農園日誌Ⅲーむかし野菜の四季

2021.1.31(日)晴れ、最高温度12度、最低温度1度

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                草木堆肥場

 

年末頃にかけて個人住宅の庭の剪定枝が大量に持ち込まれている。(画面奥)

持ち込まれた多種類の雑木の剪定枝には、多種類の微生物や菌類が棲んでいる。

土中深くに根を張る木にはバランスの良い多種類のミネラル分が存在している。

この破砕屑や葉っぱと草が草木堆肥の原料であり当農園の圃場に持ち込まれる。

一つの圃場に少なくとも年間3回以上は草木堆肥として施肥される。

草木堆肥以外には肥料は一切使わず、ひたすら土を育てる。

圃場も草取り作業を除いて、ほぼ落ち着いている。この合間に出来るだけ多く

の堆肥を作らねばならない。この剪定枝の山を見る度に、きつい破砕作業の

ことを思ってしまう。今週は破砕作業が待っている。

 

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           育苗ハウスの中で育っている幼苗達

この苗を一つ一つポットに移し、約二週間、養生させねばならない。

根が充分に育つといよいよ圃場に定植していくことになる。種を蒔いてから

育ち上がるまで、冬期は約3ヶ月半を要する。(ハウス栽培なら2ヶ月)

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           養生ハウス内で育っている幼苗達

ポット揚げされた苗が持ち込まれてくる幼苗が順番待ちをしている処。

来週頃から圃場に順次定植されていく。定植する前に三寒四温のこの時季、

草木堆肥を畑に振って畑作りをしなければならない。

 

畑の草を刈り集め、剪定枝を破砕し、葉っぱを選り分け、堆肥原料を揃えてから

およそ3ヶ月を掛けて堆肥を作る。それを畑に振って畝立てをし、100種類の

幼苗を定植する。この作業が延々と続く。

春秋、農園は命のドラマが続く。それに併せて農業者達は黙々と作業をこなして

いく。

それでも生きるために懸命に育っている野菜達から多くのやさしさを得ている。

生き残ろうとする野菜達を育てる喜びがなければ、この自然循環農業は厳しい。

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            5・6番の畑の冬の風景

このトンネルの中では、寒さに耐え生きようと頑張っている野菜達のドラマがある