農園日誌ー露地栽培-PARTⅠ

28.7.6(水曜日)晴れ、最高温度34度、最低温度20度

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                   中耕(土寄せ)作業

 梅雨明けのこの時季、必ず行うのが、除草→追肥(草木堆肥)→中耕作業。
作業対象は実物・一本葱などの長い時間をかけて成長していく夏野菜。
数えたことは無いが、トマト・茄子・ピーマン・パプリカ・とうがらし系・ゴーヤなどの
夏野菜達、おそらくはそれぞれに10~12畝あり、70本の畝を中耕することになる。
一昨日の日曜日は早朝から出て5番の畑の作業を行った。

 コータ君もどうやら鍬打ち作業が飲み込めだしたようだ。線が細かったが、体力が付き始めた。まだまだこれから、この酷暑の二か月を如何に乗り越えるかだと思う。
一方の土肥嬢は、パソコンの前に座る仕事だったためか、かなりな非力である。
現在つきっきりの鍬打ち作業等の特訓中。

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彼女はその間、
じゃがいも堀りの作業
アンデス(赤)という品種。元々、馬鈴薯
赤であった。
今年はじゃがいもの
当たり年。
早く掘り上げないと、
腐ったり、芽が出てしまう。8月後半には
秋じゃがを植えなければならない。
急げ!土肥さん。


露地栽培
 
多くの消費者は露地栽培も施設(現状はハウスが主)栽培も違いが分からないでしょう。
 
露地栽培は自然の変化、つまりは気候条件の変化によって、野菜の生育に多くの影響を受ける。使用している肥料によって異なるが、成長スピードは遅く、風雨・太陽の光・温度・災害・虫害などの自然環境の影響を受け易く、全滅・半滅などの生産リスクが高い。
 
施設栽培(インナー管理栽培)は、その自然環境の変化をある程度制御できる管理栽培である。ハウスなどの囲われた空間で、風雨・温度・光などを遮り、防虫ネットで虫を防ぎできるだけ生産リスクを和らげることができる。
そのため、野菜の成長は早く、均質・均一な成長が見込める。
 
これくらいの知識は多少農業を知っている方であればご存じだろうと思われる。では、それだけ生産効率が良いのであれば、ハウス栽培へ転換すれば良いのに!と思われる方も多いでしょう。
 
当農園も小さなミニハウス(無加温)を一つ持っている。
常には育苗用のハウスであり、ポット苗を育てている。
このハウスは年間二回ほどは野菜が植わっている。
厳冬期の一時季には葉物野菜を緊急避難の意味で栽培している。
もう一回は秋のパプリカ栽培の時季。
そのため、露地栽培とハウス栽培の際立った違いが観察できる。
 
何故、当農園は露地栽培にこだわり、より有利なハウス栽培をしないのか?
その理由をいくつかの項目に分けて語ってみたい。
 
(ハウス栽培野菜の成長スピードは露地栽培の倍以上)

 野菜不足が深刻になる端境期3月、露地では厳冬期1~2月頃には寒くて
発芽しないため、丁度3月下旬頃になると、葉野菜が無くなってくる。
(露地の場合、葉野菜は11~12月頃に種を蒔き、1月~3月初旬頃まで
 何とか葉野菜を繋げるが、3月の下旬頃になると、出荷する野菜が尽きる)
2月初旬にハウスに種を蒔くと、約一カ月半で出荷できるまでに成長する。

 勿論、露地にもトンネル被覆をして、2月初旬に葉野菜の種は蒔くが、
何とか発芽したとしても、早くて4月中旬頃にようやく出荷可能となる。

 ハウスで育った葉野菜は、成長が早い分、軸が細く、伸びあがり、葉っぱも薄い。背丈は露地のものより1.5倍は大きい。
見てくれは良く、立派で、均質均一に育っている。
問題の味香りは、やはり薄く、歯切れもやや悪い。

 露地で育った葉野菜は、みな、不揃いで、どこかごつごつとしている。
軸は太く、根張りも良く、葉っぱは厚く、色も濃い。
見てくれは不格好だが、どっしりとしていて、存在感がある。
味香りは濃く、しっかりとした味がするし、歯切れがまったく違う。

 別の野菜を食べているような錯覚に捉われる。
農園スタッフたちもそこは良く知っており、ハウスものは、みな、うるわしい
譲り合いの姿が見られる。露地栽培のものは、どんなに傷んでいてもすぐに
持って帰るのに・・・

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除草作業中の2番の
畑。

明日は早朝から、
中耕を行う予定。

手前はベテランの
スタッフ。
奥は新人の二人。

二人合わせてもベテランスタッフの半分にも満たない。

この後、出荷作業を終えた先輩たちがやってきて、瞬く間に、除草作業は終了
頑張れ!」未来の農園主達・・否、農園主候補生達。
明日は土寄せ作業の猛特訓が待っている。