農園日誌ー

28.5.11(水曜日)曇り後晴れ、最高温度20度、最低温度15度

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              農園にじゃがいもの花が咲き乱れる

じゃがいもの花が咲き終わってから約三週間で収穫時期を迎える。
この花が咲くと、野菜の無くなる春の端境期にじゃがいもが早く収穫ができないものかといつもため息がでる季節を迎える。

熊本から研修に来ている「コータ」君も震災のための里帰りから帰ってきて、農園に
復帰している。今日は初めてトラクターを運転させる。
作動装置が多くて困惑していたが、緊張の一日であったようだ。
福岡から研修希望(農業志望)の女性が東京のIT企業を退職し、昨日まで体験に訪れていた。あいにくの雨の両日となり、消化不良だったのだろう。来週晴れた日に来園したいとの連絡が入る。
大学では生物を専攻していたとのことで、どうしても農業への思いが断ち切れなかったようだ。当然のことだが、親御さんはそんな我が子を心配しており、何とか説得しているとのこと。
年金が無いところでは将来が不安になるとのことのようだが、元来、農業者とは独立自尊でやっていくもの。国(年金)を当てにしてやれるものではない。
浪費し続ける役人天国の日本では年金制度そのものがすでに破綻しかかっているのにと思う。
農園に集まった若者たちは、概ねこう思っている。
「将来の自分に投資している。土地を耕し、土を作り、商品価値があり、良質な野菜作りのできる環境を作る。当てにならない年金(国)に頼ることはしない」と・・・

彼女の目を見ていると、曇りがなく、久しぶりにきれいな目を見た。
自分の人生なのだから、自分で決めなさい。いつでも受け入れるから、また、一所懸命にやれば、必ず農業系で頑張れる形には育ててあげられるよと、励ます。
農業現場には必ず女性が必要であり、その忍耐強さは男にはない優性があると思う

農業を志望する若者たちには、このように伝えている。

「農業はサラリーマンでできるものではない。狭い国土の、狭い農地しかない日本の農業は、必ず家族単位で行うしかない。何故なら、野菜は生き物であり、絶えず見守ってやらねば成長はしてくれない。時間制や規則決まりでやれるものではない。
野菜は愛情(手間)をかけたほど、農人に収穫の喜びを与えてくれる。だから収入があり、農人が生きていけるのだから」

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由布市狭間町の麦畑
除草剤・化学肥料・
農薬など一切使用しないで、立派に成長している小麦。
勿論、除草にはそれなりに工夫はしている。

他の麦畑がすでに黄金色に染まっているのに
種蒔きが遅れた当グループの麦は、以前青いまま。

収穫が梅雨時期に重ならねば良いのだが・・それでも野菜とは異なり、穀類は人間の生きる糧になるため、なんだか生命の存在感に溢れている。妙に感動してしまう。

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こちらは、研修を終えた
後藤君の圃場。
左側は小麦・右側は
とうもろこし。
このとうもろこしは
粉にするためのもの

自然農の小麦粉・大豆粉・米粉・とうもろこし粉
ができたら、色んな加工品ができると、今から楽しみにしている。
一部は消費者へ送る


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                   早めに収穫したにんにく

今年は強いエルニーニョ現象の影響か大きな気候変動のせいなのかはわからないがとにかくいつもとは違う動きをしている。
そのため、小さな生命である野菜達にとっては、命の営みに大きな影響を及ぼしているのを感じる。
去年はにんにくは全滅し、今年は枯れ落ちるのが早くやや未熟な球となっている。
腐れも多く発生している。
収穫したにんにくはそのまま放置しておくと腐ってしまう。そのため、二三日干したら
すぐに皮むきにかからねばならなくなる。

(農業の行く末は?)

国の農業政策は農協を主軸とした徹底的な保護政策から、一転して法人化や集落営農へと舵を切りつつある。
国や霞が関の官僚たちは、農業現場を知らない、あるいは、集落の繋がりを失ってしまった地域の実態を知らない。
そのため、机上の空論だけが一人歩きをはじめ、規程・規則・慣例・前例主義ばかりが目につき、責任を負いたくない役人たちが勝てにその決まりを押し付けてくる。
あたかも支援してますよとの上から目線で・・
農業は変わらねばならないし、マーケティングに基づいた自由な活動がなければやっていけない。がんじがらめの規制強化では農業現場は益々悪化の一途を辿る
うちに来ている若者達でも分かることが役人たちは分からないし分かろうともしない

突然に訪れてきた女性の純粋な一途な思いを決して無にしてはならない。

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                 育苗中の夏野菜の苗

今年はすでに梅雨入りしているのかもしれない。断続的に降り続く雨。
雨休みの間隙を縫ってしか土仕事(畑作り)はできない。
そのため、まだこんなにも植え残している夏野菜の苗が残っている。
今日も野菜の収穫日(発送日)なのだが、一人土仕事(植え込み準備)を行う。
何とか本格的な(?)梅雨入りの前には植え込まねばならない。
明日は久しぶりの晴れの日、収穫し残した玉葱やにんにくを畑から追い出し、
草木堆肥を撒き、夏野菜を少しでも多く植え込まねばならない。
明日は、スタッフ全員、忙しい一日になりそう。

週末は一日お休みを取り、孫たちとの久住山への山登りの約束を果たそうと思う。