農園日誌ー農業の未来へ向けてーPARTⅠ

27.10.14(水曜日)晴れ、最高温度23度、最低温度8度

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       研修生、後藤君の独立へ向けた借農地開墾作業中の風景

早いもので、農園にひょっこりと訪ねてきたのは、今から約2年前。
国の農業者支援制度を使って、研修を始めたのが、去年の一月。
今では、次女の娘婿、後藤君、南君の三名が研修中。
来年は次々と畑を借りて独立していく。

彼ら研修生は農業はほとんど未経験。全国の農業を目指す若者たちのほとんどは
お金もなく、地縁人縁もなく、田舎の因習の中では農地も確保が難しく、勿論、農業の知識も、販売先も何もないところから始めることになる。研修を終えたら、未知の
世界へと放り出される。不安でいっぱいになるのも当たり前である。
国も新規就農者支援ということで、最低限の生活資金補助は行われるが、これではどうしょうもない。
農業を継続して行いたければ、必然的に研修先(親元)に頼るしかない。
ところが、研修先もそんなに余裕のある処はなく、この国の農業支援策は行き詰まりを見せている。こんな当たり前のことも分かっていないのが官僚たちである。
県に聞くと、農業を新規に始めようとする者は自己資金を持っているはずであるとの国の考え方があるとの回答を得る。
仮にわずかな自己資金を持っていたとしても、住むところ、農業機械と設備、農業用地などの確保に最低でも数百万円が必要となり、ある程度の設備を持たねば農業は難しく、そのためには一千万円以上の自己資金が必要となる。

本人の頑張りで、数反の畑を借り得ても、わずか二年の経験の中で、教えられた農業技術や知識では厳しく常に変化していく自然環境の中で、一定の作物を生産できるまでには、さらに三年以上の年月を要する。
次に来る大きな課題は、せっかくできた農産物の販路が確保できず、生活の維持すらできずに、中途で諦めて農業の世界から去っていく若者たちが如何に多いことか
折角、志を立てて、農業の世界に入ってくる若者たちがスポイルされていく現状が
残念でならない。


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夏野菜から秋野菜へ
チェンジしてく五番の
畑。
来るべき冬に備えて
今、成長しておかないと、寒さが急にやってくる。これから競い合って育って行っていって欲しい幼い野菜たち。
農業とは、農人達の
そんなやさしさが求められる世界。


7番までの畑を少なくとも毎週一回は見て回る。いや、野菜たちと話をして回る。
「元気かい!」と・・・中には弱々しく「苦しい!」と言っているものもいる。
すぐに手を差し伸べてやる。この会話を怠った(農人のほうからですが)野菜たちはいつの間にか消えてなくなっている。

彼ら農業を目指す若者たちは、お金のためではなく、野菜たちへの思いが至るようになった時に、真に農業者となる。まだまだそれが分かるのには時が必要となる。

ほぼ二年前、大分県国東において、自然農を目指して農業を始めた若者がいた。
地公体から紹介を受けて、わずかな農地を借り受けて農業を始めた。
その奥さんから相談を受けて行ってみると、水はけが悪く、車も入らないおよそ農地には不向きな土地をあてがわれて、しかもかなり高い賃料を払い、一所懸命に自然農を行っていた。しかも、その知識・技術レベルは当然に低い。
話を伺うと、地域農家の支援もなく、ほぼ孤立していた。
どこでもよく聞こえてくる田舎のよそ者を受け入れない土壌を垣間見ることになった。

当農園の仲間にならないかと誘うも、最近の若者の特徴である根拠のない自信から
ここで頑張りますとの一言。研修生たちからも「一緒にやろうよ」との声にも耳を貸さない。これでは手を差し伸べる余地もなく、皆と一緒に帰る。
その後、半年もしないうちに、彼は農業を断念していた。その後のその家族の消息は絶たれた。
地域に溶け込むすべを知らない幼い若者と、田舎のよそ者を排斥する因習により、
農業に適した土地を確保することが難しい現実があり、国も含めて地域の市町村
のきめ細かな支援もない。このような話は極く普通にどこでも起こっている。

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紫蘇の花畑で一生懸命に蜜を吸うミツバチ。
カメラを向けても動じることなく堂々としている

最近、ミツバチが減っている。特に平野での
農業地帯にははとんど居ない。
除草剤・農薬・生物資材(昆虫の生殖機能を絶やす)などが多用され、昆虫が生息する環境が無くなっている。

来年、農園と近接した用地(380坪)を購入し新たな農業施設を建設する。株式会社 むかし野菜の邑の本拠地となる。

持論の農業のグループ化を進め、自然循環農業の維持存続及び未来への途を開いておくために・・そこでの将来の中心メンバーになるのは、今の研修生達。

この話は次回にて・・・

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秋は運動会の季節
孫達7人、祖父母も
かあちゃんも忙しい

保育園が異なるため、
二カ所を掛け持ちで
応援に。

孫のかけるを探すが
カメラが見つけられないでパチリ。



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先生たちも大忙し。小さなアヒルさん達がやや遅れて先生の後を追う。
中には無視して我が道を行くあひるさんも・・・保母さんも大変なのです。