農園を開いて10年

24.3.9(金曜日)曇り、時折雨、最高温度10度、最低温度6度
 
今日も一日中、曇り、時折小雨、瞬間的に日差しがこぼれる。
最近、合羽と長靴は日常品となってしまった。
土はいつも湿って堆肥撒きや畝作りには困難を極め、鍬がとにかく重たい。
草木堆肥施肥歴7~10年の畑だからこそ、こんな状況でも畑作りができる。
他の畑では、入ることも難しい状況が続いている。本当に去年からどうしてしまったのか、と思えるほどの異常気象が続く。今年も思いやられる。
農園を開いて10年、最初の5~7年はこれほどまでに異常な天気は無かったように思える。農産物は季節を感じて敏感に動く。こんな異常な気象が続くと、野菜も敏感に反応する。きっと一生懸命に耐えているのだろう!頑張れと励まして回る。
春はそこまで来ているぞ!野菜が答える。そんなこと分かっているって!我々の先祖から受け継がれた血は人間よりはるかに敏感なんだぞ!と・・・
 
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5番の畑、
手前は、じゃがいもを
植え込んでいるが、未だ
芽を吹かない。
今までこの時期になって
芽を吹かないのは記憶にない。
右側は玉葱の畝、
実に小さい。今年の寒さがいかに寒かったかが
分かる。玉ができるのかさえ、疑わしくなり、不安
になる。
 
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にんにくの畝、(5番の畑)
 
一度除草したが、長引き雨でまたもや草が覆い始める
 
この5番の畑は、玉葱・じゃがいも・にんにくなどの大量に必要な野菜専用の畑。
 
玉葱は植えつけてから、
6カ月、にんにくは9カ月も
畑に居座る。
 
 
今日は収穫・発送作業後、女性陣とトンネルを5張り、張り終えた。
その手際が良く、娘二人、すっかり、ベテランになった。と、感慨深く作業している
姿を眺める。別に、小さな畝を三椏鍬で起こし、3番の畑に赤蕪の種を蒔く。
降り続く雨にも関わらず、土はさらさらと鍬の上に乗っかる。さすがに草木堆肥歴、
8年目の土だと、改めて感心する。
 
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赤蕪、
 
実が柔らかく、サラダには最高。
この漬物が美味しいだろうとは
思うが、中々に漬物までは
回らない。
他に、紅蕪と紫大根があるが、
どれが良いか種蒔きの際、迷ってしまったが、やはり春はこの柔らかい食感かな!と・・・
皆様方はどうでしょうか?
 
 
 
有機農業は初めて10年が経過しようとしている。
当初の目標である個人顧客100名、レストラン10軒はほぼ達成した。
有機農産物の商品化」を心出してから、実験期間を含めて20年が経過した。
思いのほか長い道程でした。
この草木堆肥で育てた「むかし野菜」はもはや他の有機野菜とも異なり、私の中では、特別な商品となった。今日も、関東のKさんからメールを頂いたが、美味しいと
言う表現より、「自然からの頂き物」・「やさしい味」になった。
100人の方々や少ないが内の野菜を十分に理解していただいているレストランの
シェフの方々にとっても、やはり「特別な野菜」になっているようだ。
 
次の段階、この「むかし野菜」(有機野菜と区別するため)を次の世代、後継者の
育成へと向かわざるを得なくなっている。
由布市主催の農業セミナーを引き受けたのもこの強い思いからでしたが、残念ながら、次の段階へ進むにも受け継ぐべき世代や後継者が育たない。時間もない。
その疲れと焦りが重く体に圧し掛かる。
 
日本はあまりにも豊かな、幸せな時代が続きすぎたのか、自分のことしか考えていない、危機感がない、ハングリーさもない、謙虚さもない、恥を知らない、などなど・・
他人に思いは馳せることのできなくなった社会の仕組みからか。
日本人たちは一体どこに行こうとしているのか!
自然の変化の中で必死に生き抜こうとする野菜達に対して恥ずかしい。
少し言い過ぎたかもしれないが、明治の初期、戦後すぐのの日本人達の精神は
いつ失われていったのか。とつい、思ってしまう。これも疲れからか・・・・
それでも、少なくとも大震災の後、現地の方々に思いを馳せている多くの人たちも
居られるのは救いになっている。
 
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春よ、来い!早く、来い!でした。