農園日誌ー世代交代

25.10.22(火曜日)晴れ、最高温度21度、最低温度18度
 
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                   開拓地(7番の畑)全景
 
雑草で覆われていた7番の畑、約一反はありそう。
今まで放置されてきていたため、雑草は生い茂るは、その種はすさまじく、野菜を
植えようものなら、瞬く間に雑草が生い茂り、野菜を圧倒する。
新規の種を蒔く際には、三~四回は耕運しなければならない。雑草の種が芽吹け
ば耕しを、数回繰り返さねばならない。しつこい雑草はスコップで掘り起こし、鋤き
込むだけでは到底雑草の脅威には勝てない。
その反面、除草剤・農薬・化学肥料・畜糞などで汚されていないことと、畑からミネ
ラル分を持ち出していないこと(野菜を収穫すれば、そこに木・草・葉・灰などを加
えない限りはミネラル欠乏に陥る)、根を張った草が枯れて又草が生えるを繰り返
してきた分、有機物という栄養源は残されている、と言った利点もある。
この新開地が戦力化するまでは、草木堆肥をやり続けて、三年を要する。
それでようやくむかし野菜となる。
 
赤ラベル級); 草木堆肥歴3年未満
(銀ラベル級); 草木堆肥歴3年以上5年未満
(金ラベル級); 草木堆肥歴5年以上
 
草木堆肥を多量に投下すれば、すぐに土がふかふかの状態になるわけではなく、
草木堆肥によって土の中に付加した微生物や放線菌が土を耕してくれるまでには
やはり最低2年を要する。
7番の畑はまだ一回しか草木堆肥を投入していない。随分と先が永い。微生物達
頑張れ!と願う。
 
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こちらは2番の畑、
草木堆肥歴12年目の畑
 
やはり野菜の勢いが違う。
土はまるで砂のように
さらさら。鍬が軽い。
この畑で取れる野菜は
とにかく美味しく、歯切れ
は別物。
 
中央はセロリ、芽キャベ
ツやサラダ野菜。
左端は落ち茄子。
 
 
 
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先日、大分県のアンテナ
ショップ、和料理の坐来
のシェフ、梅原さんが
県職の方と農園へ来訪
8年間、坐来にて頑張って
頂き、東京で有名店の
つになるまでに立ち上
げた。
 
今回、晴れて卒業という
ことになった。
農園スタッフ一同は、それを聞いて、この世の終わり
が来た様な顔になった。
 
それだけ、梅原シェフの存在は大きかったということです。
何でも望まれてある飲食チェーン統括料理長になられるそうです。彼の未来に
エールを贈り、一段と飛躍してくれることを願う。
 
ある時、坐来のスタッフ研修を農園で行った際、料理スタッフが「梅原さんは、佐藤
さんに頭が上がらないんですよね」と・・・
 
彼の未熟さと思い違いに、じっくりとこの様に諭した。
 
「確かにこの農園の野菜は通常の見え形の良い野菜とは異なり、一般的には悪い
野菜が届くかもしれません。但し、味や食感の悪い野菜は届けてはおりませんよ」
「それが当農園の「命」ですからね」
「和風には適さないと思える野菜も時には送りますよ。それは工夫すれば立派な
和の食材として使えるとの確信があるから敢えて送ることもありますよ」
 
「梅原シェフと私の関係を思い違いしないでもらいたい。私と梅原さんは常に闘って
いるんですよ」
例えば、「どうだ、この野菜を調理してみろ!」
梅原氏は、「どのような意図でこれを送ってきたのか」
その問い掛けに知恵と技を駆使して、新たな料理やお客様への提供の仕方を
工夫する。
「その答えが、今の坐来や梅原シェフの評判を産み、今日があるのですよ」と・・・
 
「ありきたりの料理を毎回出されるお客様はたまらない。今日は何が食べられるのか
と、期待して訪れるお客様が増えれば、店はどうなるかは、分りますよね。
その逆も当然分りますよね。つまり、常に緊張感を持って闘う生産者と料理人の
関係は、今では同志として、梅原さんには映っていると思いますよ」と・・・
 
一時代を築いた。しかし、確実に世代交代の時期は近づいている。
頭やチャレンジ精神は一向に衰えてはいないが、体は正直です。
次の世代へ繋ぐための方策は今しか出来ないと思い定めている。
むかし野菜を支えてくれているお客様のためにも・・・
 
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芽を吹いてきたにんにく。
中央は芽キャベツ
(5番の畑ー二反)
ここも早、開墾してから4年目
を迎えている。ようやく戦力に
なってきた。
 
6・7番の開墾地が戦力化して
来る頃、しばらくはゆったりと
した日も過ごしてみたい。
 
晩秋のやさしい日差しを浴び
美しい姿を見せる。