農園日誌ー新たな挑戦始動始める

27.3.19(木曜日)雨後曇り、最高温度16度、最低温度9度

イメージ 1
               農園より由布岳・鶴見山を望む

今日は丸一日かけて大分市役所・県振興局・産業創造機構などを回る。
新たな施設(むかし野菜の邑の加工所・保冷庫・選果場)建設に向けた事前開発申請手続きやその相談のため、主に官公庁に出向く。
かなりくたびれて、帰った。今日は終わり、と皆に告げる。

そこでは、第二次計画として消費者啓発のための農園体感・体にやさしく美味しい食の提案・安全で栄養価に富んだおやつ作り・幼児を抱えたお母様達の憩いの場と活発な子供達の安全な遊び場として、などなどのレストハウスを考えている。
そのためには、野菜作りだけではなく、今年から始動し始める雑穀類の生産や三年後には、輸入品に頼った配合飼料ではなくその穀類を使った養鶏場(卵・鶏肉)建設
(平飼い・有精卵)も視野に入れている。

この自然循環農法に取り組み始めて、感じたことは、化学物質や農薬にあるいは、遺伝子組み換えの脅威に晒されていない安全な穀類がほとんどなく、大豆・麦・米・とうもろこし・黍粟などの穀類の確保ができず、まして、安全な粉などはどこにも見当たらない。やはり野菜作りだけでは限界を感じてしまうこと。

育ち盛りの子供さん達に何が入っているかも分らない既成のお菓子や加工品を買い与えるしかなく、安全なおやつを作ってあげたいと思う方でも、今度は粉や卵が妖しいとなってしまう。随分と住み難い世の中になってしまったものだと嘆いていても始まらない。

草木堆肥での農業を始めた時からの課題ではあったが、自然農の米と大豆をグループ内で生産し、皆様方の要望の高い味噌作りはほぼ完成に近づいているし、
無添加発酵食品の漬物はもとより取り組んできた。
果物は中々に難しいが、より安全で美味しく栄養価に富んだ穀類がようやく射程に入ってきたと実感している。
先ずは自然農の穀類生産は当農園及びむかし野菜の邑グループから始めて、
やがて過疎と高齢化が進んでいる地域の方を巻き込むことができれば、当初の
私の思いはようやく実現する。そこまではかなり遠い道のりではあるが・・・・
少なくともその道筋だけは作っておこうと考えている。

イメージ 2葱の種蒔き

一本葱・九条葱は育苗
のため、
小葱は直播で育てる。

こんなに小さなかわいい
芽を吹いてくれた。
厳冬期の二月に蒔いた
もの。




イメージ 3越冬野菜と春野菜が混在
している4番の畑。

一番右は春白菜。
次は越冬し莟立ちを始めた
蕪類。
真ん中は冬の終わりに蒔いたみやま小蕪。
左は青梗菜・小松菜の春蒔きの常備菜達。
トンネルの管理が極めて
難しい時季になっており、
気が抜けない。

現在、当農園のお客様にむかし野菜全般のこと、穀類及びその粉の欲求やニーズについて、個別にお聞きしているが、驚いたことは、医学者のウィリアム・・さんが唱えている「小麦は食べるな」という著書について、かなり多くの方々が関心を寄せているようで、穀類生産のことを向けてみると、小麦の安全性について疑義と質問が
多いこと。

私なりに、調べてみた。要約すると、どうやらこういうことらしい。

今から100年ほど前、アメリカのロックフェラー財団とメキシコの手で、全世界の種子を集め、食糧確保のため、交配による生産高アップできる品種を開発する研究が進められていた。
それは主には小麦・とうもろこし・大豆を中心としたものであったようだ。
それから100年ほど経過して、次第に高タンパク・高糖質(つまりは高グルテン)の
品種開発に成功し、その中には、遺伝子組み換えのものも混じっているとの憶測を呼んだ。(今では、ほとんどの原生種の種を独占し、市場に出しているものはF1と
言われる交配品種のみで、世界の種を独占管理できるまでに大きくなっている)

そのことによって、遺伝子組み換え大豆やとうもろこしは今ではアメリカの代名詞と言われるまでになっている。
問題は、小麦のほうだ。
在来や原生種に比して糖質が1.5~2倍含まれる小麦がマーケットの主流を占めて、ハイグルテン(パン用小麦)小麦が主流となっている。
このことにより、糖尿病・高血圧・癌・高アレルギーなどの現在病を引き起こす大きな要因になっているそうだ。

そこで、県の農業振興局を尋ね、そのことをぶつけ、日本の固定種(遺伝子組み換えが出てくる前からある)の小麦の種子を調べてもらっている。
農林61号(今ではまったく人気が無いが、30年前からできているもののようだ)
などの日本の固定種なども視野に入れて思考中。
(小麦は元来日本には無いものであったことは知っていてもらいたい)

イメージ 4除草した草を一輪車で集める
作業。堆肥の主要な原料となる


イメージ 5




刈り取った草を集める作業。


これらの草を7つの畑から集めて回る。除草する手間も大変だし、この草収集作業もかなりな重労働となる。現在、自然農や有機農業のほとんどが黒マルチ(ビニール)を掛けている。雑草対策であり、土の保温のため。
それから考えると、自然循環農法はかなり原始的というべきか?それでも研修生からは疑問や不満は出てこない。草木堆肥の重要性や有用性を理解しているのか。

むかし野菜が取り組むとうもろこしは、日本の在来種である「甲州とうもろこし」及び
「白餅とうもろこし」のことであり、皆様へのインタビューではあまり芳しくない答えが返ってきている。というのも、安全うんぬんではなく、その使い道の経験や理解が及ばないことによる。
つまりは、レシピが想像できない。ということは、むかし野菜として取り組む価値が
充分にある。
メキシコ・中央アジアではとうもろこし粉が主食になっている。その地域では風土に根ざした食べ物ということであり、日本人が知らないだけであり、日本ではとうもろこし粉が出回らないことにも大きな要因がある、と考える。
但し、とうもろこし粉だけでは、日本人の口には多分合わない。そこで必要になってくるものがブレンドする小麦粉という訳ですが、そこで小麦の安全性に疑義があるとの回答に頭を悩ます農園主となった。
県の振興局からの回答に期待しており、何らかの打開策を見出すことにする。

最後に、熱心に私の取組に耳を傾け、開発や生産活動に協力して頂けるように
計らおうとしている官公庁の方々に、今回は感謝している。