第六回農業セミナー(実地編)

24.2.25(土曜日)曇り、時折雨、最高温度10度、最低温度7度
 
最近、季節の変わり目のため、やたらと雨の日が多く、気温も10度に届く日々が
増えてきた。ようやく最低温度が氷点下から脱したのか?
トンネルを剥ぐ時が増えて、野菜も心なしか、太ってきたようだ。しかしながら、
今度は毎日の雨と曇りの日々が続き、日照不足となる。本当に自然は気まぐれだ。
太陽が欲しい!と野菜達が訴えている。
 
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今日は農業者だけの草木堆肥の施肥、高集約型農業の実習編、ほぼ一日の
研修となる。雨の中、強行した。
 
密集栽培の勧め、として、冬の成長が遅く、比較的蒸れが少ない時季は、この密集
栽培が効果を発揮する。一畝で3~5回の出荷が可能となる。
 
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当農園の草木堆肥のみを使用
した農法では、この堆肥の一定
量を撒く感覚を体で覚えてもらう
ことが必要となる。
野菜によって、この堆肥の量を
微妙に増減させてやらねばなら
ない。そのため基本の量を体に
覚えこませる。
 
さすがに農業をしておられる方が多く、腰が入っている。
 
中々に一定量を万遍なく撒くことはすぐには難しい。施肥量にムラがあると成長が
そこだけ異なり、みっともない風景が出てくることになる。
 
イメージ 4土壌改良として、苦土石灰
焼き灰、牡蠣柄などの配合を
している。
堆肥は必ず酸性になり、この
中和する作業の分量が、野菜
によって様々に異なるため、
かなり神経を使ってもらわねば
ならない。などなどを教える。
 
今日は見よう見まねで一先ずは
良しとするか・・・
 
 
イメージ 5この土壌改良剤の撒きかたが
一番難しい。
1年以上やらないと中々に
均一に一定量を撒くことは
難しい。
 
ちなみに撒いているのは私です
 
他の方々のはあまりにひどくて
お見せできないので・・・
 
 
 
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草木堆肥歴8年の畑の土
の感触を確かめるために
鍬を入れてみる。
 
 
ふかふかに団粒構造が出来
上がった土から、美味しく
ない野菜ができるはずも
ない、と、一番説得力が
あったようだ。
 
 
 
 
農業セミナーの内容(一部)紹介、
 
○農産物商品の新しい価値基準作り
味、香り、食感、甘さ、旨み、栄養価、リーズナブルを農産物の評価基準と
する。
 
流通市場が作り上げてきた価値基準(規格サイズ、見てくれ、価格)は有機
マーケットをも巻き込んでおり、所謂「きれいな野菜」という野菜の評価基準
の見直しを行い、真に消費者が求めている農産物の評価基準作りを行うと
言う新たな挑戦です。
 
○美味しさの基準を、赤、銀、金の大きく三段階で設定
赤ラベル; 草木堆肥歴3年未満
銀ラベル; 草木堆肥歴3年以上、5年未満
金ラベル; 草木堆肥歴5年以上
 
土作りが全てですが、土壌環境により多少は異なるため、上記は一つの目安
し、味香りなどの基準はやはり人間が量るものであり、参加する農業者
全員に真にプロの農家として、美味しさの基準(舌)を訓練してもらう。
  
○農法の統一
①自然循環農法を基本とする。(草・葉・木・竹・水などの自然物が基本)
②発酵促進のための高濃度の動物性・植物性原料(牛糞・豚糞・馬糞・鶏糞・米糠・油粕・おから・大豆粕・麦粕など)の併用は可とするが、極力
その使用を抑制する。又、抗生物質を多く含む鶏糞などの使用は制限を
加える。
 
③この自然循環農法は最も土壌汚染を嫌う。
子虫・微生物・放線菌などの生命体を土壌で繁殖させ、自然のバランスを
図ることが自然循環農法の基本であり、害虫駆除のため、それらのバランス
を壊す土壌消毒や残留しやすい農薬の使用・ホルモン資材や生物資材は禁
ずる。又、高頻度の農薬使用も禁止する。
有機JAS法で認められている農薬や生物兵器の使用も禁止する)
 
④ハウスの使用については、認めるが、自ずから味や香りなどに影響が出る
 ことになり、等級は上がり難くなるというリスクは出る。
(反面、生産効率は上がる)
 
○近い将来への展望
消費者との直接交流と対話の場として農業者(草木堆肥を基本とする自然
循環農法を行う)が中核となったアンテナショップの立上げを目指す。
  
・むかし野菜等農産物販売と素材感に満ちた加工品(漬物・味噌など)の生産販売
・飲食店を併設し、むかしおやつ、惣菜などの加工販売も行う。
・穀類(自然農の米・赤米・黒米・大麦・裸麦・小麦・大豆・黍・粟)の販売
 及びその製粉も行う。
・鶏卵(配合飼料は50%以下、野菜屑や余穀類などが50%、平飼い・有精卵)
・果物(自然農に近づける;葉・草・米糠・油粕などの植物性堆肥使用)
 
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ここに集まって頂いた農業者の組織化・グループ化が急務だが、それぞれに別個に
生きていく長年の慣習が災いせねば、良いのだが。
現在、6軒の農家はなんとか結集できそうだが、問題はその後の方々かな!
先はまだ遠いのか・・・