農園日誌ー涼しさの実感

25.8.31(土曜日)曇り時折雨、最高温度30度、最低温度24度
 
 
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黒大豆の花
 
直径5ミリほどの小さな小花
がびっしりと付く。
 
大豆は植え時季が結構
難しく、余りに早いと葉ばか
りが茂り、(肥料が多いと)
花が咲いても実が結実
しない。
このあたりは、7.10~25日
頃に種を蒔く。
 
まめ科は根に根粒バクテリア
が付き、共生する窒素固定化
植物。それでもいっそ肥料分
がいらない訳でもなく、ミネラル
分は欲しがる。
 
草木堆肥は実に適している。
(低窒素・高ミネラルのため)
それでも降り過ぎに注意する
その適量を知るに3年を要す。
 
 
 
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黒大豆の畝(5番の畑)
除草後、畝上げをし、根本
を固める。頭が大きくなり、
倒れてしまう。
同時に根本に酸素を供給
してやることによって
丈夫に育つ。
これは10月初旬頃に
黒大豆の枝豆として出荷
順次、サラダ豆、煮豆と
その味の変化が楽しめる
当農園の定番の食し方。
皆さんその美味しさを楽し
みに待っている。
 
今年は大豆の種蒔きに苦労させられた。徹底的な暑さと少雨により、乾燥防止の
ためにパオパオ(敷き布)をかけ、(同時に襲ってくる鳩の群れ対策も兼ねて)
予報の雨を待ち、発芽を待っていたら、発芽した途端に予報の雨は降らず、暑さで
芽が焼ききれてしまった。見切りを付けて、すぐにポットへ豆を蒔き、あるていど
育ったら、植え込みを行ってようやくこのように成長してくれた。
 
 
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これは白大豆
6番の新規の畑
(除草作業中)
味噌用の大豆。
 
おそらく多くの
方々は始めて
手作り味噌を
食べたのでは
ないか。
 
今年は頑張って
数回は味噌を
お届けできるか
もしれない
 
 
 
数日前、霧島酒造スポンサーの福岡FM放送の取材陣が当農園を訪れる。
驚いたのはその人数の多さ。霧島酒造の企画チームの女性スタッフ二人も合わせ
て7人となる。(放送日は追ってお知らせするとのこと)「匠の技」?という番組でし
たか。そこまで霧島酒造社員教育をし、匠の技術という側面からのイメージ作り
頑張っていることに驚かされる。職人軽視の時代にその社風に頭が下がる。
 
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大根・聖護院大根の種蒔き
 
雨を待って秋野菜の種を蒔く
第一陣が大根類・蕪類・小松菜
サラダセット。(少し早いが)
 
今年の秋は短そう!えてして
酷暑の年は夏から冬に移ろう
ことが多い。農業者としての血が教えてくれる。
この動物的な勘はむかしの
農人は皆持っていたのでは・・
 
 
昨日まで、この暑さ、決死の覚悟で農作業を行っていたとは信じがたいほどの
季節の急変。とは言っても、早、8月の末ではないかとも思うが。
育苗ハウスではこの暑いさなか、秋作の種蒔きを行っている。あまりの暑さに
徒長してしまうものも出ており、めげずに蒔きなおすほか無い。ここで躊躇していた
のでは、短い秋に、秋野菜が無いということになりかねない。
女性スタッフからは徒長しているじゃない!なんとかならないの!との声、
今できることの最善策は施しているが何ともならないものはしょうがない。
いつまでも夏野菜だけでは、お客様方に申し訳ない。せめて10月中旬頃には出荷
したい。
 
一昨日、なにげなくテレビを見ていたら、確か、落合シェフだったと思うが、
「私は茄子が好きですね。どのようにでも味が染まる」と・・
待てよ!それでは味が無い野菜の方が料理人は扱い易いということか、と気付く。
それで煮出したり、水に晒したりして調理しているのでは?と疑問が沸く。
我が農園は「味香り・食感・旨みが命」=「栄養価が高い」野菜作りをテーマにして
いるが、これでは多くの料理人から敬遠されるのは当然か?
とは言っても、当農園の野菜出荷先、ジョルジュマルソー・坐来・チューリップなど
の飲食店は野菜の美味しさも人気の一つになっている。
 
昨今の見てくれ偏重の風潮、野菜の価値とは何?皆様方はどのようにお考えか?
 
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   夏野菜が急に成長を始める。色付いたセニョリータの赤い色がそれを物語る
 
可笑しなことに思われるかもしれないが、当農園では今からが夏野菜の本番
シーズンに入っていく茄子・ピーマン系野菜達。
露地栽培・低窒素栽培・高温気候がその要因ですが、これからもその傾向は続く。