農園日誌ー春が来た?

30.2.28(水曜日)曇り後雨、最高温度14度、最低温度4度

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             ビニールトンネルを一斉に剥ぐ

 春が来た・・・!
大陸からの寒気団(高気圧)が次第に後退し始め、入れ替わりに南の高気圧が
顔を出し始めている。こうなると、断続的に雨の日と晴天の日が交互に訪れる。
1~9番の畑は、一斉にビニールトンネルを剥ぎ、雨を待つ。
それでも完全に剥いでしまう(全面撤去)には、ちと怖い。

 比較的寒に強いカンラン系(キャベツ等)・レタス系野菜は、全面撤去となるが、
芽が出始めた野菜は、雨には当てたいが、寒はまだ怖い。
判断が難しい季節になっている。

 この時季、つまりは、強い寒が去り、急激に暖かくなると、アブラナ系・カンラン系の
野菜達は一斉に花芽を出し始める。所謂、莟立ちの時季がやってきている。
暖かくなったからと言って急に野菜が成長を始めるから、良い季節かと言うとそうでもないのが、農業の難しさである。

 こう言う事だ。
強い寒に晒され、必死に生きていた野菜達の内部には花芽を内包している。
子孫を残そうと彼らも必死であり、「温かい・太陽の光・日照時間が長い」「と感じた途端に、内包していた花芽が吹き始める。
強い寒の中で、成長不足の野菜でもそれは同じ。
農人達は、結果として成長不足の野菜でも何とか出荷しなければならなくなり、
成長不足の莟立ちの野菜を市場に出そうとする。それも一気に・・・

 そうなると、市場は野菜に溢れることになる。問題はその後である。
計画的に植え込んだ野菜が短期間のうちに出荷され、厳しい寒の中で種を蒔いた野菜は、急には成長しない。結果として深刻な野菜不足となる。

 希少な露地栽培を営む農人は、経験でそれを知っている。
深刻な野菜不足を何とか克服するために、予め、春の端境期となるこの時季に対応して、様々な種類の野菜達を段階的に植え込んでいる。
特に当農園のように市場流通に出荷せず、特定の個人及びレストランのみに出荷しているむかし野菜にとって、その真価が問われる時季を迎えている。
「野菜が無いなど、許されない」、これはプレッシャーの塊となる。

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きれいな麹の花が咲いた。
今年一番の出来。

味噌つくりは佳境に
入っている。すでに
350キロは仕込み
終わっている。目標は450キロ。
一人300gを送るとして年に4回しか送れないが、現在の生産能力ではこれが限界。

肝心の草木堆肥による大豆の取れ高が少ないのが現状であり、支持率98%の
無添加醗酵味噌生産に大きな課題が残る。お客様には当分の間、我慢していただくしかない。

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竈蒸しの大豆

今回は少し遊んでみました。
黄な粉にするか、迷ったが、主婦層からの強い要望があり、一度だけでも送ってあげたいとの女性スタッフの意見に従った。
自然農の良質な植物性高たんぱくを味わってもらう。


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玉葱の草取り作業に追われる。(8番の畑)
毎年のことであるが、この畑は草が多く、しかもしつこい。
慣れた者でも一時間に1.5メートルしか進まない。
通りがかりの人からは良い出来だね!と言葉を掛けられるが、なんだか申し訳ない気持ちになってしまう。
通常の農法であれば、黒マルチ(草除け・温度管理のため)を張るが、当農園では
敢えては張らずに毎年このようにしつこい草取り作業を繰り返す。
黒マルチを張ることは、科学的には呼吸しているのだが、自然循環農業では、大気(太陽や風や雨)と交流していないため、行わない。(但し、近時は自然農法でも黒マルチを張っている)

今晩は、春の嵐がやってくるようだ。