農園日誌Ⅲーむかし野菜の四季

2020.5.13(水曜日)晴れ、最高温度23度、最低温度13度

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                 夏野菜の定植

これは茄子です。農園では、茄子の味香りを残している昔ながらの種子を大切に

している。茄子であれば、黒陽・筑陽と言う品種。

その他には、東南アジア系の色茄子(紫・白・緑)、これはクリーミーで、炒め

物に適している。そして、賀茂茄子、半切りにして味噌を付けて焼くと美味しい。

様々に試してみたが、残ったのが、食感風味とも納得のいったこの三種です。

 

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              トマトの初期設定

手前の方はすでにひっくり返っている。これを芽掻きし、下葉も落とし、太陽の

方向に、50度に傾けながら斜めに誘引作業を行う。

枝はほぼ3本として太陽に向けて伸ばしていく。最長5メートルにもなる。

 

 

2020.5.8 全豆類が一気に最盛期を迎えた

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                スナップエンドウが鈴成り

今年は暖冬から始まったが、3~4月は意外と寒く野菜の方も常の気候と違う

と感じている。
ニンニクは芽が吹き出すことも無く球根から葉っぱが出始めてしまった。

こうなると球にはならず、今年のニンニクはほぼ壊滅状態となった。
春白菜は花芽が付いてしまい、巻かないまま終わってしまった。
豆類については、例年であれば、4月初旬頃から絹莢エンドウが出始め、

スナップエンドウ実えんどう、5月に入ると、空豆と続き、6月頃から

インゲンで、豆街道は終える。

処が、気候の歯車が狂ってしまっているようで、野菜達も敏感にそれに反応

している。農業は平均気温が1度異なると大きく狂ってしまうものであるが、

どうやら今年はそれ以上の変化がもたらされたようだ。
今年は、時間差はあるものの、絹莢エンドウとスナップエンドウの出荷時期が

遅くなったために、4月下旬に出荷時季が重なり、すぐに実えんどう空豆

と続いてしまった。
こうなると、お客様へは、同時に2~4種の豆類を送らねばならなくなりそう。
最近の露地栽培農業の難しさを痛感している。
当農園は、全てがお客様への直接販売が基本の農業スタイルである。

その意味では、固定のお客様若しくは、仲間達との契約栽培に似ている。
生産者と消費者との信頼関係を永年構築してきており、定期購入のお客様を

我々は仲間と、勝手に、呼んでいる。お客様にとっては迷惑かもしれないが、

同じ野菜をそして、価値観を共有する仲間ということになる。
農園での生産量はその仲間達の消費量を予定して栽培している。
処が、このように気候が狂ってくると、一気に野菜が出揃ってしまい当然に

収穫量は一時的に増加してしまう。野菜に成長を待ってくれとは言えない。
このような時、農園では、価格は抑えて量だけ増やす「増量」発送を行う

ことにしている。

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                      絹莢エンドウ

例えば、今年スナップエンドウは走り旬には100gで180円だったものが、

二週目で150gが200円となり、三週目の最盛期には300gで300円

となっていく。

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これほど収量が多い年も初めてであり、嬉しいような、困ったような、兎に角

毎日豆だけの収穫作業に8時間を要する。熟れすぎて放置すると野菜はすぐに

終わってしまう。「私は子孫を残したからもう終わりです」となる。

折角の自然の恵みは、大量に採れた時季は破棄すること無く農園の仲間達と

分け合うことにしている。
当農園基準で、走り旬(野菜の収量は少ない)・中旬(収量は適量になって

いる)・最盛期の旬(野菜が農園で溢れている)では野菜の価格は大きく変動

してくる。

農園の野菜の価格は市場連動していない。
市場で野菜が溢れている時季も、市場で野菜が採れ難い時季でも、価格は

基本的には変えない。
何故なら、特定の定期購入のお客様しか居ないわけですから、農園で採れた

野菜は分け合うと言うのは至極自然な流れだからです。
関東のお客様からは時に、こんなに安くて良いのですか?との質問が寄せら

れることもある。それは以上のような販売スタイルを取っているからです。
農園の仲間達からの暖かいメールが寄せられる度に、改めてうちは良い仲間達

に囲まれていると実感する。

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                      空豆

空豆は熟してくると、下を向く。実に収穫のタイミングが分かり易い