農園日誌Ⅲーむかし野菜の四季

2020.3.25(水曜日)晴れ、最高温度16度、最低温度4度

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               育苗中の夏野菜達

 

4.10日頃に定植予定の夏野菜達。ビニールハウス(育苗用)内に草木堆肥を重ね、踏み込み堆肥ベットを作り、その微生物達の発酵熱を利用して根を発育させている。

これは第一陣の夏野菜達(トマト・茄子・ピーマン・万願寺トウガラシなど)であり、

第二陣が胡瓜・南瓜・ズッキーニ・瓜などであり、やはり温室内で育苗中。

 

2020.3.21 微生物の話し

この所、毎日、子供達の声が農園に響いている。コロナウィルスによる学校閉鎖のためである。農園唯一の畳の部屋に押し込められてはいるが、流石にじっと我慢などはしておれない。
農作業の合間に、子供達の相手をしてやらねば時間が潰せない。
うちの孫達は幸せだ。他のご家庭では、預けられるところも無く、親御さん達にも子供さんにもストレスが溜まっている筈。

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今日、子供達は朝から大活躍。午前中は、ハウス内で育苗トレイの中に春・夏野菜の種蒔き、ポット揚げなどを行い、午後からは漬け物用の芥子菜の収穫、3番の畑の除草作業、夕方6時頃無事終了。お疲れ様でした。子供達の手にはしっかりとバイト代が握られている。雑菌の中で育つ子供は逞しいのです。


農園の取引先である飲食店も閉店したり、閑古鳥が鳴き、毎週お送りしている野菜の量を半減させて、急場を凌いでいる。
日本でも、徐々に感染リスクは拡がり、感染経路が判明しない感染者が増えている。
症状の出ていない保菌者は、陽性反応を受けている方の10倍以上はいるはずであり、このままでは、個々の生活も保てなくなってしまうため、感染を恐れていつまでも、経済活動をストップしているわけにも行かなくなるだろう。

当農園は、開園以来、微生物達と真っ向から向き合ってきた。と言うより、草木堆肥作りと共に共存してきた。うちの農産物があるのもかれら微生物達のお陰である。


そこで微生物を改めて調べてみた。
やや専門的な事で申し訳ないが、微生物は菌類・細菌類・ウィルスなどの総称である。
その中にこの微生物の存在が無ければ、この世界は死骸だらけになっている。微生物は概ね、有機物を餌として増殖している。
菌類(キノコ・カビ・酵母など)は胞子で増えており、人類はこの菌のおかげで生きられている。
パン・チーズ・味噌・醤油・酒・酢・漬物など様々な加工品となって、我々はその恩恵をも受け続けている。
細菌類は、(ウィルスも含めて)良性・悪性と様々な微生物が存在している。
忘れてならないのは、腸内細菌である。人の免疫細胞(病原菌などと闘ってくれる)を守ってくれているのもこの腸内細菌である。
一種類の細菌が増殖し始めると、自然界では、この増殖現象を抑える作用が様々な種類の細菌類によって行われようとする自然循環の仕組みがある。正しく自然の(神の領域)淘汰若しくは浄化機能と考えざるを得ない。広義では「人」もその微生物の仲間の一つに過ぎない。
自然界の野山と同じというわけにはいかないが、人の腸内も様々な細菌類により自然淘汰の機能を果たし、命を守ってくれている。そのため、当農園はむかしながらの発酵食品である漬物・味噌作りに力を入れている。

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              高菜の本漬け作業中

漬物は無限大の微生物・菌類の集まりです。漬け込んでいる中で、発酵していき、悪性菌を排除していく作用が働く。そのために、古来より農家において様々な工夫が為されている。乳酸菌と塩とのバランスや手間を掛けることによって、オー157もサルモネラ菌も繁殖できない。正しく小宇宙の微生物達のドラマがある。

 

我々人は生きているのでは無く、自然界の仕組みによって生かされているのです。

残念ながら科学はその神秘の仕組みを未だ捉え切れていない。

 

ウィルスや癌などは、人にとって異物です。その異物が体内に入ってくると、免疫細胞が動き出し、抗体を作ります。抗体には二種類あり、「異物を認識して結合して排除する」ものと、「免疫細胞を活性化させ異物を排除する」ものがあります。
コロナウィルスが体内に入ってきても、発症しない人は、おそらくは、免疫力が強く、抗体が正常に機能して、発症を抑えるのではないかと思われます。


元来が人は自然治癒能力を持っている。その自ら治癒させる能力は、健全な食生活と、健全な農産物から来るのではないかと考えられます。
その意味では、ミネラル分・糖質・ビタミンに富んだ農産物を常日頃から食している人は強い免疫力を持っていることになります。
微生物や菌を排除することではなく、腸内環境を常に健全にする食べ物(乳酸菌などの発酵食品など)もより多く摂取し、体内の自然浄化機能を強くして行くことが重要ではないでしょうか。

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農業は現在の政権によって、大きく損なわれている。それでも農業に掛けていこうとする若者達も居る。彼らにはいつもこう言っている。やがて見ておれ!の反骨精神と熱意、そして学ぼうとする謙虚さが必要だと・・・何処やらの首相達や官僚達にその謙虚さが少しでもあれば、もっと国民は幸せになれる。

 

物事の上っ面しか見ようとしない、あるいは、自己のことしか気に掛けない風潮、悪いことは悪いと言えない、見て見ぬ振りをする忖度がはびこるこの時代、人はごまかせても、自然界は決して容赦してはくれない。
亡くなった方や苦しまれておられる方々には申し訳ないが、これら突然に現れるウィルスなどは、自然界からの警告なのかもしれない。