農園日誌ー秋なのに?

25.10.11(金曜日)雨後晴れ、最高温度29度、最低温度24度
 
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 待望の雨が降って緑が現れた手前6番(新しい畑)と5番の畑、3反強あるようだ
 
先日、6番の畑を耕していたおじいちゃんが行方不明。警察・消防団・地元の人達
が総出で捜索。
翌日、警察の方々がうちの畑にも訪れ、問い合わせを受けた。
聞いてびっくり、知らぬこととは言え、何と、隣人ではないか。
そう言えば、前日夕方、鎌を持ち、迷いの無い確かな足取りで、すれ違った後姿が
そのおじいちゃんのようで、「おそらく山に出かけたのではないでしょうか」「ご家族
その山の場所を聞かれ、そこを重点的に捜索したほうが良いのでは」と提言。
 
早速、警察犬を動員して山を探した結果、無事に見つかり保護されたとの報告を
受ける。
水路にはまり、這い出せないところを発見されたとのこと。
こちらも、ホッと胸をなでおろす。
そのおじいちゃん、気丈な方で、石を集め、踏み台にして這い出ようとしていたとの
こと。水路に水が流れていなかったことと、秋なのに、夜も25度に近い暖かさが命
救った。
 
都会では道で倒れていても知らぬ顔の風潮の中、地域総出での捜索活動には、
しがらみの強い田舎の面倒臭さとは逆に、田舎の良さがまた一つ垣間見えたよう
で、暖かな思いが体を通り過ぎる。
 
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ようやく一区切りが
つき、懸案の7番の
開墾地の草刈を
始める。
流石に一反(300坪)
は広く二日かかりで
の作業。
 
刈り取った草は
やや乾燥した後、
軽トラに積み込み、
堆肥場へ運ぶ。
主要な堆肥原料
となる。
 
 
すでに10月中旬になろうとするのに、この暖かさ、むしろ暑さは、秋野菜の種蒔き
には実は過酷な条件となる。おまけに乾燥か雨季の両極端な気候では、発芽した
ばかりの幼い芽は、本場が出始める頃、先ずは、虫の集中攻撃を受け、本葉を
失う。そこに蒸し暑い日差しがが強く照りつけ、出たばかりの本葉を溶かしてしまう
 
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歯抜け状態の大根の畝、
一見、順調のように見えるが、
右の写真。
 
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 近くにズームしていくとこの状態。しばらくし
て、この畝は溶けた大根の墓場となるかも
 
明日からは、平年並みの温度となるとのことだが、確実に秋野菜は出遅れている。
このまま冬になれば、晩秋の美味しい野菜は届けられない。
 
イメージ 5ピーマン系野菜の中に
虫害を受けながらも
本葉が育ち始めた
小松菜・青梗菜。
 
これで、三度目の種蒔きとなる。
こんどこそ、無事に育ってくれと
祈る。
 
種を蒔き続ければいつかは
なんとかなる。女性陣の声。
逞しくなったものだ。元々か・・
 
 
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暮れの夕日を浴びて
輝く夏野菜達。
荘厳な力強さが溢れて
いる三番の畑。
 
農作業を終え、しばらく
見とれる。
太陽の色と風はすっかり
なのだが、明日からは
本格的な秋の色か!
 
農人になってからは、
体が季節を感じるように
なってきた。
 
人は様々な思いや欲を持ち、一人で生きているのではなく、自然の中で、社会の
中で生かされているのではないか、人はこの世で特別の存在ではなく、自然の中
では、この野菜達や虫や小動物と同じ存在に過ぎない。
だからこそ、太古の人達は、神々に祈り、畏れ、エゴを剥きだしにする己を恥じ、
生きていることを感謝し、神々を敬って生きてきた。
 
農業を始めて、自立した農人となることを先ずは目指してきた。それが皆様の支え
でようやく当初の一つの目標は達成したように思える。
今からは、生命が子孫を残すように、この自然循環農法を後世に伝えるために、
その伝承者を育てるという次の目標に向かおうとしている。
そのために、農業生産者の仲間達と企業し、共同出荷・加工品生産・後継者育成
に向けて来年度初頭から「むかし野菜の邑」という会社組織を発足することを目指
ている。
人は一人では生きていくことは難しい生き物であり、一人で既存の農業や流通の
既存価値観に向き合うのではなく、今度は仲間達と一緒に乗り越えていこうと
考えたい。