農業崩壊がもたらすものーその一
2025.7.5.(晴れ) 最高温度34度、最低温度26度
むかし野菜の邑スタッフ全員でゴーヤの棚を作っているところ
むかし野菜の邑では外部農園・内部農園・むかし野菜の邑のスタッフ10人による
共同作業・共同出荷・共同加工を行っています。
野菜畑は約2ヘクタール(町歩)、穀類畑は約0.6ヘクタール、自然栽培米は2.8ヘクタールです。
野菜と穀類栽培には全て草木堆肥(自然栽培)を独自に作って施肥しております。
除草から栽培・管理まで全て手作業です。多大な労力が掛かり一農園だけの労力では
無理があり、スタッフ全員による共同作業が不可欠になります。
そのための労働責任(作業分担)と収益分配に工夫が要ります。
農業はタイムカードの世界では無く、働いた人には応分の報いがなければならず
それなくしては続けて行くことは難しい産業なのです。
例えば、給料・生活費の他に、パートさんなどは農園で採れた野菜などは畑から
持って帰っており、生活の一部(家計の助け)になっております。
自然栽培などの有機野菜・農産物生産活動の多くは大規模化や機械化はできません。
自然栽培では除草剤の散布はできませんので労力を要する除草作業が必要になります。
化学肥料や畜分などの有機肥料を使いませんので、堆肥作りや施肥作業に労力を要し
ます。
少量多品目栽培ですので、皆様の想像以上に多大な知識と経験と労力を要します。
そのため、一人の農業者で最大4反(1,200坪)の生産管理が精一杯です。
それも共同作業として人員を投下してやっとです。
(これが当農園がグループ営農体制を採用している理由です)
お米から穀類・多品種生産生産で5.4ヘクタールを約8人のスタッフで共同作業を
している理由が分かって頂けたかと思います。
多品目栽培
この農地は約4反です。(0.4ヘクタール)
トマト・南瓜・さつまいも・ピーマン・里芋・枝豆他14種類の野菜が育っています。
多くの有機野菜生産者は家族単位で行っているのが実情です。いずれも小農業零細農業
です。お米の生産にしても多くは兼業農家であり、特に九州では中山間地が多く国が
推奨している大規模機械化農業は不向きな農地が広がっております。
アメリカなどの広大な農地は日本には存在しないのです。
例えば、1エイカーと言うアメリカの農地の単位は日本では100ヘクタールに該当
します。そこでは除草剤・農薬・化学肥料は不可欠です。これを粗放農業と言います。
国は農業の効率化と称してこの大規模農業(粗放農業)を日本でもしなさいと言って
いるのです。
国及び政治家・メディア・有識者が論じている農業の近代化や効率的な生産活動
は実質出来ないのです。
多くの国民達が農業の実態と本質を理解して頂かない限りは、叉、政治家や有識者の
無知を知って頂かない限りはこの国の農業は崩壊してしまいます。
日本には小規模農地しか存在しないのですから、それに合った農業の形があります。
そして、食糧確保という政策をしていない国は滅びるしか無いのです。