農園日誌ー猛暑

27.7.30(木曜日)晴れ、最高温度33度、最低温度26度

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          由布市庄内地区、大豆蒔き作業の風景

今週、日・火・木曜日、朝5時頃から庄内に出向き、約4反の畑に大豆を蒔く。
農園スタッフ6名と田北さんの総勢7名による共同作業。
およそ4時間×3日間=延べ12時間でようやく完了する。
佐藤自然農園にとっては処女地であり、前作は他の方が小麦を蒔いていた。
おそらくは除草剤も少しは使っていただろうが、見た限りは雑草に覆われ、小麦の丈もさほど高くなかったようだから、化学肥料もそんなには使用されていなかった
模様。
大豆は窒素固定化植物。窒素分は根粒菌により大気から吸収する。
そうなると、不足しているのは、ミネラル分であり、酸性化抑制の苦土石灰と牡蠣柄
草木灰を全面に散布する。やや心配なので、大分でみみずから取った発酵分解促進酵素を使用してみた(散水)。草などの緑肥は充分と判断しており、何とかなるかと、とりあえず初年度は試してみることした。

前回のお客様へ向けたアンケート調査で、大豆、それも大豆そのもののニーズが
予想を大幅に上回るほどに要望が高かった。
実にご家庭で、約80%の方が煮豆にしたいとのこと。特に自然農の大豆であれば尚更なのだろう。アンケート調査をする前は大豆の水煮を作らねばならないのか!
と頭を悩ませていたのだが・・・

次に多かったのが、大豆を煎った黄な粉のニーズ。これは餅好きの日本人として
頷ける。少数ではあるが、大豆粉のニーズも予想を上回った。(約30%)
農園としては、味噌作りのためには大豆は不可欠であり、自然農のお米とあわせて
今年から来年にかけて味噌作りに頑張ろう、と言うと、誰がするの!と女性陣から
冷たい視線が送られてくる。

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今日、種を蒔いていると、
日曜日に蒔いた大豆が
かわいい芽を吹いていた。

いつものことだが、このような
シーンに接すると、生命の
神秘というか、その営みの
荘厳さに心を打たれる。

頑張れ~と心の中で
声を掛ける。


先日、今日もだが、一本葱の土寄せ作業を行っている時、体全体から汗が噴出し、
体の内部が燃えているような暑さ。やがてその汗が冷たい汗に変わり、寒気とやや
吐き気がし始める。それが毎日続く、この夏の暑さである。
この暑さでは、葱も持たない。土寄せを行って、先端だけ出して深く埋め込んでやらねば、乾燥と熱風で行き倒れてしまう。そう思って全部で7列ある葱の土寄せ作業を
行う。小さくデリケートな葱は全て手作業でやらねばならない。
この猛暑の中では、人も行き倒れてしまう。自然農の世界では、夏は農人も命の危険をはらんだ作業とならざるを得ない。

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草木堆肥の追肥遣りと
土寄せ作業を終え、
支柱が立った四番の畑。

ここはほとんどが茄子・
ピーマン系の夏野菜の畑。
ほとんどがまだ幼い木だが
きれいに揃って整備された
美しい畑が出来上がった。

本格的な出荷が始まるのは
8月下旬頃からとなる。

本当に美味しさが増すのは、9月~10月頃になる(終わり旬)。
11月になると味に深みの出る落ち野菜のシーズンとなり、やがて急速に夏が終る。

8月になると、酷暑の中、秋野菜の種蒔きが始まる。先ずはポット植えから。
この時季の種蒔きは成功確率50%程度。失敗しても、失敗しても蒔き続ける。
焼けるような暑さの中、特に葉野菜は成功確率が低くなる。
忍耐と根気と諦めない強い心が必要となる時季である。

早朝からの作業となり、一旦全員帰宅して、体を休め、午後3時頃からの作業とした
その間、テレビを見ていると、国会中継が流れていた。
合いも変わらず、不毛な議論の繰り返しがなされている。日本の総理の強引さと
不見識さが浮き彫りとなるやりとり、追い詰めきらない野党のふがいなさも目立つ。
日本には政治家はいないな、とは思ってみても、国民の大きなリスクが増えていく中
そんな政党や総理を選んだのも国民であり、見るのもやるせなく、スイッチを切る。
この国はどこかおかしくなっている。

イメージ 4雑草に覆われ始めた5番の畑
明日はこの畑をやっつけるか
予報では明日も猛暑。

明日から、夏時間に変更する
早朝と夕方の作業とする。
それでも午前中も8時を過ぎると背中が暑くなり、
夕方6時を過ぎても30度以上
の暑さが続く。
若い農人候補生達の巣立ち時期も迫っている。

研修も終わりに近づき、今年一杯で研修期間を終える。
何とか夏を乗り切って一皮向けた農人に一歩近づいて欲しいと願う。
来年からは農園主育成に向けた本格的な指導が始まる。
先ずは、園内独立から始める。
一日の農作業の段取り・準備・行程管理、一週間の作業予定計画と指示、月間作業工程の計画と指示、季節ごとの種蒔きと植え付け予定策定と準備、合計7反の畑と旧田んぼの7反の栽培計画と準備、年間100種類以上のアイテムと一季節に40種類以上の作付け計画等々・・・・・

今までは農園主がこの全てを準備し、計画策定と指示を行ってきた。
むかし野菜グループ全体の計画と指示及び農産物商品管理となると、さらに難しい
人への配慮が必要となる。
それに加えて顧客管理と販売計画及び管理が必要になる。
一体何年後に、少し楽になれるのか、自分の体に相談するしかないと、自問自答が続くことになる。
画して、農園14年目の猛暑の夏を迎えている。