農園日誌ー農業のグループ化への試み

27.11.25(水曜日)曇り、最高温度17度、最低温度11度

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    出荷真近の白菜、隣は寒の到来で何時頃巻いてくれるか不安な白菜

例年この時季に白菜は巻かないことのほうが多い。
これは虫害や、夏秋の高温障害により、育苗が難しく、成長の秋が無く、急な冬の到来を迎え、ついには、巻かない白菜となってしまうため。
今年は、比較的涼しい夏と暖かい秋の影響で、すでに今年二回目の白菜の出荷を迎える。お隣さんの白菜はどうやら、巻かない白菜となるだろうが・・・ビニールトンネル(覆う時期が難しい)などの工夫はしてみようと思う。

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左側は11.4の写真(定植直後)      右側は11.25の写真

映す方向は逆になってはいるが、レタス系の野菜を見比べれば、その成長の過程が分かる。この時季、約三週間で出荷直前の野菜に成長している。
やはり、暖かい秋というか冬のようだ。

露地栽培の農業は毎年変わる気候の変化を予知し、種蒔き・定植時期を工夫している。その予知が見事当たるとこのようになる。勿論外れることもある。
これが今の露地栽培の実態。農業は難しい自然環境になっており、これから、この農法を学んで農人になっていこうとする人達は、自然とともに寝起きして、動物的な嗅覚と反復した経験を身につけなければならない。頑張れと言うしかない。

高品質野菜作りを目指さなければ、中山間地の農業はやっていけない。
まして、農業で自立しようと思えば、お客様と共に語れる直販体制を築くしかない。
初めから豊饒な農地と設備を持っている農家ならば、水耕栽培などの施設栽培を
目指すこともできよう。しかしながら、これから、資金力や資産を持たないで農業を目指す若者たちの未来はかなり厳しい。生半可な精神ではやっていけない。

楽しんで農業をしようとこの世界に入ってくる若者は多いが、現実を目の当たりに
して立ち竦み、挫折し。去っていく大半の若者たちにこの世界に踏みとどまらせるにはどうしたら良いのか?これが大きなテーマとなっている。

それがむかし野菜グループの「集団営農化」であり、遠大な試みになる。

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ニラの株別け作業

ニラは同じところに
5年以上植えていると
根が絡まり、仮死状態となり、やがて枯れ
落ちていく。
ハーブやセロリなども
同じ理屈で定期的に
株別け作業が必要。
農園では4~5年を
経過した畝はこの株
別け作業を行う。


(高品質野菜の集団営農化への試みーPARTⅠ)

このテーマは当初地域の村落で試みた。首長(町長など)に話を持ち掛け、地域
農業者に問いかけを始めた。それが「中山間地での有機野菜の商品化・集団営農化」のセミナーでした。(今から20年前)
高品質野菜への質問は多かったが、グループ営農の話になると途端にそっぽを向かれる。孤立した農業では全国的な巨大な流通システムに飲み込まれてしまい、
とても農業の自立どころではなくなると繰り返しお話をしたが、無駄な2年間に
終わってしまった。皮肉な話だが、今頃になって時の政府はグループ営農化を進め始めているが、時、すでに遅しで、地域農業の担い手たちは老齢化し、その後継者からは未来の描けない農業にそっぽを向かれている。

これが私が農業を始めたきっかけになったのではあるが・・・

今、農園には三人の若者が集まっている。
現在は露地・自然循環農業においては、幼稚園から小学校に上がったばかり。
最も私もようやく高校生になったくらいですが・・

彼らは当初、農業の知識はおろか、経験もない素人から始まった。
鍬の持ち方から教え、土作りの基本を学んでいる。
年間100種類以上の野菜を育て、野菜の個々の特性から学ばねばならない。
自然科学の知識を農業現場から学んでいる。
ほぼ二年が経過し、形だけでも独立の農業者となろうとしている。
当然に、独力では圃場確保も難しく、設備もなく、機械もなく、販路もない。

多くの研修生(国の支援を受ける)が独立した途端に途方に暮れることになっており、研修受け入れ農家の支援が必要となる。
ここで私の永年の懸案となっていた「高品質野菜の集団営農化」への模索と試みが始まることになる。
先ずは自らが「有機野菜の商品化」の実践を手探りで行ってきた。
その途半ばではあるが、250余人のお客様(仲間達)が居てくれるのが心強い。
その試みについては、次回以降に・・・