農園に冬の訪れ

23.12.3(土曜日)曇り時折薄日、最高温度16度、最低温度10度
 
イメージ 1
 
11月の大分は観測史上一番多い降雨量を記録したようだ。
秋と冬の合間に、太平洋高気圧と大陸性高気圧のせめぎあいが続いており、
丁度、中九州付近でぶつかっているのか、余りにも雨が多く、日照不足にも
なっている。
この性か、野菜の成長が極めて悪い。こんな秋は初めての経験。特に、露地栽培
に加えて、緩効性堆肥のみ使用しているため、適度の水分は良いのだが、過度な
水分とお日様の光が少なく、成長が止まった状態が続いているようだ。
 
全ての野菜を小さいまま出荷せざるをえない。次々に種蒔きを繰り返し、野菜の
ストックができない日々が続いている。又、弱気の虫が蠢く。
 
そんな中、冬の寒さが急に北の空から、雲に乗って訪れてくる。
 
イメージ 2
 
二番の畑はすっかり冬の風景。ブロッコリー・キャベツ・白菜・九条葱・人参・芽キャベツ
・ほうれん草などが、育っている。毎日、早くと野菜に語りかけるが、ゆっくりとした
スピードで成長している。
 
イメージ 3
 
三番と四番の畑は、冬越し野菜の準備のため、トンネルの支柱を張る作業を行う。
この竹の支柱は全て竹林から切り出し、手作りの物。おそらく全部で千数百本は
あると思われる。(毎年5百本程度は作り替える)
そんな時、同行者の河野さんから、電話があり、竹の支柱を作っているが、一時間
に7~8本しかできない。佐藤さんの苦労が改めて分かったと・・・
露地栽培を通していこうと思うとやらざるをえない。全て美味しい野菜を作るため・・・
 
ハウス栽培がどんなに楽か、思い知らされたと思う。
夜鍋仕事で、毎晩こつこつと作り溜めるしかないよ!と、伝える。
 
イメージ 4
野菜は15度を切ると発芽しにくく
なり、10度を下回ると成長が
止まる。最低温度が5度以下に
なると、ビニールトンネルを張ら
ないと、完全に成長がストップし、
春を感じた途端、莟立ちする。
これからトンネル管理(開けたり
閉めたり)が大きな仕事になる。
そのための工夫が随所に・・・
その管理も長年の経験と感が
ものを言う。野菜の生理を知り尽くして・・・
先ずは、竹の支柱張り(ベース作り)作業から始まる。
近年このようなトンネル風景は余りお目にかからない。それだけ、ハウス栽培などの
施設園芸が全盛期になっており、大量・均一野菜作りが農家の評価に繋がっている
草木堆肥一本の栽培だけでも希少価値があるのに、露地栽培にこだわる野菜作りがこの後、何人の人に伝承されていくのか?
 
美味しさ(=栄養価が高い)という品質を支持する消費者が増えていかねば、それも難しい・・・
 
消費者の方々は、葉野菜というと、温かい季節のものと考えているようだが、
実は、春と秋が飛んでしまう昨今の日本の気候の中では、葉野菜の本格的な
季節は冬に変わっている。
虫害や蒸れや病気も少なくなるこの冬の貴重な季節に、美味しい葉野菜ができる。
それもこのようなトンネル作業を経て・・・この事実をもっと認識して欲しいと願う。
 
イメージ 5
11月の終わりにようやく
植えつけたばかりの玉葱の
畑(5番)
 
およそ、13千本ある。全て
手植えで行う。
来年の気候により出来不出来は決まる。
今年はうまくいったが、来年は
どうか?
それでも9月頃までには無くなってしまう。
 
イメージ 6
      城址の中門付近の風景、秋は足早に過ぎて行ったようだ。