農園日誌ー本格的な梅雨の到来

25.6.28(金曜日)小雨、最高温度23度、最低温度19度
 
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            夏野菜へと模様替えが進んでいるの5番の畑
 
緑の絨毯に覆われた農園では、少しずつではあるが、除草作業をしながら、
夏野菜の畑に変わりつつある。
農園では若い力が加わり、途方にくれるような膨大な仕事が一つ、また、一つと
作業が進み始めている。それでも7番の畑(開墾地)では、手のつけようがない
ほど雑草に覆われて、黍や粟が見えなくなってしまっている。
 
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まるで草原のような7番の畑、
 
時折、背が高く見えるのが黍粟類。
 
夏野菜の植え付けが終了するまでは
手を入れる暇が無かったために
このような緑の絨毯となってしまった。
 
ようやく終わりが見えた夏野菜の
植え付け作業。これからこの雑草の
処理作業が待っている。
 
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瓜の畝、これは瓜の粕漬けとなる。
天然塩に漬け込み、水を出し、酒粕
に漬け込むが、この作業と秘訣は
おばあちゃんの伝統の技、今は孫達
の世代に受け継がれようとしている。
 
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当農園では、ある意味、一番の人気が
ある発酵食品、漬物は、時代の流れで
減塩にはなっているが、新たな工夫を
施し、今に受け継いでいこうとしている。
 
市販されている漬物はほとんどが発酵食品ではなくなっており、化学薬品漬けの
漬物みたいなものに変わってしまっている。
素材の味を活かし、なおかつ、伝統食品である「漬物」にこだわっていきたいと、
昆布(グルタミンの味になってしまう)も使わず、塩・砂糖・酢・手作り味噌・酒粕
などしか使わない。なおかつ、減塩であれば、雑菌が入り込みやすく、腐敗など
のリスクも高く、中々に難しい。
昭和の時代に生きてきたおばあちゃんや私達の第二世代から、平成生まれの
孫の世代へと受け継がれていってほしいと願う。
 
イメージ 5今年は5月の少雨により、トマトの
生育環境が良かったためか、例年
になくトマトが素晴らしい状態。
 
ようやく一番成りが出来始めた。
この分では、7月初旬頃には
出荷が見込めそうだ。それも
天候次第だが・・
 
 
 
 
イメージ 6ごぼうの畝、
 
2~3月に種を蒔き、ようやく出荷
直前まで漕ぎ着けた。
 
初夏のごぼうが旬にあたる。
香が強く、柔らかく、味が深い。
おそらく自信作となるとの予感。
 
これは短小系の品種。
 
 
最近、30~40代の若者が農園に研修に着始めた。
かれらの一本立ちの日までは何とか頑張って生きたいと思ってはいるが、有機
自然農法(当農園の場合は、草と葉や木を主体とした草木堆肥のみ使用)の農業
環境は厳しい。
 
先ず第一に、その野菜を育てる技術や経験を積むのに最低三年は要する。
通常の施設栽培とは異なり、土作りや栽培に野菜の知識と経験が必要となる。
 
第二に、団粒構造に土が変わるまでに最低三年必要。
草木堆肥を施肥しても1~2年間は味香りや旨さ・食感が出難く、忍耐力が必要。
 
第三に、かなりの労力と根気と努力が必要となり、強い精神力が求められる。
露地栽培が基本であり、堆肥作りや栽培に手間かかり、生育にリスクが伴う。
 
第四に、マーケット環境がそんな野菜を受け入れてくれるかどうかが難しい。
見てくれの悪さや価格がやや高いことに理解してくれる消費者がどれだけいるか?
 
第五に、消費者がむかし野菜の味・香り・旨み・食感を理解してくれるかどうか。
流通市場では、野菜にとって一番大事な味の良さや栄養価への評価がない。
そのため、店頭に並べられると、消費者はむかし野菜へ手を出しにくい
 
第六に、むかし野菜を望んでいる消費者と如何にして出会いか、向き合うかが
難しい。絶え間ない消費者への啓蒙・啓発活動とコミュニケーションが必要となる。
 
自民党アベノミクスによる農業政策では、大規模化、農産物の生産量の確保、
農協とのもたれあい政策に終止しており、質の高い小規模農業へは目を向けず、
結果として切り捨てる政策となっている。そのために小規模な農業への支援は
ほとんど望めない。これでは若者の農業離れは防ぎようもない。
 
さて、このような厳しい環境で彼ら若者に夢を持ち、目標を持ち、未来を信じて
「頑張れ」と言わねばならない。彼らが育つまでは何としてもその環境を整えて
やらねば・・と、様々な思いが頭を駆け巡る。
 
美味しい野菜を作り続けたい!栄養価の高い野菜を消費者に届けたい!
そう願う生産者がおり、
子供達のために、自分達の健康を願い健康で美味しい野菜を求めたい!
と願い、そんな野菜を捜し求め続ける消費者がいる。
 
両者が巡り合うことを願わざるを得ない。
それでも、今日も辺りが見えなくなるまで、農作業が続く・・・・
 
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