2021.11.5(金)晴れ、最高温度21度、最低温度11度
玉葱の植え込みが始まる
昨日、8千本の玉葱を植え込んだ。ここ10番の畑だけでおよそ6,500本の
苗を植え込みました。年間約7~8万本の苗を植え込みます。
定期購入の全国のお客様、3百数十名の方の年間食べる量が必要となり、年々増えて
おり、植え込む畑を探すのがこの時季の悩みです。
麦大豆専用の圃場に草木堆肥を振っている風景
この畑で軽トラック4杯分の堆肥が必要です。
例年、この季節は玉葱の植え込みと麦蒔きの作業が重なります。
除草剤を使わないため、草が生えたらトラクターで起こすを繰り返し、雑草被害を
防ぎます。
この時季は次第に寒さが増してくる季節であり、10度を下回ると種が発芽し難く
なるため、秋冬野菜の種蒔きも急ピッチで行わねばならず、夏野菜の撤去作業と並行
して、忙しい毎日です。秋の日はつるべ落とし、暮れるのが早く時間が足りません。
農園マルシェの野菜売り場
むかし野菜の四季
「高密度・多品目栽培の勧め」
農協も含めて農業本には、「この野菜は点蒔き(あるいは筋蒔き)をしてある程度
成長したら、成長の遅い小さな苗を間引き、苗の間隔を12㎝程度に空けます」など
とあります。
これだと、間引き手間がかかり個体の数量が著しく減り、当然に収量も大きく減り
ます。しかも害虫が数少ない個体に群がりますので、3~4日毎に農薬を散布しない
と野菜は一瞬で消えてなくなります。
当農園の自然循環農業(高集約農業)では葉野菜や蕪類などを筋蒔きしたら、小さな
苗を間引くのでは無く、そのままの密集状態で育てて行きます。
密集植えされた野菜は競争し合って大きく育とうとしますし、害虫被害のリスクや
厳しい自然の淘汰のリスクも減ります。
競り合って育った野菜は根を精一杯張り、強く育ちます。成長したら、大きな野菜
から収穫を始めます。すると、次に大きい野菜が育ってきます。それを繰り返しな
がら一つの畝で数回収穫を行います。つまり、大きい野菜から順に間引いていくと
言う感覚です。
ただ、野菜より雑草の方が強く草取り作業は野菜が育つまでに2~3回は行います。
高密度栽培は、季節によって種の播き方が変わります。湿気が多く蒸れの起こりや
すい時季は少なめに、畝間はまめに除草作業を行い、共倒れを防ぎます。
この除草作業が大変なため多くの農家は除草剤を使います。
実物野菜は虫害などがあっても生き残るために、リスクヘッジとして旺盛な側枝・
脇芽や葉っぱが茂らせます。すると、風が通らず、光も差さず害虫の温床となって
しまいます。
そのため、茄子・トマトなどは旺盛に茂った葉を摘除し、枝を誘引し風の途と太陽
の光が入りやすくしてやります。するとミツバチも花を見つけやすくなり、受粉が
進みます。
トマト・茄子などは出荷している間中、剪定誘引作業を続けます。
トマトは一本立ちではなく、枝を3~4本残し、支柱を添えて太陽に向けて南側に
斜め50度に誘引していきます。(畝は当然に南北に切ります)
一本立ちではせいぜい8~10段までしかトマトは成りませんが、この方法だと
12~15段、長さにして3~5メートルまで枝を伸ばすことができます。当然に
収量は数倍になります。ただ、この剪定誘引作業は手間の塊となります。念のために・・・
草木堆肥による土作りは実際には数年がかりです。そのため、狭い農地で最大の収
量を得なければ成りません。
粗放農業は単作栽培ですから、一つの畑で多くとも2品目程度ですからせいぜい年間
2回転です。
高集約型農業では、一つの畑で年間3~4回転します。しかも、同時に10品目以上
の旬の野菜が一つの畑に植えられておりますから、年間25~30品目の野菜が出荷
される計算になる。これが多品目生産です。
当農園ではおよそ10反の畑がありますので、年間栽培する品目は100種類を超え
ます。一つの季節に30~40種類の野菜を育てております。
単作栽培では、台風・気候不順・虫害などによって出来不出来があり、また、豊作に
なれば農産物価格は一気に暴落するなどのリスクが付きまといます。
多品目栽培の場合は、あれがダメならこれがあるというふうに、農産物の出来不出来
や豊作による価格暴落のリスクは少ない。
日本の農業を壊滅の危機に追い込んでいったもう一つの要因は、量の確保ばかりを唱え、中山間地農業の実態も把握せず単作栽培を奨励していった国及び農協にあり、
その責任は大きいのです。
農園マルシェの菓子・惣菜売り場
奥ではコロッケ・ピザなどをオーダーを受けてから作り始めます。出来たてを
食べてもらいたいからです。