農園日誌ー立春なるも冬に逆戻り

26.2.4(火曜日)曇り時折晴間、最高温度7度、最低温度3度
 
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                保育園での初めての発表会
 
農園の6番目の孫、この後にさらに二人続く。農園はもはや託児所なみに・・
野菜の出荷日なんどは、ジージが保育園のお迎えに行く、保母さん達からは、
ジージが来たよ!と言われている。
人のエゴが剥き出しになり易くなったこの時代、この子達の未来が明るいもので
あって欲しいと願う。
 
農園はしばらく続いた季節はずれの暖かさで越冬野菜達がグンと大きく育っている
トンネルの中でなよなよと育っていた野菜は一週間の暖かさでトンネルを剥ぐり、
日中は思い切り太陽に当て、夜間は寒に晒すことでしっかりとした良い顔になって
きた。
これから、除草作業に追いまくられるが、草に負けないほど成長したものは、その
ままでも良いが、草のほうの成長が早い畝には除草作業が必要となる。
これからは蒸れが一番怖く、うまく除草しないと、トンネルの中はダニやアブラムシ
の発生し易い環境となったり、湿気で痛みやすくなる。
野菜ごとに、その成長過程ごとに異なる管理の仕方は、この時季、中々に難しく、
気の抜けない管理が続く。
研修生達も野菜の生理や自然環境の変化への対応を習得するには5年は必要
になる。私も未だに分らないことだらけ・・それだけに面白いのかもしれない。
 
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冬の太陽を浴び、
気持ちよさそうに
日光浴を楽しむ
野菜達。
 
気がついたでしょうか?
方や、トンネルを剥ぎ、
左端ではトンネルを
懸けている風景に!
 
 
 
 
下記の二列は同じ人参育苗中の畝。一番左はすでに発芽し双葉から本葉が出始
めており、トンネルを剥ぐ。その右の畝は今、発芽中の畝で高温多湿が必要となる。
本葉が出始めると怖いのは、高温での葉焼け。野菜は実に繊細です。
冬季の育苗は畝ごとに、成長過程ごとに対応を変えていくことになる。
 
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これは4~5月の
春出荷予定の人参
種まきは1月末と
2月中旬に蒔いている
白い敷布はべた懸け
この極寒に種を蒔き
無理やり発芽させ
ようやっと春に間に
合う。
べた懸けとトンネルの
開閉管理によって、
人参は消費者の下に春野菜として届けられる。
 
野菜の育苗は、子育てと同じ。幼い時は手をかけてやらないと、なるべく多くの
時間を割いて話しかけてやる。野菜はそれに答えて育ってくれる。
かと言って、甘やかしてばかりいるともやしになり、成長もいびつな姿になる。
 
むかし、腰の曲がったおばあちゃんが毎日畑に通い、近所の方からは本当に畑が
好きなんだね。少し休んだらどうね!とよく言われていたことを思い出す。
今はそのおばあちゃんの気持ちがよく理解できる。
「私が行ってやらないと、野菜が待ってるから」という農人の心が分る年代になった
のかな・・
 
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立派に育っているように
見えるほうれん草。
よく見ると、まばらに
植わっている。
さらによく観察すると
すでに大人になって
いるにもかかわらず、
成長していない。
育苗期に、夜登虫に
やられ、成長期には
葉ダニに覆われ、
幾多の苦難を乗り越え
てここまで育った。
 
除草してやったため、小さくとも何とか出荷に漕ぎ着ける。食べてやらないと
このほうれん草も生きてきた甲斐が無い。貴方達の命を皆で「頂きます!」・・
 
お客様の便りが届いた。
 
「取り始めて3ヶ月目ですけど、本当の野菜に出会いました。感謝の気持ちで
一杯です」
 
「青菜を食べない子供でしたが、最近はテーブルの上に置いているといつの間に
か、すっかり無くなっていました。うれしいです。あまり味付けしないほうが喜ぶ
みたいですね」
 
「お肉大好きな子供でしたが、というか、野菜を食べない子供達でしたが、ベーコン
芽キャベツを塩胡椒で炒めただけで、芽キャベツを選んで食べていました」
 
農園のお客様は最近特に若返りました。若い子育て世代の方々は既存の価値観
に左右されずに率直に感じたままを表現してくれますし、美味しい物は美味しいと
理解してくれるのがうれしい。
「つい、そうでしょう!野菜は、人間もそうですが、見た目だけではないですよ」
と言ってやりたい衝動にかられる。
 
もっと政治や社会の歪にも関心を持ってくれるとさらに良いのだが・・・
未来を担う子供達のためにも。