農園日誌ーみんなで山登り

28.5.18(水曜日)晴れ、最高温度25度、最低温度14度

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今週の農園日誌は、佐藤自然農園ファミリーの久住山縦走のご報告を致します。
子供たちはみんな頑張りました。
今回は牧ノ戸峠から久住山を目指し、山頂手前付近の泣き別れの分岐点にて道を左にとり、急斜面を一気に下り、法華院温泉を経由して坊ガツルの平原を通り、雨ガ池の林間コースを下り、タデ湿原に達するコースを取る。
大人の足でも3~4時間を要する久住縦走を行った。朝九時半頃に登り始め、下山したのが午後6時半になった。4歳から9歳までの子供4人と大人6人のパーティ。

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この児は、「さーや」
4歳。
実は二回目の登山なのだが、前回は後ろの父ちゃんにずっーと背負われっぱなしの登山
だったため、親子ともに
リベンジ登山となった

なんだかんだと言いながらも自分の足でここまで登ってきた。
ここまでは想定内。


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こちらは、「かける」5歳
熊本から研修に来ている「こーた」君とすっかり仲良しとなった。
やはり男の子か、
男同士が良いのかもしれない。「かける」は
三人兄弟の末っ子。上の二人は女の子。

「かける」は今まで数回
久住登山をしており、
今回も安全パイと思っていたのだが・・・


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牧ノ戸峠から登る
三合目付近からみた
久住登山道。

もやがかかっているのが気がかり。
今日は晴れの一日のはずなのだが・・

縦走コースを取りやめようかと迷いが出てくる




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久住山のしゃくなげ

今まで随分とこの山に登ってきたが、こんなにきれいなしゃくなげの花は初めて見た
山の一つの楽しみがこの野山の木々や花々の美しさ。

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このコースは比較的
勾配が緩やかではあるが、それでも急斜面の上り下りが、子供たちの体力を次第に奪っていく。
何しろ、自分の背丈以上の岩々の間を縫って
登らねばならない。
それでも子供たちは黄色いペイント(山の道標)をタッチしながら、山を楽しんでいる。

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5合目あたりに差し掛かると、心配していた靄が次第に濃くなってくる。前方にはガスが
吹きあがってきている

それでも剽軽な「かおる」はカメラを向けると
振り向いてピースサインのポーズ。
「さーや」はぶつぶつと何か囀りながらも、
以前頑張っている。


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ややきつい斜面を登り切る頃、山頂手前の山小屋に差し掛かってくると、辺りは一面白い
世界へと変わっていた

長女の「ひなた」までもが後どれくらい?と
聞いてくる。
この頃から、流石に
「さーや」も抱っこして
の甘えが出始める。
父ちゃんはまだまだと
突き放す。
みんなも「さーや」頑張っているね!えらいぞ!もう少しだよと励ます。
「ひなた」の髪もしっとりと濡れている。

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お昼頃、ようやく山頂手前の避難小屋へ到着

辺りはとっぷりと日が暮れたような暗さと
静寂が漂う。

寒さが募り、小屋に入ってのお昼ご飯。

この頃には辺りには
人影がめっきりと減ってきた。

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13時30分、久住泣き別れの分岐点を左に降りる。
ここからは急峻な斜面を一気に500m下る
悪路が続く。
「さあ!父ちゃんが頑張る番になったぞ!」
「さーや」を背負子で
負う姿が勇ましい。
辺りは数メートル先も見通せないガスに包まれている。

ほとんど直滑降の急斜面の半ばに差し掛かったころ、手を引いていた」「かける」の足が止まり始め、「足が痛い」と泣き始める。疲れたのだろう。
こんどはジージが「かける」を抱っこしての直滑降が始まる。
途端ににこにことした笑顔が戻る。
急斜面が終わる頃になって、風が頬をなぜる、辺りは急にガスが引き、視界が広がり始める。

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急斜面を降り切ると
荒涼とした賽の河原
のような風景が
広がる。所々に
水が流れ、まさしく源流のさらに源のようだ。

「かける」も甘え心が出始めて、母ちゃんに
手を引かれ、しぶしぶと歩き始める。



この後、さらに急斜面があり300mを一気に下る。甘え心が芽生えた「かける」君は
しっかりとジージの抱っこでそこを降り切る。一方の「さーや」はと言うと、自分の足で歩くと言って聞かない。かなりな時間はかかったが、独力で降り切る。
皆からは、「さーや!偉い」と一斉に賞賛の嵐。方や形無しの「かける」君でした。
すっかりとしょげかえり、膨れ面。山登りの先輩として意地を見せろ!「かける」君・・


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山の上にある法華院温泉を経ると、一気に視界が開け、坊ガツルへと抜けた。
子供達にはこの風景はどのように映っているのだろう。

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雨ガ池に到着。

ここは湿地帯となることが多いせいか、木の桟橋を設けている。
残念なのは自然を補強していくと山を守ることになるのか?との疑問が出てくる。
とにもかくにも、残り
わずかとなり、ややほっとしているジージでした。


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林間を抜けていく雨ガ池ルートを一気に降り切る。
この頃は最後尾が定着した「さーや」ととうちゃん、「かける」とジー
の二組が、いや!二人が頑張っている。

それまで何事か囀り続けていた「さーや」の声がしなくなった。どうやらお眠のようだ。


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ゴールまで残り数百メートルになる頃、今度はとうちゃんに異変が

疲れ果てて今にも倒れこみそうな・・
今度は父ちゃん頑張れ

今日の一日は親子で
触れ合った人生の大切な一ページになることだろう。
その証拠にこの写真を残そう。

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筋湯の温泉に浸かって帰った。一日の疲れを癒し、明日からまた頑張ろう。

子供たちは翌日の朝はさすがに疲れから寝覚めが悪かったそうだが、丸一日が経つと、すっかりと疲れもとれ、元気に学校に保育園に通っているそうだ。
「さーや」は寝言で何事か叫んでいたし、「こーた」君は二日経ってもまだ普通に戻らないそうだ。
ジージはと言うと、二日目から疲れがどっと体に来ているようで、あと何年子供たちと一緒に山登りができるのだろう・・

子供を連れた一行が多く目についた。親子との触れ合い、自然との触れ合い、それを意識しての親心だろうと思える。
ただ思うのは、何かを自らの力で達成した満足感や充足感は子供たちの心にきっと
何か人生の大きな宝物を残してくれているのだと・・・