用は避けられなくなってきており、有機無栽培栽培は有機農家ですら、やむを得ず虚偽表示をし始めたからです。さらには、有機JAS規定が自然界の変化の実態に合わなくなってきており、ついには、「減農薬野菜」と言うわけの分からない野菜を認めております。

どの農薬をどの程度使っているのが減農薬野菜か消費者の方は分からないですね。

 

 

f:id:sato-shizen-nouen:20211127224342j:plain

        漬け物用の高菜を天日干ししているところ

毎年、11~1月頃まで冬野菜の漬け物作りが行われる。その代表的な漬け物が高菜

です。干した高菜を塩もみして大樽に漬け込みます。その後、2~3段階で出てきた汁を搾り出し、漬け込み直すことにより、本高菜漬けとなるのです。

この頃、大根に米糠と天然塩で昔ながらの大根漬けも作ります。

当農園では、昆布や削り節などのグルタミンも使いません。乳酸菌発酵をさせ、素材の

味を大切にしているからです。勿論、甘味料・防腐剤・酸化防止剤など一切加えません

 

 

もう一つ問題となるのが、除草剤です。除草の手間を掛けさせないようにと除草剤の改良も進み現在ではほとんどの農業者が除草剤を使用するようになってきた。作物毎に細かく除草剤の濃度などの説明がなされている。(遺伝子組み換え作物の種子を作っているモンサント社の枯れ葉剤が日本で多く使われるようになってきた。良く効きますと宣伝されている)

さらには野菜を立派(大きく)にするために成長ホルモン剤が開発され、野菜に限らず果物・家畜の肥育にも使用されるようになってきた。アメリカの知識階層では自国産の牛肉を食べないそうです。

 

浸透性農薬の普及と残存農薬・除草剤の恒常的使用・高窒素肥料施肥などにより、農地の土壌は深刻な汚染状態に陥っております。その結果、さらなる大きな問題が発生し始めた。

アトピー・アレルギー・神経疾患・癌などの現在病の多発です。看過できないのは自然の秩序破壊の問題であり、農家にとって野菜果物の受粉を行ってくれていたミツバチが死滅し始めていることです。

国の支援を受けている農学者(有識者とされている)は、「決められた一定の農薬使用であれば人体及び環境に深刻な影響は出ない」としている。一つの作物にその一定量であれば問題は発生しないと言うなら、毎日数種類の野菜や果物を摂り続けるとどうなるのですか?と敢えて問いたくなる。

その説明の仕方は人体に悪影響を及ぼし、未だ増え続けている数限りない食品添加物とよく似ている。

食品添加物にしてもホルモン剤にしても、除草剤にしても、浸透性農薬にしても、継続して使用していれば人体だけではなく自然界の浄化再生機能を壊し続ける事になる。

欧米ではすでに癌などの現在病を引き起こす恐れの強いネオニコチノイドなどの浸透性農薬を使用禁止あるいは、大きく制限するようになっている。それをしていない先進国は、唯一、日本と言う国なのです。

欧州では「日本の食は危険」と見られていることは、オリンピック選手団が食糧の持ち込みを考えていたと言う笑えない話が出てくるくらいです。

 

f:id:sato-shizen-nouen:20211127225654j:plain

            2年前に行った農園体験会

200人を超えるご家族が参加していた。子供達に収穫鋏を持たせての収穫体験でしたが、驚くほど、無心で鋏を野菜の根元に入れる幼子達の顔、顔、顔が心に残っております。コロナが長引き体験会が開かれないのが残念です。

食育活動の一環ですが、本当に学ばなければいけないのは親御さんなのですが・・