農園日誌ー秋近し!

27.8.13(木曜日)晴れ、時折曇り、最高温度34度、最低温度25度


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農園に待ちに待った雨が降るー早朝の三番の畑

昨日、早朝から収穫をしていると、ぽつぽつと背中に、葉っぱに水滴が落ち始める。
午前9時を過ぎる頃に、本格的にザーザーと雨が降り始める。
野菜達はこんなに雨を待っていたのか、と思うほど、実に嬉しそう。
一昨日、半信半疑で人参の種を蒔く。雨を予想しての種蒔き。
前回蒔いた種はほとんど発芽せずに終ってしまった。今回こそと・・・

自然の雨は人間のそれこそ何十倍もの仕事をしてくれる。このところ、連日3~5番の畑に水遣りの毎日であった。今日は水遣り作業から開放される。

今、畑では夏野菜の勢いが増し、枝や葉っぱが繁り始めている。この雨でさらに勢いが増すだろう。
このまま放置しておくと、密集し、風通しや採光が悪くなり、実付きが悪くなり、病害虫の発生が出始め、茂れども実が付かずになってしまう。
梅雨明け後の中耕・追肥作業を終えると、支柱立て、紐掛け、剪定・誘引作業に
追われることになる。

イメージ 1葉や枝・脇芽などが密集した
トマトの棚

お分かり頂けるだろうか、
棚の先の方は剪定完了。
手前側が今剪定中。

地面に切り取られた大量の葉っぱが落ちている。





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剪定完了後のフルーツトマトの棚。
一本の枝が数メートルに及ぶものもあり、当然に真上に上げずに、ほぼ真横上に
ずり降ろしながらの作業と
なり、真夏の炎天下の作業
としては神経と集中力は使うは・・暑いはで・・へとへとに
なる。
画して芸術作品の完成まで
約一週間を要する。

但し、これで完成ではない。その後、一週間後にはまた同じ作業を繰る返すことになる。それだけ、野菜達は伸びようとする生命力に溢れている。
それに付き合う人間にもそれなりの忍耐力と愛情が必要となる。
このようにして、特にトマト・茄子・パプリカなどは剪定・誘引作業が秋の中頃までは
延々と続くことになる。
他方では、秋野菜の種蒔き作業がすでに始まっている。
じゃがいもは今年200キロ、すでに60キロは植えつけた。
トレイやポットに白菜・キャベツ・ブロッコリー・レタス系野菜の種を蒔く。
寒冷遮で被ってやり、夏の暑い日差しから守ってやり、水遣り作業は欠かせない。
これは主に女性陣の仕事となる。

世界で気候変動が激しく、人間の営み(欲)が作り出した大規模な自然破壊のツケが回ってきており、確実に平均気温が2~3度は上がり、夏は記録的な暑さや豪雨
になり、冬は記録的な低温にもなる。
野菜にとっての気温1度上昇は大きなダメージに結びつき、野菜の季節感(所謂旬)
が大きく変わってしまう。
露地栽培の夏野菜は、7~8月が旬ですと、言えたのはすでに遠い過去になっており、農業現場の実感では、8~10月になっている。
そのため、秋は足早に去っていき、やがてすぐに冬になる。
そんな気候の大変動を野菜達が教えてくれている。
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旺盛に生育を始めた茄子達

ご覧のように未だ木は小さい
8月は半ばを過ぎようとしているのに・・

最盛期を迎えると背丈は
この2.5倍ほどになる。




最近、むかし野菜への問い合わせ(お試しセットの申し込み)が増えている。
その中で、F1(交配品種)以外の野菜を作っていますか?とか、牛糞などの畜糞を使っているんですか?などの問い合わせが多い。

全国の有機野菜生産者のためにも、この当たりのことを少し弁明して置く必要が
ありそう。おそらく、様々な学者や健康志向の専門家などから、それこそ極く専門的な説明をお聞きになられてのことと思いますが・・
先にお断りして置きますが、実践(現場)と理論(机上)では、大きく異なります。自然界の中で農業の実践をしておりますと、常に結果が出てきますので、その実践の繰り返しの中から学ぶことが、あるいは、分ってくることが多い。
学者ではありませんので、理論上、可笑しなことを言うかもしれませんが、あらかじめ、お断りしておきます。

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支柱を立て、剪定・誘引作業をしている。

きめ細かく繊細で神経を使う
作業となり、集中力が必要

これは伏見・万願寺とうがらしの剪定。
トマトや茄子などはさらに
細かい作業となり、30分もすると集中力が落ち、一休みをしながらの作業となる。

今回は、F1(交配品種)について、
その反対用語として、在来種、固定種という言葉があります。
「在来種」
これは永い時をかけてその地域に根付いてきた野菜のことです。
その地方の気候風土で永年育って、かつ、守られてきた品種ですから、種が変化しなくなっています。つまりは交配しない品種となっています。
「固定種」
これも在来とほぼ同じ考え方ですが、言えることは交配しにくい品種というほうが正しいかもしれません。それでもこの固定種も在来種も永い永い時を掛けて交配を
繰り返してきたものです。

人間でも同族結婚を繰り返すと奇形児や病気が発生します。そのため、時折、外部の血を入れていきます。(人間も野菜も同じ生き物です)

F1は人為的に優性遺伝士同士を掛け合わせて求めている性質の品種を作り上げることです。そのため、遺伝子は安定しておらず、常に先祖帰りをすることも多い。
その意味では接木も同じです。
自然界で育てられた交配種(F1)は必ず、同族の種子と交配してしまい、種を採取してもF1本来の野菜は出来ません。

逆に在来種はともかくとしても、固定種の場合、閉鎖された空間(例えば、それ専用の密閉式ハウス)でないと種は取れ難いです。他の品種と交配してしまう可能性があります。従って自家採取と簡単に片付けることは言えないのです。
しかも、在来・固定種ともに極めて種類が少なく、入手が困難です。

只でさえ、真の有機野菜を育て管理して商品にして出荷するまでの手間と労力及びその安い単価を考えると、理論でしか物を考えない意見には違和感を覚えてしまうのです。

おそらくは、F1品種は健康に良くないとの考え方から出てきた意見ではあると思いますが、それは強制的に行う遺伝子組み換えとは異なり、ある程度は許された範囲と考えて頂きたいと思うのですが・・・

それよりも、健康のことを考えるならば、有機および自然農の実践を積み重ねてきた農人達の説明をよく聞き、如何に化学物質を畑から排除し、如何にミネラル分を考えた土作りをしているのか、窒素過多にならないようにしているか、そこら当たりを質問して頂いて、自分の価値観及び考え方を信じて、購買活動を行って頂きたいと
思います。
極く、部分的専門家の意見や世評に左右されず、ご自分の価値観及び目を信じて
信頼できる農人の野菜を選んで頂ければと切に願う。

但、過度な畜糞の使用は、様々な化学物質や抗生物質を加えた飼料を食べさせられていることが多いので、慣行栽培と大きな差が無くなります。
さらに持ち込まない、持ち出さないの自然農の場合は、常に圃場からミネラル分を収奪し続けることになり、土がだんどんやせていきます。栄養価の面で問題が出てくる可能性が残ります。

賢明な消費者になって頂きたい・・・その助けにでもなればと考えます。