27.2.12(木曜日)晴れ、最高温度10度、最低温度3度
蠟梅に続いて紅梅に花が咲く
農園では新しい季節のの訪れを農園の周りで咲く花によって知る。
紅梅が咲いたぞ!じゃがいもの植え付けの準備をしなくちゃ!となる。
こういう生活をしていると、季節の移ろいを肌で感じるようになるし、周りの花々が
季節の先触れを知らせてくれる。自然の中で生かされているのだなと実感する。
それでも今年の冬は堪えた。歳を重ねるにつれ、寒さが厳しく感じるようになる。
何年ぶりかに風邪を引き、寝込むのではなく、寒風に晒されながら体を慣らしていく
風邪を体から追い出すといった繰り返しが効かなくなっているのか、ここ、数日、
出荷・畝作り作業を若い農人達に任せて草取り作業の連続。寒さが身に染む。
今日は久しぶりに溜まりに溜まった玉葱の除草作業を
みんなで行う。
よく雑草が根を張っており、
玉葱の成長を阻害している
この冬の時季に玉葱は
根を張る。暖かくなる2月末頃から急速に上部に伸び、
球を肥大させていく大切な
時季に当たる。
農園は、同時にむかし野菜グループは、永年の懸案であったアンテナショップの
足がかりとして加工場・保管庫の立上げを行うべく、堆肥場の隣の土地を購入する
ことにし、一年がかりで実行に移す。
佐藤自然農園の近くにあり
堆肥場と隣接。
今はご覧の通り、雑木と竹に覆われた密林となっているが、今年中には整地を
完了する予定。
3年ほどすると、ここには休憩室を備えた
ミニ菜園や木陰に囲まれた遊び場となり
若いお母さん達と子供さんの黄色い声で
溢れた開放空間となっている筈。
今、研修中の若い二人の農人達と3月からグループに加入してくる一人を加えて
三人の研修生がいる。同時に最近50代の男性が加わり、女性陣を合わせると、
9人のスタッフが揃うことになる。
グループの共同出荷の農園主を含めると14人のメンバーとなる。
銀行を中途で辞め、一人農業を初めてから13年を経過。随分と大所帯となったものだ。加工場を足がかりとして今年から穀類の生産に踏み切ることにしている。
一体どれくらいの収量が見込めるのか分らない。これに関しては手探りの状態から始めなければならない。
先ずは、3月からとうもろこしの種まきを開始し、4月定植。収穫期は7~8月頃。
一旦圃場に雑草などを茂らせ(緑肥となる)、水を引き込み(山からのミネラルや腐葉素の補充)数回耕してから、秋の10月末~11月にかけて小麦・大麦の種蒔きを行い、5月に収穫を終える。
休む間もなく、7月には大豆を植え込み、11月に収穫。4月にはとうもろこしの定植
と、あとは、この繰り返し。
二年間に同じ圃場で三毛作といった計算になる。
とうもろこしは、ハニーバンタム(そのまま出荷)・甲州とうもろこしと白餅とうもろこしの二種(主には粉にする)を植え込む。
小麦は製粉にして、グルテンの強い(パン生地に合う)品種として、取引先の坂ノ市のパン屋さんや福岡のパテシエに主に出荷し、一部は農園の個人のお客さま(仲間達)へ。大麦はパン屋さんの他は、健康食品として個人中心に展開する。
大豆は三年前から試行錯誤を繰り返してきた無添加発酵食品である味噌の原料として、若しくは、高品質の植物性タンパク質であり、個人顧客の惣菜として提供する
これらの穀類は、全て除草剤を(勿論化学肥料や農薬無使用)を排除した自然農の
雑穀となる。
ここが由布市庄内地区の
雑穀栽培の候補地。
主にはグループの田北さんが主幹するが、当農園の研修生達も共同で
作付けを担当することに
なるであろう。
畑とするには栄養価に富んだ赤黒の良い土でした。
当農園よりは高度が高く
温暖さのある穀類生産には最適地と判断する。
ここには、作り手を無くし、放置されようとしている豊かな農地が散在している。
傾斜面が多く、下草刈りにも苦労する農地も多く、老齢化が進んだ中山間地の
代表的の地域となりつつある。国や行政の無為無策が生んだ現状が見えてくる。
世話役の方が、若い研修生に中山間地への補助金(年間2万円/反当)の説明を
延々としているのが悲しい。地域崩壊も時間の問題となりつつある・・・
さらに、若い人たちに農業の難しさ・除草の大変さ・農産物の安さなどを一生懸命に
伝えようとしている。
佐藤自然農園の農法や独立戦略・販売方法などが当たり前と考えている若いスタッフ達にはどのように映ったのだろうか?まさかこの農業の現実が絵空言に聞こえたのではとやや心配になる。
現在、自然農のとうもろこしや小麦・大豆などの粉はほとんど出回っていない。
自然食のお店ではかなり高値が付いているか、無いかのいずれかだろう。
通常のご家庭では使ったことが無いかもしれない。
だからこそ、貴重なのではと考えている。
もし、これらをリーズナブルな価格で提供するとしたら、御客さま方はどのように考え
使われるだろうかと、考えるのが、当農園の流儀。
小麦粉ととうもろこし粉をブレンドして生地に伸ばし、お焼きにし、包み焼きにし、
ナンにして、と様々に発想が沸いてくる。これこそがオリジナルの生産者の特権では
と考えるのも楽しいし、その向こうにあるのは仲間達のご家庭で喜ぶ姿でもある。
近いうちに御客さまにはこれらの試みについてのアンケート(質問状)をお送りして
異論反論などをお聞きしてみたい。