農園日誌ー農業施設及びレストハウス建設準備

27.3.26(木曜日)晴れ、最高温度13度、最低温度2度

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                    白蓮満開、里の春

先週の土曜日、グループの一員である田北農園から椎茸の駒打ちの手伝いの要請
があり、クヌギ林に研修生全員(三名)が支援に入る。
枝や蔓の除去、ホダ木の移動、ドリルでの穴あけ、椎茸の駒打ち作業を行う。

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椎茸農家は必ず自分の山を持ち、クヌギを植えている。
こはちと、太くなりすぎており
椎茸菌が食い込むには時間が
かかりそう。

切り倒した後の株はそのまま置いておくと、10年もするとまた、
株の間から若木が育つ。

こうして何代も伝えられて来た。



イメージ 3駒打ちが完了したホダ木は
積み重ねて一次の養生期間の
ため、約一年間寝かせ、その後
ひっくり返して伏せ替えを行う
その間に椎茸菌が木の内部に
拡がる。
短いものは6~7年間、長いものは、10年間も出続ける。
但し、効率の良いのは5年まで。
作業は私が行くまでは能率が
上がらなかったようで、持ち前の短気な性格で率先指揮を行い、
一気に作業が進んだ。
研修生達、お疲れさんでした。農業は段取りと指示手順が必要であることを改めて
学んだのでは・・・

イメージ 4堆肥場の横に建設予定の
農業体感施設(レストハウスと加工所・保冷庫用の土地の開発が本日スタートした

一面を竹と雑木が覆い、
鬱蒼としていた林が
徐々に土地の全容を
現し始める。
約350坪程度のこじんまりとした用地。


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隣では(堆肥場)相変わらず
剪定枝の破砕作業が続く
早く片付けねば、すぐに
新たな剪定枝が造園会社
から持ち込まれる。
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一部は焼いて草木灰に、
畑の大切な土地改良剤

先日からお客様にお願いしていたインタビュー用紙が続々と返って来ている。
スタッフ全員で読み込んでいる最中。

その中で、一番嬉しかったことは、皆様、社交辞令抜きで、本音でお答え頂いている
こと。かなり厳しいご指摘や意見もあったが、これも当農園との距離感を近く感じて頂いている現れであると感謝している。
いずれ早いうちに、結果を皆様へご報告するつもりではあるが、少しその内容を
お伝えいたします。

ご家族に何か変化が生まれましたか?の設問には、
一番多い感想は、子供が野菜を食べること、食べることでした。
(繊維を感じず美味しい野菜はピュアーな舌を持つ子供さんは食べるのです)
二番目に多いご感想は、体が健康体になってきた、とのこと。
風邪は引かない・アトピーが完治した・高血圧解消・便通は最高・不妊症が治った
などなど・・
さらに嬉しいことは、食卓が楽しくなり、家族の会話が弾みだしたとのご意見も多く
美味しい野菜作りへの最高の賛辞と受けとめており、こちらまで幸せになります。

他の野菜と比してその差・違いは?の設問には、
最も多い感想は、野菜に存在感があり、生命力を感じ、実にプリティです。
また、野菜に土の香りがしてピュアーでした。嫌な動物臭(おそらく畜糞)がなく、他の有機野菜との大きな違いを感じました。スーパーの野菜が買えなくなりましたなどなど。

むかし野菜では、アイテムを選べず、農園から勝手に送られてくる野菜等を受け取るしかないことに、常に自問自答していましたが、今回個々の好みや食習慣などを
個別にお聞きすることができ、可能な限り要望に添えるように努力していきます。
但し、単なる好き嫌いには対応できないと考えております。
例えば、セロリ嫌いの人の多くが料理方法などをお伝えして、ほとんど全員の方が
セロリが大好きになりましたとの回答を得ている。
土作りをしっかりと行えれば、野菜本来の美味しさを出してくれます。
セロリ嫌いの方はその嫌な灰汁や臭気で嫌いになった訳ですから、それを感じないものであれば、美味しいと感じて頂いているわけですから・・・

フレッシュハーブ・自然農の味噌・お餅については、ほんの一部の方を除いて、
皆様大好評でした。これが一番安心したことでした。
但、漬物については、数パーセントの方(5~6名)が必要ないとの回答。
減塩中・食習慣がないなどがその理由でしたが、日本人が古来から保存食として
あるいは、発酵食品として食べてきたものです。乳酸菌は腸に必要なものです。
健康を気遣うのであればなおさら食べるべきではないでしょうか?私見ですが・・
(必要が無い方には勿論送りませんが)
とに角、漬物は(必要ないは)少数ですが極端に評価が分かれてしまいました。

イメージ 7今週の農園のテーマは草取り
他の農作業・出荷作業の合間をぬって、ひたすら毎日草取り
草取り。
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イメージ 9女性二人(親子ほど歳が違う
それでも互いに競争し、
遅れまいと意地の張り合い
の風景。真に頼もしい。

新しく参加した次郎さん
頑張ってます。それなりに。
ブロッコリーの植え込み前に
草木堆肥の欠点である低
窒素に対応するために、
先肥という手を使っている


堆肥を撒き畝たてをした後、植え込む処に草木堆肥と灰・牡蠣柄・苦土石灰を置き
三叉鍬で混ぜ込む。こうすると、成長期の二ヶ月後に窒素供給が多くなり、完熟期
の三ヶ月後には窒素が切れる。それが草木堆肥の最大の特徴。ノウハウです。

最後に、総評ですが、私が思っていたほどには、食に対する意識が薄いと感じております。(一部の方はしっかりとした考え方と価値観を持っておられますが)
現在の農産物を始め、「食」が化学物質に囲まれ、遺伝子組み換えや交配が繰り返され、健康でピュアーな食品を探すのに苦労する時代が来ているのにも拘わらず、
その危機をさほど感じておられない消費者が多すぎると今回感じた。
私も農業を始める前は、さほど重大には感じていなかったが故にお伝えしたいのですが、農業現場や食品製造現場では、実に恐ろしい現実を知ることになりました。
それらのことも含めて農園日誌や今週の野菜の両ブログで事ある度に毎週記録しておりますが、約200名のお客様のうち、その半分も読んでいただいていないことに驚いている次第です。

敢えて申し上げますが、なるべく化学物質の入り込まない農業環境作りやその農法は極めて大きな労力と手間とそれだけの覚悟がないとあまりにもリスクが大き過ぎます。
特に当農園のように極く普通の方々に日常的に食べてもらいたいという考え方で
労力や手間を惜しまず作る野菜は今のリーズナブルな価格設定では難しいのです

私が一番涙したことは、何人の方から、むかし野菜の価格はその掛ける労力と手間
に比べてあまりにも対価が見合っていない。との感想を読んだ時でした。
むかし野菜の向こうにある人の努力や思いを汲み取っていただいたことに深く感謝しております。若い農人候補生達にその努力を強いている農園主として・・・