農園日誌ー社会との関わり

25.8.9(金曜日)晴れ、最高温度36度、最低温度29度
 
イメージ 1
 
農園で最後に雨を記憶しているのは、丁度一ヶ月前の今日。
まるっと一ヶ月間、雨らしい雨が降っていないことになる。
毎日の酷暑の中、滝のような汗を掻く毎日で、(私はあまり汗を掻かないのだが)
蟻や蚊の毒にやられたのか、最近一ヶ月は、体中が痒く、朝などはその痒みから
目が覚める始末。昨日その理由が判明。どうやら、ジンマシンらしい。
薬局で薬を買い、なんとか治まりがみえてきた。連日の極度の疲労と大量の汗
からそのようになったらしい。
 
それにしてもこの暑さは記憶に無い。皆さんもこの夏を乗り切る工夫をして欲しい。
農園も新しい力の加入で、どうやら梅雨以来、滞っていた作業も追いついてきた。
炎天下の作業は、夏野菜の誘引・剪定作業・草刈・堆肥作り・水遣りと続く。
皆が倒れないように調整しながらの作業で、こちらの負担はかなりなものになる。
来週の後半頃からようやく最高温度が32度程度に下がるとの予報にほっとする。
 
イメージ 2
 
写真中央は発芽したばかりの
人参の畝、今日で10日間、
連続で水遣りを行い、ようやく
本葉が少し出始める。
人参はこの暑いさなかの8月
に種を蒔く。水遣りは欠かせ
ない。
 
左は筍芋・右は茄子の畝。
両方ともに水が欠かせない。
(二番の畑)
 
 
イメージ 3
 
中央は一本葱の畝。
白葱は数回の土寄せを
行い、この炎天下を葱の
根は土の中で、耐え忍び、
生き残ったものだけが出荷
を迎える。過酷な生き残り
の戦いを行っている。
右はようやく実り始めた
胡瓜の棚。胡瓜はその
90%以上が水分。
水遣りは不可欠となり、
連日の水遣り作業が続く。
 
先日、「畑の会」を当農園で行う。子供さんと家族が畑で楽しむのが趣旨。
トマトを捥いで食べたり、ピーマンをかじったり、そこは幼児達。プールでの
水遊びがやはり楽しいようだ。林の下で臨時プールが大活躍。
 
一昨日、韓国から一通のメールが入る。
総勢15名の有機無農薬に取り組む農人達に、堆肥作りなどの視察をさせてもらえ
ないか、との問い合わせ。
 
農園の女性スタッフは、難色を示すが、こう答えた。
「前回他のグループからも同じような依頼が舞い込んできました。どうしても研修を
受けたいのであれば、最低3時間は必要です。と答えたら、その方たちは、問い詰
めるとどうやら観光が主目的のようでしたので、お断りしました」
 
即、回答がある。
「私達は農業大学で有機野菜作りを学んでいます。何時間でもかまいません。
是非お願いします」との返信が寄せられた。
 
これでは断れません。同じ同行の方達であれば、国籍は問わず、その熱意に答え
るのが当農園の考え方ですから、OKの返信を返しました。
 
私は思うのですが、先の畑の会でも同じことが言えるのですが、それらの研修や
体験を受けるのは、決して当農園の野菜を買ってほしいわけではありません。
真に美味しく栄養価の高い野菜作りを目指しているのであれば、その農園も、
社会との接点は持たねばなりません。
又、こんな過酷な野菜作りはありませんし、それに取り組んでいるのがお金儲けが目的であれば、最初からこんな農法はしていないはず。
 
そこには社会的存在価値を懸けた農人の矜持があるだけ。
その誇りがこんな過酷でリスクのある野菜作り(自然循環と露地栽培)を続けられ
るのではないか、と思う。
 
只一つ言えるのは、事業であれば、そこに参画したスタッフがご飯を食べられる
程度の収入は必要であり、小さく纏まるのではなく、拡大していかねば、ついには
消滅してしまうことも銀行員時代に学んだ経済の鉄則です。
特に後継者や若者が参加してくればなおさらのことで、農園主の責任は重い。
この農法が未来に、若者(次世代)に繋がっていくことを願わざるを得ない。
そして、少しでも多くの消費者に理解して頂きたいと願って止まない。
 
イメージ 4
珍しいオレンジのセニョリータ
(ミニパプリカ)
 
水遣りを続け、ようやく少し
だけ成長した。
この調子では、夏野菜の
本格的出荷の時季は
9月~10月頃になってしまい
そう。
 
秋野菜の植え付け場所を
めぐって夏野菜との占拠合戦
が畑で繰り広げられる。