農園日誌ーもう秋の長雨?

25.9.6(金曜日)晴れ時々曇り、最高温度30度、最低温度22度
 
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             赤く熟し始めたとうがらしが秋を告げる
 
昨日まで猛暑・少雨だったのに、秋雨前線が、続いてきた台風17号が、秋空を
連れて来た。とは言っても、天高く秋の空ではなく、連日の雨の日々。
野菜達は、待望の雨に喜んだのもつかの間、夜の低温化と引き続く雨の日々に
日照不足のためか、成長不良となる。
 
夏野菜は、実が付かず、付いても花落ちや成長鈍化、種を蒔いたばかりの大根類
葉物野菜は日照不足でもやし状態。
露地栽培の厳しさを野菜達とともに、実感させられる今日この頃。
 
そんな中、元気なのがピーマン系野菜やゴーヤ。
 
イメージ 2生きた化石のようになっていた
ピーマン系野菜達が青々とした
葉を茂らせる。
 
実落ちが心配だが、今の処、
何とか順調。
 
お客様方にはしばらくピーマン
伏見とうがらしなどの波状攻撃
となるのだが・・
これも露地野菜・草木堆肥
の農園を選んだ方々の責任上、
我慢して食べてもらうしかない。
 
先日も、ある問い合わせが携帯電話にかかる。
「え!レタスやキャベツが無いんですか?夏なのに」
なんとも、トンチンカンな質問から始まる。
「当農園は露地野菜ですから、この猛暑の中では、葉物野菜は焼けて、溶けてし
まいます。ですから、夏野菜は皆丈夫な皮に覆われて水分の蒸発を防ぎ、生きて
いられるのですよ。露地栽培の場合、レタスや葉野菜は残暑の強い9月に種を
蒔き、何とか生きてもらい、10月末以降になってようやく出荷にこぎつけます」
 
「スーパーや有機野菜専門店などには葉野菜が並んでますが」
 
「それはですね。寒冷紗などをかけたハウス栽培や北海道や外国の野菜ですよ」
言ってるうちから、次第に答える気力が萎えてくる。
「どうか、ホームページの内容をお読みになられてよろしかったら、お申し込みを
してください」と話を打ち切るしかない。
 
やはり、市場では露地栽培野菜といった概念はどこかに追いやられているようで、
まして、旬菜と言う言葉も今では、むかしの話なのかもしれない。
ハウス栽培の旬菜もあるにはあるのですけれど・・・
 
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土寄せを行ったばかりの一本葱
(三回目の土寄せ完了)
葱は葉先を残して土に覆われると上へ
上へと伸びようとして、成長を始め、
白根の部位を太らせる。雨をもらって
喜んでいる(比較的水分を欲しがる)
 
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右の写真は半月前に土寄せを
終えた葱の畝。しっかりと背が伸び、
出荷まで1カ月になるまでに成長して
いる。(写真でその違いが分るかな)
酷暑に耐え、虫害にも耐え、
生き残ったもののみが大人になる。
 
 
草木堆肥(自然循環農法)による露地栽培というこの時代には希少価値とさえ
なってしまった野菜。(100年目にはふつうの栽培方法であったのだが)
一般の(普通の)消費者には、この野菜の説明は一から掘り起こしてしなければ
ならなくなってしまった。ほとほと疲れる、というかそれほど難しいことをやっている
とは思えないのだが・・・これも時代の流れなのか、本質はどこにあるのか。
 
ほとんど同時間にこんな電話も、
 
大分の坂ノ市にあるパン屋さんに最初は3セットだったか、で始まった野菜の発送
が、今回新たに3セット追加で合計10セット送って欲しいとの依頼がある。
「皆さん、佐藤さんの野菜を律儀に待っていますよ。他の野菜には目もくれずに」
とのこと。ここにもむかし野菜のファンがいる。
まんざら大分も捨てた物ではないと、気を取り直す。
 
最近、若い消費者の方が急増している。特に増えたのが小さな子供さんを抱える
お母さん達。子供さんが良く食べてくれるらしい。子供さんの舌は本物を見分ける
ことができる。美味しくないと食べないから。
 
日本人はえてして概念や風潮や流行及び権威のあるものに弱い。
子供さん達を見習って、もっと自分を信じて、見てくれや概念には惑わされずに
美味しい物は美味しいと感じて欲しいものだと思う。
 
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畝上げが完了してすっきりとなった
6番の畑。
草木堆肥歴1年の畑であり、やはり
土が重い。
ふかふかの土になるには後2年を
要する。待ち遠しい。
 
生鮮野菜はまだここでは作れない。
美味しくない野菜は佐藤自然農園
の野菜とは言えない。それが辛い。
当面、加工用の大豆などで凌ぐ。
 
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秋ともなると俄然、畑作りや植え込み作業に大忙しとなる。
ここ、二日、連日の鍬仕事に腰が笑っている。明日は絶対に温泉に行こう!
にんにくを植え込んでいる風景。9月に植え込み、翌年6月初旬頃の収穫となる。
約10カ月間、畑を占有している。ですから、国産にんにくは価格が高いはずです。
今日は、じゃがいもの作付けも行う。
秋作は野菜達にとって畑の奪い合いとなり、農園主を随分と悩ませてくれる。
どの野菜を摘除し、どの野菜を植え込むか、これからさらに悩みの日々は続く。