27.6.25(木曜日)曇り後雨、最高温度24度、最低温度19度
肥大した完熟人参
梅雨が長引くせいか、人参の生長が早く、肥大した人参に割れが発生している。
人参は元々、セリ科の野菜であり、水を好む。但、今年のように雨ばかり続くと、
流石にその10%が腐り(水に使った状態が長く続くため)さらに10%以上の人参
に割れが走る。
ここまで割れが走ると
流石に出荷はできない。
農園スタッフ達では食べ
きれないので、皆様に
お配りしている。
このように完熟した野菜は
割れていく。
畑で自然に割れる野菜は
実は美味しさの証明。
キャベツなどもパンパンに
張ったものは水に漬けた
際にバリッと割れることもある
茄子の一番成りの出荷
お昼の弁当に茄子の味噌
合えが入っていた。
あまりにもいびつなために
出荷の際、外していたものが
初めて農園主の口に入る。
口一杯に夏がやってきた。
鼻に抜けるナスの味香り
が何だか懐かしい。
農園では、トマトの剪定誘引作業の合間に茄子の剪定作業が待っている。
初期的な誘引剪定作業は、まだ若い研修生達には教えていない。
梅雨時季に夏野菜が幼苗から大人になる。摘み取る脇芽、残す脇芽、重なり合って
日が差さない様になった横の葉や湿気の影響を受ける下葉などを丹念に除去して
いきながら、次第に樹形を整えていく。均等に光と風が入るように・・・
今日は、朝から雨の一日の予報があり、「明日は休み」と言ってしまった。
未明までは雨が降っていたが、17時までは曇りの一日となった。
気になっていた二番の畑(元は田んぼ)は水持ちが良く、草木堆肥歴14年の畑で
あり、胡瓜・人参には最適。
人参の蒔き時季(適期)は2~3月、7~9月となり、少し早いが水を好む人参の
第一陣の種蒔きを行おうと数日前から目論んでいた。
朝から一人で堆肥を撒き、畝立てを行い、種を蒔く。
研修生の一人でも顔を出すかと淡い期待をしてはいたが、寛子さんと家内が土
掛けの段階で顔を出してくれた。まだまだサラリーマン農業。来年は独立の年、
空はどんよりとした梅雨の空、今にも雨が落ちてきそう・・・・
育苗中の夏野菜達
ある程度までは育つがやはりそこは夏野菜、太陽の光がないと大きくはなり難い。
今週までは何とか野菜は繋げたが、来週からは彼らの成長がないと、万事休す。
胡瓜・ズッキーニ・インゲンなどの初夏野菜だけとなってしまう。
毎年やきもきとさせられるが、このミニ端境期を過ぎるとようやく夏の到来となる。
暑い夏は嫌ですが・・・それでも夏を待つ。
今日、新規の大阪のお客様から電話が入る。
野菜が大好きなようで、露地トマトはまだですかなどあれこれと質問が飛んできた。
その話の中で、胡瓜の味香りが凄い。歯ざわりが格別。みんな美味しいとの大意であったような気がする。
ある民放での放映だったと思うが、その品種も思い出さないが、甘い胡瓜の話であった。今、大人気になっているそうだ。
「いぼいぼが無くて、胡瓜の青臭さが無く、とにかく甘い」と言われていた。
話を聞いていて、それでは、その野菜は胡瓜では無いのではないか、と素朴に感じてしまった記憶がある。
「マーケットでは、野菜に甘さを求めている」と聞こえてきそうな放送が最近目に付く
野菜にはそれぞれに個性があって、甘・辛・酸・苦・旨などの特徴がある。
当農園では、その個性の出る品種しか選ばない。多くは原生種の性質が残っている
種しか選ばないことにしている。
草木堆肥を使用した自然循環農法では、窒素分を抑えて、化学物質をできるだけ排除し、ミネラル分(木・葉・灰・貝殻)をできる限り、供給し続けることにしている。
そのことによって、個性のある野菜ほど、本来の性質を発揮してくれ、味香り・旨み
を出してくれる。この農法の特徴は灰汁が出なく、えぐみが無い。
右のキャベツ
は端境期を
乗り換える
べく、植え付け
た季節はずれのキャベツ。
左は空芯菜、ベテランの女性スタッフが植え付けたもの。
右はとうがらし系野菜、研修生達が植えつけたもの。かなりうねっており、おおらかな実をつけることになるでしょう。
香りのまったく無い胡瓜や酸味も香りも無いトマト。
市場では青臭さや酸っぱさやえぐみなどを嫌って、様々な品種改良を施し、わざわざ食べやすさを売りにした品種改良が進み、在来固定品種が危機に陥っている。
無化学物質・低窒素・高ミネラル土壌を育てていけば、野菜本来の個性や旨みが出てくる。最近頂いたはがきにも主人が生野菜を食べられるようになった、娘がキャベツを食べてくれ、嬉しい、と書かれていた。
きっとこのご家族は本来の野菜の味、美味しさに巡り合った喜びを伝えたかったのではないでしょうか?
野菜臭さを嫌ったり、酸っぱさや苦味を嫌ったりするのは、きっと旨みのある美味しい野菜に出会わなかったからではないでしょうか?
全国には一生懸命に美味しい野菜作りを目指しておられる農人達もおられます。
マスメディアに踊らされずに、只甘い品種のみに躍起になって取り組む種苗業者も
土作りに取り組んで頂けたら、こんな可笑しな風潮が少しでも良くなるのにと、思う
こともしばしばです。
日本人は横並び、体制享受の気質があります。争わないことと、闘わないこととは異なります。
世間の風潮や体制を押し付けてくることに対しても少しは疑問を持ち、自ら、考えて
行動することや言を発することは、この時代、必要なことではないでしょうか?