農園日誌ー農園の四季

30.3.28(水曜日)晴れ、最高温度19度、最低温度6度

イメージ 1玉葱を植えている8番の畑

まるでお花畑になったかのように、菜の花や雑草の花が咲き乱れている。
除草作業の風景です。

今日は撮り貯めてきた農園の四季を選んでみました。

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H27.3.27
3番の畑に自生していたカモミールの花が
咲き始めています。

数年前にハーブが必要とのシェフの話に乗ってしまって、カモミールの種を蒔いてしまったから、さあ、大変

それから毎年こぼれ種により3番の畑に、このとおり・・・

ちなみに、毎年二回、春と秋にフレッシュハーブをお送りしている。タイム・ミント・
レモンバームレモングラスカモミールなどをセットにし、ハーブティや鶏肉・豚肉料理などに使ってもらっている。
お客様から要らない、使えないなどの少数のご意見も頂いたが、たった年に二回の
機会です。生活に潤いや楽しむだけの心の余裕も欲しいですね。

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H27.3.28

降り続く冷たい春の雨の中、待っておられないとばかりに、畑作りを行う。

土が重く、苦労して
畝揚げ、レイキ作業を
行う。種蒔きはさらに大変でした。
露地栽培農業には、
こんな日もあるのです

雨中のカッパを着た作業は辛い。当農園も年間120日ほどの出荷の日がある。
農作業だけでは無く、土砂降りの雨の中、収穫する日もあるのです。


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H26.5.25.
じゃがいもの花が咲く。開花してから一ヶ月後、収穫の時を迎える。
ジャガイモの花が畑一面に咲き誇る様は、野菜畑と言うよりもお花畑に近く、思わず見とれてしまう。通常の花畑と異なり、命を繋ぐ花ですね。
馬鈴薯の収穫時期は例年梅雨の時季に重なる。腐れを気にしながらの収穫作業となる。

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28.5.20.絹莢エンドウの花と空豆

5月になると、豆の季節を迎える。絹莢エンドウから始まり、スナップエンドウ実えんどう空豆と来て、梅雨を迎える頃には、インゲン豆で終わる。
農園にとっては、4月の終わり頃~6月まで春野菜から夏野菜へのチェンジの期間、
丁度端境期を迎える。
一週間ごとにお送りするメニューを変えながら、一回に10数品目の野菜を送ることは、年間を通しては難しい。それを実行しているむかし野菜の邑では、まさしく試練の時季となる。
そんな時季、いつも助けられているのがこの豆類です。

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29.5,30
由布市庄内の麦畑

黄金色に色づく麦。
命を育む穀類です。
私はいつも思うのですが、野菜とはまた異なり、穀類の収穫時期になると、何故か荘厳な神秘の世界を感じる。

農耕民族の血がそうさせているのかもしれません。

去年、大麦を育て、麦御飯セットや麦茶の加工品を試作しました。
いつもの通り、草木堆肥を振り、無農薬・ノン除草剤で育てました。
食べてみました。その驚きは、こんなに旨いものなのかと思い知らされました。
先人たちはこんなに美味しい穀類を食べていたんだな!と改めて思い知らされました。世界でここにしか無い穀類です。

(地域は見捨てられていく)

むかし野菜の邑の取組

   農法(露地栽培)

草・葉・木屑・牛糞(発酵促進剤としてわずか使用)を醗酵させた草木堆肥を自家製作し、現在、有機農業の主流である畜糞肥料や近代農法の化学肥料を使わず、自然循環農業(低窒素栽培)を実施している。世界でも例を見ない日本独自のむかし農法

   商品

年間百種類以上の野菜、自然農の大豆・麦・米・とうもろこしなどを原料とした加工品、無添加の発酵食品(漬物や味噌)、米水津や国東の無添加海産物、低農薬の果物、自然農のお米、山菜や干し柿等、
 

   生産・加工・販売形態

()むかし野菜の邑は、共同加工及び共同出荷(販売)を行う。(7名の共同出資会社)
大分市及び由布市を中心に、10名の生産者がおり、むかし野菜へ出荷している。
むかし野菜の邑の主要な生産者は、日本古来からの「結い」の仕組みを採り入れ、相互扶助の精神で共同作業を行っている。そのため、むかし野菜の邑は労働の対価に応じての分配機能も果たしている。
この仕組みも世界では例がない。
販売は全て直販方式であり、全国に400名の個人とレストラン10数軒に宅配している。
 

    現在、関東にて販売拠点を育成するため、むかし野菜の邑が支援して軽トラック販売を試行中。

3~5年後は、固定店舗(アンテナショップ=独自の流通拠点)展開を行う方針である。
その際には、無添加海産物加工所や有機JAS生産者も含めた共同出資会社とする。
 
 以上、佐藤自然農園では、大分県認定の農業研修施設であり、研修生等を受け入れ、むかし野菜の邑では、研修から独立を目指す新規就農者を育てている。

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          農業の自立に向かって

販路を持たない農業者は、農協、若しくは大手スーパーなどの流通に従属しなければ、生きてはいけない。
そこでは、鮮度だけではなく、規格サイズや見てくれが要求され、品質や安全性は二の次となる
低農薬で栄養価の高い美味しい野菜作りを目指しても、流通マーケットからの評価は低い。
さらに、多品目生産より、一定品目の量を求められることになる。有機農産物マーケットでもそれは変わらない。
 
残念ながら、既存流通組織に依存せざるを得ない農業者の多くは、先の見えない農業を続けており、自分の子供に農業を継がせたいと願う人は少ない。
 
(農業の自立への課題点)

   消費者への直販方式の確立

現状の農業環境では、高品質野菜の生産や多品目生産などは、大手の既存流通に依存する以上は意味を
  なさない。大量かつ規格商品を求められるからです。
高品質野菜や多品目生産の農家になろうとすれば、又、自分が苦労して生産した高品質野菜に自分で評価した価格を設定しようと思えば、自ら消費者への直販、若しくはそれに近い販売方式を作らなければならない。
 

   高品質農産物(圧倒的な差別化農産物)の生産農法の確立

有機JAS野菜であれ、自然農法に近いものであれ、消費者に美味しいと言わせる高い品質の農産物の生産技術や農法が必要となる。
当農園の場合は、畜糞・米糠・油粕・スーパー等の食品残渣などを使った肥料はすべて排しており、草木中心の堆肥のみ使用し、最低3年がかりで土を育てている。(微生物・放線菌の棲む土)
私の知る限りでは、埼玉県の川越に残る二軒のサツマイモ農家は葉っぱのみの堆肥使用。

   多品目生産能力の確立(安定供給できる生産能力)

独立農園では、自ら消費者に満足できるだけの質と品目と量を確保できる生産能力が必要となる。
農業には必ずと言って端境期がやってくる。それだけに、一農園だけでは難しく、必ず、グループ生産、つまりはグループ営農の仕組みが必要となる。
 

   二次産品(加工品)の商品開発及び製造能力の確立

農業生産は、気候変動リスクに向かい合う。そのため、常に農産品のストックが必要となる。その代表格が
加工品である。(雑穀の加工品・味噌漬物などの発酵食品など)
その加工品にも、差別化・優位性が必要であり、したがって、商品開発能力が求められる。
 

   マーケティング能力の必要性

如何に品質の高い差別化商品ができたからと言って、それを求めている消費者層を探し、その層に対して
その商品の質を伝える能力、つまりは、コミュニケーション能力がなければ、販売に結び付けることはできない。