周年栽培と露地栽培

24.4.10(火曜日)曇り、最高温度20度、最低温度11度
 
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春、到来、ようやく待ち続けた春がやってきた。野菜達も一気に成長を始めた。
ほとんどのアブラナ科の越冬野菜(葉野菜の90%、根菜類の100%)が一斉に莟
立ちをし始める。
例年この時季は出荷競争となり、食べられるうちに出荷を行わねば、硬く繊維を
持ち始める。かと言って、そんなに種類が多いわけでもなく、一軒の農家で、10~13
アイテムの野菜を直送するには限界があり、露地栽培の場合は、半分程度が残念ながら、出荷できなくなってしまう。頭の痛い季節でもある。
新規のレストランからのお試しで出荷するも、おそらく莟立ち野菜が混じってしまうため
素人栽培では?と思われるのが癪に障る。あなた方になにが分かると言うのかな。
 
同時に、この時季は、春野菜の種蒔きや夏野菜の植え付けの季節でもあり、怒ったり、
哀しんでいる暇はない。
 
イメージ 2いんげん豆の植え付け
 
遅霜が来ると全て一気に
落ちてしまう。
ひやひやしながらの植え付けを行う。
最低温度と放射冷却を気にする毎日が続く。
同時にこの日はズッキーニも植えつける。
(育苗ハウスで約一ヶ月
半かけて育てた物、植え付け時季を見計らっての種蒔きとなる。)
 
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            絹さやエンドウの花が咲き乱れる2番の畑
 
(露地栽培における周年栽培と直接販売)
 
農園を始めてことしの春で10年目がきました。
60人の個人顧客とレストラン数軒のうちは、露地栽培自然農法で、何とか出荷
維持してきました。
ところが100人を超える個人のお客様とレストラン8軒にもなると、野菜のアイテム数の
維持とそれだけの量の確保がかなり難しいことに今更ながらに気がつきました。
ハウス栽培ではおそらくもっと簡単にできることでしょう。野菜は思うとおりに育ってくれるし、自然の変動に対してもリスクも少なく、又、成長が露地と比べて約一ヶ月ほど早い
ため、野菜の回転が可能になるのだが、味香りなどが圧倒的に違い、草木堆肥自然
農法のブランドを損なってしまう。
 
又、直接販売でなければ、端境期は無理な栽培で大きなリスクを犯すことなく、
「端境期ですから、野菜はありません」で済んでしまう。
特にこの時季(端境期)は莟立ちなどにより出荷不能になることもしばしばで、アイテム数や量の極端な減少が、例年頭を悩ます。
 
それでもこの安定した暖かさの到来で何とか今年は凌げそう。頭の痛い局面は後、
二週間ほどは続くが・・・
青梗菜・小松菜が何とか二週間ほどで、出荷可能となる。大根は越冬したものが、莟立ちせずにこの後、三週間は持ちそう。サラダ蕪もかなり妖しくなってきたが、これも何とかなるか?などなどと・・・
その後に待望のえんどう豆類や空豆が続け!と毎日畑を見守る。
自分で植えていて可笑しいかもしれませんが、例えば、近く出荷できるエシャロットが
5番の畑で大きく育っているのを見つけたときなどのうれしさと言ったら・・・
後に続く人達のために、ここは頑張るしかないと思い定める。
 
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莟立ちしたサラダ蕪とコールラビ
 
「この美味しさを待っている人がいる」から頑張れると思う一方、どれだけの人たちが
露地栽培の周年栽培の難しさが分かってもらえるか?とやや不安になる。
 
今日は、朝から畝作りをしていると、県の紹介でとある卸販売業を営む中堅企業の社員の方々が当農園を訪れる。
会社で有機農業部門を作りたいとのこと。ホームページにも紹介しているとおり、草木堆肥農法や通常の有機農業の違いなど、有機農業農産物の実態やその難しさをお伝えした。
サラダ蕪やほうれん草・サラダセットなどをかじってもらい、その味香り食感などを実感してもらった。皆、一様に驚いていたようだ。地域活性にも取り組んでいただけるなら、
うれしいのだが・・・
 
その後、畝たてを三畝、女性陣がブロッコリー・ズッキーニ・インゲン豆の植え込み、
ほうれん草・岡わかめ・金時生姜の種蒔き、ハーブ畑の除草など、朝から随分と仕事が
進んだ。明日の雨に合わせての植え込み・種蒔きを行う。
 
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