農園日誌ー初夏の訪れ

26.5.28(水曜日)晴れ、 最高温度29度、最低温度16度
 
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           サラダの貴婦人 ー トレビス(チコリの仲間)
 
表紙は、一般消費市場では中々出回らないトレビス。ほのかな苦味があり、
色艶やかな表情はサラダの貴婦人のよう。
サラダに入るとそれだけでお皿の上は華やかになる。
今年は初夏になって始めて成長をはじめ、6月中下旬頃に出荷が出来るかもしれない。食べる部分は、葉を何枚も剥ぎ、中心部の柔らかい部位を出荷する。
巻くまでに漕ぎ着けるのはその内、30~50%までと実に効率が悪く、扱い難い
まさに貴婦人。
梅雨の真っ最中に出荷となるため、腐ってしまわないかと、今から心配している。
 
野菜には様々な色合いと味香りがある。五味五色の色がハーモニーとなって
食卓を賑わす。その個性を活かすことが料理の基本となる。
只甘いだけ、只きれいなだけ、ではいかにも個性が無い。
同じ型の人間を育てようとするのではなく、その個性を認めてやることができれば
もっと面白い世の中になるのに・・
それは野菜もまったく同じ。表紙のトレビスは作り難いために価格も高くなるし、
苦味もあり、何でこんな個性の強い野菜を作るのか?
食卓を楽しくすることも当農園の目指すところであり、様々な個性のある野菜を
作り続けることもまた楽しい。それを調理するお客様も楽しい。
そんなゆとりが欲しいものだと思う。
 
イメージ 2赤ほうれん草
 
これも当農園の定番アイテムサラダセットに無くてはならない赤ほうれん草。
 
7~8種類の野菜を一セット
にしている。
季節により、様々な味の個性や色合いがハーモニーを
かもし出し、食卓を楽しませる。
あるお客様より、春のこの
時季、野菜がどっさりと
届いた。「少し少なめにお願いします。但、サラダセットの量はそのままで・・」とのこと。やはり食卓の定番アイテムになっているようだ。
このアイテムは当農園の基本的考え方の一つの現れ。
 
今、畑では初夏野菜が順調に育ち始めている。ズッキーニや胡瓜は多めに用意しているし。トマトは300本以上植えている。
そのトマトの品種は「瑞栄」とフルーツトマトの二種類。
フルーツトマトは生食で。瑞栄は調理・生食兼用の種類。瑞栄は料理に使うとその
酸味が故に実に美味しい。
日本で育っている90%以上が「モモタロウ」という品種。
何故そうなったかと言うと、子供が酸っぱいものが嫌いで、子供用に開発された
品種が「モモタロウ」
酸味がなく、味香りも薄く、確かにすっぱくはならないが、これが実に画一的で
トマトの味が薄く個性が無い。やはりトマトは適度な酸味と香りがあり、ほのかな
甘み(旨み)があるほうがうまい・・・
 
今年、7番の畑にとうもろこしを植えてみる。新たな挑戦となる。
スィートトモロコシではなく、昔ながらの干して硬くなったものを食す品種。
水で戻して雑穀と一緒にとうもろこし粥に、粉にして焼いて食べたり、フライの衣に
使う。かりっとした食感を楽しめる。様々にテストしてからお客様に届けたい。
国産の昔ながらのとうもろこしなど今時分生産しているところは数少ない。
 
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人参の葉が夕暮れ時の
畑に淡い虹彩を放つ。
 
人参も二種類の色を育てている。
オレンジの向陽という品種
と島人参の系統の黄人参
料理の色合いを考えてのこと。
 
この黄人参が実にやっかいで、春先などはその
70%が莟立ちする。
 
それでもわずかな可能性に懸けて種を蒔く。お客様の喜ぶ顔が見たいから・・
 
人は自分の価値観で他人を判断しやすく、会社でも自分に向く部下を育てたがる
し、評価してしまう。子育ても同じ。その個人の個性を見出してやり、その個性を
大切に育てていきたいものだ。会社には様々な色彩があり、個性がある。
子育ても野菜を育てるのもまったく同じ。個性を育んでやってほしい。
日本の企業がここにきて伸び悩んでおり、教育で子供を画一化して、会社で同じ型の社員を育て、事勿れ主義に徹する。
日本丸の沈没は見たくない。孫達8人の将来が暗くならないことを祈る。