農園日誌ー

28.4.27(水曜日)終日雨、最高温度19度、最低温度13度

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                 夏野菜の定植(5番の畑)

夏野菜(ピーマン・万願寺および伏見とうがらし・パプリカ・トマト)の定植を行った。
全長70mの畑に8畝、約240本、第一陣を植え込む。
冬に定植した玉葱やえんどう豆と大根やじゃがいもなどの春野菜など、3シーズンの野菜達が一つの畑に同居している。
現在、9番までの畑(それぞれが1~2反)があるが、4番までの畑は草木堆肥歴、
10年以上のもの、ここ5番の畑は6年以上、6・7番の畑は3年以上のもの。
当然に歴史の長い畑ほど、味は良くなり、栄養価も高い。
土中には積もり積もった葉っぱなどの有機物残渣があり、微生物・放線菌層が出来上がっていき、10年以上経過すると、そこはもう、山野の土に近づいてくる。
子虫・菌類・ミネラルなどの宝庫となり、自然循環機能が働き、土壌を浄化してくれている。その結果、ノンケミカルの土となり、活きている土となる。

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トマトの苗木
瑞栄トマト;
酸味と味香りが強く
最後に旨みが広がる
むかしながらのトマト
らしいトマト。
生食も良いが、火を通す加工に向く。
フルーツトマト;
酸味・味香・甘味のバランスが良いゴルフボール大の生食用トマト


酸味を抑えた桃太郎トマト全盛の時代、敢えて昔ながらの味を求めている。
最初は酸っぱいなどの評価をしていた消費者も次第にこの味香りに慣れてくると、
今では、むかし野菜の露地トマトでなくっちゃ!との評価に代わってくる。
そのとき、してやったりと一人ほくそ笑む農園主。
何も今受けている味に合わせることはしなくとも、野菜本来の美味しさを追求し続けることが、当農園のポリシーである。それを受け継ぐ後継者達やグループを取り巻く
お客様(仲間たち)の輪が広がればよし!

時代に迎合しない本質を守っていくことも必要と思う。そこにお客様の健康を支えているという農業魂がある。
世相を反映したお客様の声がすべて正しいとも思わないし、政治家やメディアや評論家達に振り回されずに、まっすぐに観てほしいとの思いもある。

今日、関東にお住いの奥様から電話がある。
むかし野菜を食べてみて(おそらくは他の方からのおすそ分け)お試し購入の申し込みとなった。
その方がおっしゃるには、最近メディアで注目を浴びている工場管理生産の野菜についての質問があった。
詳細は見ていないので分からないが、栄養調整した肥料を使った水耕(シート)栽培ではないかと思われる。LED照明を使って成長スピードを速め、商業的に成り立つように管理栽培されたものであることは容易に推定できる。
虫もつかず、農薬も使用しないため、安全ですとでも言っているのかもしれない。
砂漠地帯や寒冷地ではそれも必要と思われるが、露地栽培が可能な地域で敢えて
その野菜を食べることはないように思える。
これなどもメディアや学者に振り回される現在人を象徴しているように思える。

そこで、このように回答した。

野菜に限らず、農産物は自然の中で生き残っていく試練を経たものが一番栄養価も高く美味しいのではないでしょうか。特に露地栽培ではその時季の旬菜しか採れませんので、まさしく自然に順な野菜だと思いますよ。
科学的に説明しようと思えばできますが、ポリシーを持ち、様々な経験を積んだ農業者の知恵を信じられたら如何でしょうか?とのみお答えした。
先ずは食して頂き、自分に合わないとお感じになられたら、ご継続しなければよいわけですから、と言って、とりあえず野菜を送ることにした。

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4番の畑、
ここには茄子・ゴーヤ
などが植えられている
茄子;
昔ながらの味を保つ
黒陽茄子と加茂茄子
草木堆肥で育てると
旨みを備えたジューシ-さが際立つ。
ゴーヤ;
ゴーヤが嫌いな人は
その独特なえぐみと苦みです。

ここで育ったものは、えぐみが旨みに代わり、苦みを抑えてくれる。
かく言う農園主も苦手な一人だったが、最近ようやくその美味しさに気づき何とか食べれるようになった。最近(一年程度)取引を始めた名古屋のイタリアンのシェフ曰く
「これなら使える。初めてゴーヤを使った」と言ってくれた。青と白がある。

今日、研修生となった熊本出身の「コータ君」が農園に戻ってきた。
まったくの避難民となっていたようで、手助けに帰していたが、母親の支えにはなっていたのだろうか。

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研修生を終了した後藤君の草木堆肥を振って二年目の畑。
一年目はまったく野菜が育たなかった。やはり地力が圧倒的に不足していた。
レタスならと植え込んでいるが、何とか成長し始めており、出荷間近い。
まだまだ改良し続けていくしかないようだ。