農園日誌ー

28.8.3(水曜日)晴れ、最高温度34度、最低温度24度

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                 畑一面の夏野菜(4番の畑)

 一体何時雨が降ったのだろう、畑はからから、今では水遣りは毎日の日課となっている。3~4日に一度は軽トラックに積んだポンプで水を撒く。
それで、ようやく夏野菜達も持ち直し、成長を始めた。
数年前にもこれと似たようなことがあり、これから、九州では、雨季と乾季になるのではないか?とその当時書いた記憶がよみがえった。
今では野菜の圃場は約一ヘクタールにもなっており、軽トラック三台で数人がかりでの水遣りを行っている。若い力が加わったからこそできること。

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車が入る場所は軽トラックで水を遣り、
水の遣り方を研修生に教えている。

小さな苗と大きな株では遣り方も違う。




ホースの届かない奥のほうは、
ジョーロで。

これは黒大豆の植え継ぎ。
その年によって異なるが、
今年は発芽状況が極めて悪く、
そのうえ、鳩ぽっぽが芽が出たばかりの
芽をついばんでしまうため、マバラに
なってしまった。


(新たな市場)

 最近になって、マルシェや商店からの問い合わせや取引依頼が来ている。
当農園は、流通との取引は行わない。但し、八百屋さんとの取引は考えていた。
「流通」では、店頭に並んでいる野菜の履歴や農法及び「質」に言及できない。
むかしは、生産者→八百屋→消費者と野菜が渡っていた。
そこには、生産者や野菜の質を熟知した販売のプロ達がいた。その野菜のプロから
ダイレクトに話を聞いてお客様たちは買っていたものだ。

 「流通」では、店頭に並んでいる野菜を消費者自らが判断して購入する。
となれば、その野菜は「みてくれ」「鮮度」「規格サイズ」「値段」が判断基準のすべてとなる。

当農園が、流通に野菜を出さなかったのは、まさにその理由による。

 現在、野菜を定期出荷している東京のマルシェでは、生産者に寄り添った形で野菜を販売してくれている。となれば、こちらも力が入る。
売り方・説明の仕方・消費者の心理など、微に細に、農園からレクチャーし続けており、その都度、マルシェの担当者も聞いてくれる。
むかしの八百屋さんである。
むかし野菜の邑の出先が東京にあり、直接販売をしてくれていることになる。

 これからはネット取引だけではなく、このようなマーケットが現れるようになるのではないかとの予感がしていた矢先のお話(取引開始)であった。


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久しぶりに宇佐市に住む孫たちがやってきた

農園では丁度、秋野菜の種蒔きのシーズン

ポットやトレイに種を蒔くのを手伝ってくれた。

うまく発芽してくれると
良いのだが・・・




 8月に入ると、この酷暑の中、秋野菜(キャベツ・白菜などのアブラナ科や豆類)の
種蒔きを一斉に行う。
消費者の皆様は、何の疑問も感じずに、秋になれば、当然に秋野菜がそこにあることが当たり前だろうが、農業現場では、暑すぎて、とても育つはずのない葉野菜が
酷暑のさなか、種を蒔き、育てる。夏野菜の仕込み(種蒔き)が極寒の真冬に行われていることなど、知る由もない。

 そうなると、野菜の種蒔きや苗育てはかなり厳しい環境下で行われていることに
お気づきのことと思う。失敗しても何度もチャレンジする。ここに 農業の厳しさと同時に工夫や努力の楽しさもある。
野菜への限りなき愛情が無いと農業はできない。
そのことに気付いてくれることを、新たに加わった研修生達、いや、農園主候補生達に学んでほしいと願う。
その時、彼らも本物の農人となる。
近所のおばあちゃんが、子供たちから、「いい加減に畑作りを止めなさい」と言われるんですと、私にこぼす。
腰が曲がり、見るからに農作業が苦しそうにも見える。
それでもせっせと毎日欠かさずに畑に通う毎日。

 おそらくは、こう思うのだが、「私が行ってやらねば・・、野菜達が待っているから」
このおばあちゃんはこの生活が日常なのです。生活そのものなのです。

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研修生たちの炎天下での作業が続く。頑張っているなと言ってやりたいが、この農園主は決して言わない。
次なる農園主を育てているから・・・まだまだだな!と言う。