農園日誌ー野菜の宅配についてーPARTⅡ

28.6.1(水曜日)曇り、最高温度27度、最低温度16度

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                  夏野菜と春野菜の同居

夏野菜がようやく成長し始めた。
今年は全体的に高温傾向にあるのだが、それでもやはり、最高温度が25度以上、
最低温度が15度以上の安定した温度がないと、夏野菜は大きくはならない。
5月の下旬頃からみるみる成長が始まったのは安定的な高温域に入ってきたためだろう。
元来、草木堆肥は低窒素のため、定植してから野菜が成長するには時間がかかる。
先ずは根を張り、野菜の基部がしっかりと土を捕まえてからでないと大きくはならない。今の段階では、地中ではひげ根がはびこり、主根が地中に定着してきている。
これから一気に上へと伸び始める。
その間は、春野菜の植え場所がないため〈夏野菜の農園は占拠されているため)
夏野菜と一時的に同居する風景がこの農園では常態ということになる。

ちなみに野菜は自然の摂理で言うと、競い合ってこそ大きく健全に育つ。
正に苦肉の策となる。春野菜の勢いに押されている夏野菜達に負けるな頑張れ!と励ます。

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手(支柱)を欲しがっている胡瓜。

明日は胡瓜・トマト・茄子などの夏野菜に支柱立て作業を行う。

昨日、そのための竹の切り出し作業を全員で
行う。
まだ若い「コータ」は鉈の使い方もわからない。うちに入れば、どんな環境下でも生きていけるぞ!サバイバルに必要な知識や経験が学べる。農業とは何でも屋でもある。

有機野菜の宅配についてー野菜の見分け方)

日本の有機JAS野菜は世界市場ではオーガニック野菜の認定が取れないのをご存知ですか?
そこには日本独自の法規程と所謂お役所仕事のからみが垣間見える。
「一言でいえば、有機JAS規程では、健全な野菜=有機JAS認定野菜となっているからです」即ち、「お役所の認定さえ取れば、それは全て健全な有機野菜なのです」
極論すれば、一度取得してしまえば、後はどのような作り方をしても良いわけです。
逆に言えば、お役所の認定=有機JAS認定のない野菜はどんなに安全で美味しく栄養価に富んだ野菜でもそれは有機野菜ではないのです。

そもそもが、オーガニックと言う考え方と言うか思想は、作り手側のモラルと思想があり、それを食する消費者には常にオープンに、圃場や栽培方法を開示していなければなりません。
また、それを食する消費者も至って賢明で知識も豊富なのです。
常に生産者と消費者には交流があり、例えば、今年は害虫が異常に発生したため、
やむを得ずにこのような農薬を何回葉面散布しましたなどの情報は開示されていなければなりません。
(日本の有機野菜は認められた農薬は使用しているのです。誤解のなきように・・)

本来の有機野菜とは、持続可能な農業により生産された野菜のことを指します。
持続可能とは、自然の自然浄化作用が働く土壌を維持されている圃場のことです。
そのためには、化学物質をできるだけ避けて、土壌の中に子虫・微生物・放線菌層ができており、まさに自然循環農業がおこなわれねばなりません。
その定義に日本の有機JAS規程は適合していないのです。

ではどうやって消費者は真の有機野菜か、あるいは、自然野菜かを見分ければ良いのでしょうか、まさか賢明なる消費者は国が(霞が関の役人)定めた有機JAS野菜という名称だけをやみくもに信じておられないでしょうから・・?

有機野菜の見分け方)

ここでは化学肥料と農薬及びホルモン剤で育てられた野菜は外します。

●畜糞主体の肥料(堆肥と称しているが)
有機野菜農家のほとんどが鶏糞・豚糞・牛糞にわらなどを足したものを堆肥と称している。一部には化学肥料を併用している農家もいる。
・野菜は大きく肥大化し、やや青臭い。
・均質な見え形をしているものは化学肥料を施肥していることが多い
・繊維質が多くなり、大味となる。味香りは薄く、歯切れは悪くなり、腐りやすい。
※虫食いの痕がないとすればそれは間違いなく少なくとも一週間に一回は農薬を
  使っている。また、病原菌(ウィルス)が発生しやすくなり、害虫駆除のためだけで
  はなく、殺菌のための農薬を使っていることも多い。それでは地中の微生物層は
  破壊されてしまう。

●ぼかし肥料使用
ハウス栽培主体の野菜に多く見られ、米糠・油粕・骨粉・魚粉・おからなどを使用している。
・野菜は大きく育ち、甘味もある。
・ハウスだけに野菜は比較的に均質に育つ。
・欠点は野菜本来の味香りが薄くなり、やや大味になりやすい。
・肥料過多の土壌になりやすく、分解されない窒素分は硝酸態窒素として野菜に残り やすくなる。
・ハウス栽培の場合は閉鎖空間であるために、ウィルスが入りやすくなり、殺菌農薬
は多く使われる。ウィルスが発生すると次々と伝染していくため、その種の農薬は
必要になるとも言える。

日本において有機野菜と称する野菜はこの二形態がほとんどであり、残念ながら、
草木主体の農法は見られない。
次回では草木及び無肥料農法である自然農と称する野菜について述べる。

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          チコリの仲間であるトレビス(サラダの貴婦人)

先日、茨木や大分においてベビーリーフやハーブ類の農場経営と主にレストランへ
卸している方がお見えになった。
福岡の天神にてオーガニック八百屋をオープンしたとのこと。
自社農場と提携先の農場で生産されたオーガニックに近い安全で美味しい野菜を
販売するマルシェ(八百屋)に出品できないだろうか?とのお話が主体であった。
彼も日本の有機JASには大きな疑問を抱いており、それだけではなく、真に安全で良質な農産物のみ消費者に届けたいとのことであり、当社の加工品や穀類にも大きな興味を抱いているようであった。
但、申し上げたのは、農法も違い、品質も違う野菜を店頭に並べるわけであり、その野菜の農法や質を語る売り子さんが充実していなければ、様々なニーズを持つ消費者に対応はできないのでは?との危惧をぶつけると、農園ごとに分けて売る工夫をしてみたいとの回答であり、目指しているところは質の高い農産物と消費者との対話
ですとの答えが返ってきた。
それならば、今度お見えになられる際は、是非皆様とご一緒にとお答えした。
もし、この八百屋さんが同行の志望を持っているのなら、価値観を共有する仲間として、私たちが目指している真の有機マーケットを広げるために手を結んでゆくのも一つの途かもしれない。

それよりも当グループは如何にむかし野菜作りを行う子供たちを育てて、先ずは安定的に農産物生産を行う力をつけていくことが今は重要なテーマとなっている。

今日から、(福岡から)女性の研修生が我が農園に加わった。
早速に鍬打ち作業を覚えさせる。何しろ農機具は初めて使うため、手取り足取りの
一日となった。後ろからはがいじめにして、さながら二人羽織の様相となる。
こちらも汗だくとなり、とにもかくにも農園始まって以来の女性農人育成が始まった。