農園日誌ーむかし野菜のテーマ

26.9.3(水曜日)曇り後雨、最高温度32度、最低温度25度
 
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                     甲州とうもろこし
 
今年初めて日本の在来種であるとうもろこしの栽培を試みた。その結果がご覧の
通りの歯抜け状態となってしまった。
台風被害にも遭ったが、今年の湿気で生育がうまく行かず、さらに初めてということもあり、畝間を開けすぎて受粉に失敗したようだ。
 
昨今の甘いトウモロコシ、スィートコーン全盛時代になぜかと言うと、これを干して
粉にし、料理に使えないかと考えたからであり、むかしながらのとうもろこしを再度
復活できないかと目論んだのがその理由。
 
粉にすれば、コーンスターチであり、てんぷらの衣に混ぜれば、かりっとした食感
が出せるし、やや厚めに流し焼きにし、野菜やハムなどをトッピングしてオーブン
で焼く料理などにすれば、栄養価に溢れて、美味しい料理ができるのかもしれない
1~2年のテストを経て、むかし野菜の復活となれば、とも思う。
 
 
イメージ 2餅黍・餅粟・高黍
昨年、始めて栽培。
今年で二年目となる。
 
この栽培は雑草と雀対策
が全てである。
防鳥ネットを張ってはみたが、どこからか隙間を
見つけた雀が入り込んで
中で運動会をしている
有様。半分近くがあえなく
雀の食料になった。
 
 
これもむかし野菜復活の試みの一つであり、手間はかかるが、栄養価に富んだ
むかしの食材が蘇ればと強く思う。勿論全て自然農の栽培であり、かなりな貴少品ではある。
 
すでに自然農の米や大豆を使った味噌は試作に半ば成功しており、今年は、ある程度の量をお客様へ出すことが可能にはなっている。
漬物は、純粋の発酵食品として10年来の試行錯誤を繰り返し、当農園の定番加工食品となっている。高菜・粕漬け・甘酢漬け・刈り干し大根の漬物等々・・
これらの業は、農園の第二世代、子供達へ受け継がれようとしている。
やがて孫達の世代へと伝わって欲しいと願っている。
 
当農園は、日本の先人達が営み続けてきた草木堆肥による自然循環農法に取り組んできて久しい。
なにしろ、堆肥の原料から確保していかねばならない。草刈と草集め、剪定枝
破砕作業、そして膨大な量の草木堆肥作りと手間と労力を要する。
むかしの日本人達が食べてきた野菜は栄養価に富み、香り豊かな美味しいもので
あった。その農法は畜糞や化学肥料のない時代であり、先人達の叡智の結晶で
あった。それを現在に復活させるというテーマが当農園やむかし野菜グループの
取組の第一である。
 
それは畜糞主体の有機野菜とは異なり、所謂自然農の世界とも異なる。
野菜の味も香りも食感も質が異なる。
 
敢えて名前をつけるとすれば、「むかし野菜」と言うことになる。
 
それにもう一つの隠れたテーマがある。
それが日本伝承の発酵食品の復活というテーマ。
 
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サラダセットと葉野菜
 
例年に無く早い種蒔きとなった。今年の気候は
少し違うと農人の感が
言っているため。
 
このまま順調に行くと
来来週頃には、出荷見込みとなる。
皮の固い夏野菜とは異なり、柔らかい歯ざわりの
生野菜が早く食べられる
 
 
漬物・味噌・醤油などの発酵食品は、かって日本人の食生活と健康を支えてきた
日本で生まれ育った食文化である。
欧州のヨーグルトと同じく、それら発酵食品には乳酸菌などの良性菌が棲んでおり
腸内微生物を活性化してきた。
これら日本の伝承の発酵食品を現在に復活させることがもう一つの大きなテーマと
なっている。
 
大量流通及び消費社会になって、市販されている漬物は、もはや発酵食品では
なくなっており、化学薬品漬けの漬物らしきものに変質している。
それは味噌醤油でも例外ではなくなってきている。
それだからか、最近、漬物はどうも!と言われる方がわずかではあるが、出てきている。
その理由が減塩のためなのか、食生活に漬物の慣習を無くしてしまっているのか、
考えたくは無いが、若しかして、漬物が汚いと思われているのか、それが分らない
無菌状態を尊ぶ風潮があるとしたら、化学薬品漬けはきれいなのか?無菌状態で居ることがいかに危ないことなのか、知って欲しい。この世を健全に保ってくれているのは、無数の放線菌(かび)であり、微生物であることを・・・
草木堆肥の中は無限大の菌で溢れている。
 
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               オクラの花。妖しい貴婦人のように