農園は端境期に突入

24.3.2(金曜日)曇り時々雨、最高温度10度、最低温度6度
 
今日も雨、暖かさを実感できない寒さが続く。
12名の個人の収穫を終え、合羽を着て草取りに向かう。雨の止んでいるうちに
少しでも作業を前に進めないと、春野菜の植え付け作業が待っている。
畑一面に、冬野菜が植わっている。成長が遅く、野菜の出荷量が激減しており、
来週の配送野菜の目処も付かない状況の中で、今度は、春野菜の植え付けの
畑が空かない!という悩みが深刻さを増す。
去年からの異常気象の連鎖が又、重くのしかかり始め、悩みは尽きない。
 
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びっしりと草に覆われた豆の畝、(二番の畑)左が芽キャベツ、草を除去している
畝が絹さやえんどう・スナップエンドウ・実エンドウの畝、右が空豆の畝、寒さに耐え
今年はよく根を張っているようだ。奥のトンネルは二月種蒔きの人参。
 
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草取り中の人参の畝。
15mの畝が4列。
 
こんなに小さい。
放置すると草に負け、
消滅する。今が肝心な処、
 
これは黄人参
間引きしながら、大きく
育てる。
 
神経を使う作業となる。
 
 
 
キャベツ(11月に仕立てた苗)が(端境期の隙間を埋めようとしていたが)莟立ちし始め、開き始めてしまった。野菜はすでに日照時間が長くなったことを感知している。恐れていたことが現実となる。氷点下の中、一時的にトンネルをかけたのがやはり影響してきたようだ。露地栽培・野菜作りの難しさが今年も身に染む。
 
端境期対策として、12月に植え込んだブロッコリーが寒さに耐え、ようやく小さく
実を付け始めた。それでも平常の1/3の大きさでしかない。
(通常はこんな時季にブロッコリーは植えない。一農園で年間百種類以上の野菜を
休み無く、直接販売するためには、こんなリスクを多く抱えることになる)
 
イメージ 4洋ほうれん草
草取りを終え、すっきりとなった。
今日被覆布を撤去する。
日差しが出れば、トンネルを剥ぎ、太陽に当てよう。
ほうれん草は5畝用意してあるが、他の野菜が少なく
無理を押して、まだ小さいのに出荷している。
トンネルをかけているほうが大きくなるが、味が出ない、と悩む。
 
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育苗ハウスの中で芽を吹く
春・夏野菜達。
 
この後、ポットに上げ、さらに
根を張らせてから定植となる。
 
夏野菜に関しては、育苗期間が
3~5カ月を要する。
その間に落ちていくものも多数。
水遣りや被覆に神経を注ぐ。
これはほんの一部。
 
 
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畝全体にポット苗が並ぶ。
これは春野菜達。
 
育苗用の土は破砕屑・腐葉土
草木堆肥・畑の土・焼き灰などをブレンドし、丈夫な苗を育てる。
 
レタス系・キャベツ・ブロッコリー
サンチュ・サニーレタス・白菜
コールラビ・ズッキーニなど、
 
 
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サラダの貴婦人、トレビス
 
 
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サラダセットに入るビーツの葉
 
 
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     春を告げる越冬わけぎ。特に根の部位が甘くねっとりと食欲をそそる。
 
(端境期)
 
農業では、どの地域でも必ず端境期は訪れる。
春(3月)になると、冬野菜は終わり、出荷できる野菜は畑から無くなる。
従って、3~4月は野菜が底を突く。厳冬期の1・2月に無理をして植え込んだ野菜は成長は遅く、寒で落ちる野菜も多い。葉野菜の生育期間が冬の露地栽培では
少なくとも3カ月かかるとして、早くて4月の終わりごろに出荷が可能となる。
 
その間を繋ぐのが実は農業のセオリー(野菜の生理現象)を越す育苗方法であり、
大きなリスクを抱えることになる。
植え込んだ(種蒔きをした)野菜の半分以上が育たず、寒で落ちていくことになる。
畑を埋め尽くした野菜達のどれだけが消費者の処へ届くことになるのか?
この時季の野菜は、皆、見てくれは悪くどこか傷んでいる。
それでも、寒に耐え、育った野菜の力(美味しさや栄養価)は凄いというしかない。