農園日誌ー生きる

30.8.1(水曜日)曇り、時折雨、最高温度33度、最低温度27度

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                   夕暮れ時の4番の畑


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気まぐれ台風のおかげで、まとまった雨が
降り、野菜はみな、元気を取り戻した。

特に茄子は、一番果も終わり、茄子本来のきれいな姿の茄子が採れ始めた。

これから、9月初旬にかけて、旬を迎える。



夏までに行わねばならない作業や大豆などの種蒔きは、ようやく終了し、これから
夏野菜の管理作業、除草・支柱立て・剪定誘引作業に入れる。
先ずは、夏野菜を中心に育てている4番の圃場の整備が終了した。
きれいに姿を見せている。

これから、秋野菜を植える予定の2・3番の圃場の整備を行う。5・6番はピーマン系・トマト・葱などが植わっている。二手に分かれて、夏野菜の管理作業やら秋野菜の準備作業に入る。
8月は、しばらくの間、作業日はサマータイムへ入る。収穫発送曜日は通常通りとして、6~10時半迄の早朝作業と15時半から19時頃までの夕方の作業となり、その間は、休息を取る。
みな、疲れており、これ以上炎天下の作業を続けると、倒れてしまう。

いつまでこの暑さが続くことやら・・・

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露地栽培トマトは、すぐにひび割れを起こす。ほぼ30%はトマトソースへ行く。
そのため、大鍋でカットしたトマトを煮込み
ピューレ状にする。

それを保冷庫で冷まし、冷凍保存にする。
この作業もトマトが落ち着いてくる8月からはようやく減ってくる。
暑いさかりにコンロの前での付きっきりの作業も疲れる。
トマト以外何も加えていないため、ピュアーそのものです。どんな料理にも使える。


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これは大麦を焙煎中の様子。少量ずつ火に掛け、およそ30~40分中火でゆっくりと焙煎する。麦茶を作っている。
できるだけ煎りたてを出そうと、出荷日の前に行っている。これはまったく熱いやら暑いやらです。


(生きるーその三)

前回のブログで農薬のことをお話ししました。
農薬を全く使わないで野菜ができるのか?
答えは出来ますです。

但し、家庭菜園レベルであればの話です。
家庭菜園をやられた方は、皆さん分かっておられると思いますが、無農薬栽培がどれだけ大変であるかということをです。
害虫が発生する時季はむかしは限られておりました。5月下旬~10月下旬頃でした
朝晩付きっきりで、虫取りをしなければなりません。それでもその時季はまともな
野菜は食べられません。

ところが、現在は、様々な害虫が季節を問わずに、しかも大量に発生します。
春は蝶々が乱舞し、青虫が、そして、夜登虫が、7~9月の実りの時季にカメムシが、十星テントウムシが、秋から冬にかけては、赤ダニが、などなどです。
家庭菜園を行っている方は、夜も眠れませんね。

これが専業農家ならば、どうでしょうか?採れても採れなくとも生活には影響しない趣味の栽培では無いのです。収量が無ければ、生きていけないのです。

今から10年前、農園主は市役所の要請で、農業セミナーを8回ほど、開いておりました。確か「美味しい野菜作り」だったと思いますが、かなりな人気セミナーだったのですよ。受講生がお帰りの際は、楽しかったと言った声を多く聞きました。
いつもセミナーの最後に、質問コーナーを設けておりました。
セミナーが自然循環農法でしたので、その際必ずといってよく出てくるのは、「害虫対策はどうしているんですか?」と言った質問です。

このように答えておりました。

良い質問です。できれば、農薬は使わないに越したことはないですね。
しかしながら、この気候の中での害虫の異常発生、今では当たり前のように大量発生しておりますので、もはや異常発生とは言えないのかもしれませんですね。
種を蒔いて、発芽したと喜んでいたら、翌日には全て幼い芽は食べられており、二日経ったら完全に無くなっている。
乳幼児をいきなり、外で生きていきなさいと放り出すようなものですね。
どうしても使わなければならない状況が出てきた場合は、その農薬の効能だけではなく、性質を理解して使ってください。
自然循環農法では、微生物や放線菌が命です。土壌に自然循環の仕組みを育て上げるものですから、土を汚してはいけません。
葉面散布にのみ留めてください。
土中消毒、代表的なものはオルトランですね。論外です。これは、浸透性農薬です。
さらにサリン系農薬も出てきております。
国が推奨している少量でも効果が高い(だから安全だと言っている)浸透性農薬とは
野菜に浸透してそれを食べた虫が死ぬというものです。
皆さんはこのような農薬を使用している野菜を安心して食べれますか?

浸透性農薬でなくとも、効き目が長いと歌われている農薬は避けてください。
これを何回も使用すれば、例え、葉面散布と言っても、残留農薬(土中に残る)ということになります。
むしろ、劇薬指定を受けている農薬のほうが安全です。
このように覚えてください。
劇薬は1~2日以内に分子構造が分解して無害になるように設定されております。
何故かと言うと、人が使うからです。もし、この農薬が長く効いたら、農人に害を及ぼすことになるからです。

※分解にはいくつかのパターンがあります。
 光合成分解(太陽の光による)・水溶性分解・バクテリア分解・自然分解などです。

このようにお答えしましたら、皆様、一様にほっとした安堵の顔をされました。

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                 セニョリータ(ミニパプリカ)

ようやくパプリカが育ってきました。露地栽培では、パプリカはその30%以上が虫食いの痕から腐っていったりして、出荷できないことが多い高リスク商品です。
それでも露地物は美味しいのです。

何故このような説明をブログにてしたかと言うと、有機無農薬と言った半ば現実離れしたような概念だけが何故まかり通っているのか、と言うことを、皆様に疑問に思っていただきたいと思ったからです。
有機農家もお客様から、「有機無農薬ですよね「」と聞かれたら、「はい!そうです」と答えねば買ってもらえなくなります。
この現実はどこかおかしいですね。つまりは、有機無農薬と言う言葉は無いのです。
概念上の言葉に過ぎないことをご理解いただきたいと願うのみです。多くの有機農家の代弁者としてお伝えしておきます。
有機農家も生きていかねばならないわけですから・・・・

次は、農薬よりも恐ろしい高窒素栽培のことをお話しします。