農園日誌ー夏野菜の成長

27.5.7(木曜日)雨後曇り、最高温度22度、最低温度16度

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   夏野菜の植え込みから一ヶ月弱、管理作業に追われる毎日(五番の畑)

今日は、早朝から雨、仕方なく収穫していた玉葱の整理作業と胡瓜などの種蒔き
作業を行う。10時頃から雨が上がり、トマトの芽掻き・いんげん豆の支柱立て作業
を行う。トマトの芽掻き作業中、研修生の二人が新たに加わった年上の次郎さんに芽掻き作業の仕方などを教えている。
すでに約二年弱の経験をしており、農園主(師匠)として、弟子の成長を伺え、黙って聞いていた。最近は、男性4人での作業が多くなり、同時に幾通りかの作業をこなせるようになってきた。
まだまだ思わず口を挟みたくなるような作業の仕方ではあるが、農人が成長するには自らの失敗と工夫が必要と、ひたすら忍の一字で見守る日々が続く。

イメージ 2この春は朝夕が寒く、今日などもジャンバー着用での農作業となるほど。

植え込んだズッキーニも
織布を掛けて育てているが
成長が遅い。
これは瓜蝿により葉っぱを
食べられないための防御策
の一つでもある。



二人の研修生達も一通りの農作業はこなせるようになってきた。
但、これからが乗り越えなければならない課題が待っている。
一年間の、この季節の、この月の、この一週間の、今日の農作業は何をするべきか
今何をしなければならないのか?その段取りは?スタッフ9人のそれぞれの作業内容はどうするのか?
わずか2~3品目を年間通しての農作業の段取りであれば、さほどは難しくは無いとは思うが、何しろ、200余名のお客様と10余先のレストランへの野菜の出荷が待っている。しかも、一人当たり10~14品目の野菜を(レストランには20品目以上)週代わりで飽かせないようにアイテムを替えつつ常に安定的に提供し続けることは容易ではない。
作付けは野菜によっては9カ月以上も前から植えつけるし、種を蒔いてから出荷まで3~6カ月を要する。自然を相手の自然循環農法では、予測もしない気候不順が待っており、それでも穴を空けてはいけない。
このハウツーを体に覚えこませるのに少なく見ても5年以上を要する。
頭で理解しているうちは覚えたことにはならない。息をするように自然に頭と体を動かせないととてもできる業ではない。随分無理なことを強いているようにも思えるが
作業と作業の合間の手待ち時間(アイドリングタイム)が長く、段取りをつけられず手戻り時間が多い。体が次々と変わる行程に追いついていない、つまり、体が覚えていないことによる。

今は研修生達はその過酷な世界をまだ知らない。
呼吸と同じように当たり前に出荷できる野菜がそこにはあるから・・・

イメージ 3思わずはっとして立ち止まってしまう美しさがある野菜のお花畑の風景

年間100品目以上の
野菜が育つ圃場には
自然が持つやさしさや
厳しさや美しさがある。

毎年大きく変動する最近の気候に頭を悩ませながらもほっとする空間を楽しませてもらっている。

110余名の方からのインタビューの回答に、掛けた労力や野菜の美味しさと価格がつりあっていないのでは?と言うありがたいご意見を実に多くの方から頂いた。
むかし野菜の農法では、確かにその通りではある。
「美味しくて栄養価の高い安全な野菜を、(これからは穀類も含めた農産物ですが)
日常の食卓にリーズナブルに届けたい」
これが発足当初からのわが農園の志であり、その思いを受け継がせる若者達に
これからも厳しく接していかねばと、「次の仕事は!」と言おうとしたら、女性スタッフの高い笑い声がして、それに答えるかのように、若い農人達から屈託の無い笑い声が響いてきた。
「まあ!よいか明日にしようか!」いつかは分るだろう・・・

研修期間は残りわずか一年を切っている。大丈夫か?師匠の悩みは尽きない。