農園日誌Ⅲーむかし野菜の四季

2020.1.23(土)終日雨、最高温度12度、最低温度8度

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            待望の雨を待ちトンネルを剥ぐ

今日土曜日、二ヶ月ぶりの本格的な雨の一日となった。

どうやら日本の気候は雨期と乾期に分かれ始めたように思える。

夏季は梅雨が明けるとほぼ二ヶ月間雨が降らないし、秋晴れの続く9・10月も

秋雨前線が出来なければ、少雨に終わり、冬はずーっと冬晴れの気候が続く。

そのため、いつも台風の襲来を心待ちにせざるを得ない。

この天気の傾向はほぼ数年間続いており、露地栽培がかなり難しくなってきて

いる。

 野菜達の成長は太陽の光と雨により促され、適度の雨と太陽の光が無ければ

順調には育ってはくれない。出荷を控えて全ての野菜の成長が止まっていた。

今日の雨で農園もようやく野菜不足の解消へ向かいそうだ。

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厳しい冬期の寒さをトンネルの中で耐えていた白菜も「巻き」は今一ですが、

今週から出荷を始める予定です。この時季貴重な葉野菜となる。

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          去年の11月に種を蒔いたほうれん草

本来なら今頃は出荷直前の大きさに育っている筈だったが、未だこの状態。

12月に訪れた急激な寒と雨が降らなかったことにより明らかに成長不足。

この他にもキャベツ・ブロッコリー・カリフラワーも全く同じ状態です。

このように露地栽培野菜は気候の変化によって大きな影響を受け、人智

超えている。

 

施設(ハウス)栽培なれば、寒暖や水の調整は可能ですが、露地栽培の場合は

自然に委ねるしかありません。

最もその分、野菜は厳しく育ち、根をしっかりと張り大地の栄養素を取り込み

美味しく育つのですが・・・

 

露地栽培農家の場合は、自然がもたらす変化や環境に一喜一憂していても

仕方がなく、自然の営みをそのまま受け入れるしかありません。

現在、もう一つの自然からの大きな試練を人間界では受けております。

コロナウィルスの脅威です。

当農園の取引先である10数件の飲食店も閉鎖や一時休業に追い込まれて

おります。そこで働く人たちも別の意味でどう生き残って行けばよいのか

大変な労苦を体感していることでしょう。

飲食店だけではなく、皆様も、また当農園も気候変動やコロナの影響で出荷が

減り、農園の維持も難しくなってきております。

このような自然がもたらす理不尽さに、あまり後ろ向きの考えを持たないほう

が良いのかもしれません。

他の人の労苦を思いやる利他主義的な発想も持たねばなりません。

自然界からある意味で試されているのかもしれませんですね。

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厳しい寒さに凍えながら、生きようと頑張っているエンドウ豆系の野菜達です。