農園日誌ー市場流通が意味するものは!

27.2.5(木曜日)晴れ時々曇り、最高温度8度、最低温度2度

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                  育苗ハウスの幼苗達

昨日、まだまだ寒い立春を迎え、春の香りが寒風の中に漂い始めているのかな?
本格的に暖かい日は3月頃からだが、農園は第一弾の春作・夏作の種蒔きを行い、
温床マットの上のトレイに種を蒔き、順次にポット揚げ、ハウス内は苗で足の踏み場もないほどに一杯になる。

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春作の白菜・キャベツ・レタス
などに混じり、夏野菜のトマト
茄子・ピーマン系のトレイが
ぎっしりと並べられる。

一般の園芸愛好家達では
種屋さんに苗を買いに行かれるだろうが、農家では
このように極寒の冬に種蒔き
を行う。
大人に成りきるにはかなり時間がかかり、その80%程度しかものにならない。

前回の今週の野菜でも少し触れたが、一般の消費者の方々は、スーパーに行けば
どのような野菜でも簡単に手に入る。そのため、自分が欲しい野菜、慣れた野菜
しか買わない。
外国産もあるが、国内では大量流通の仕組みが出来上がっており、鹿児島から
北海道まで季節に拘わり無く野菜が網羅されている。しかもほとんどがハウス栽培
のものが主流を占めており、季節感をほとんど感じさせない豊富な種類がある。

有機マーケットでも現在は、ハウス栽培が主流を占めており、その「いつでもどんな
野菜も揃う」「自分の好きな野菜が欲しい」「出来るだけ安く買いたい」などの消費者
の欲求やニーズに合わせようとして、そのように有機マーケットも変化していっているのだろう。

国や有機関係の団体が調査した処では、

有機野菜が「どこでも好きなところで買えるならば」「価格が通常の価格であれば」
「自分が欲しい野菜だけ選べるならば」実に80%以上の方々が欲しいといっているそうだ。
どの程度の価格であれば買うのか?の設問では慣行栽培野菜の120%程度までが限度とのこと。さらに安ければの欲求が見られる。
そのため、有機マーケットでも次第に価格が低下傾向にあるそうだ。
これでは、有機農家も増えない筈。その手間とリスクを考えるととても未来に繋げていけそうにも無い。
こんな議論を繰り返しているかぎりは日本の高品質野菜の将来どころか農業の行く末もは見えてこないのだが・・・

イメージ 3今日は昨日収穫し、天日
で干していた大分高菜を
漬け込んだ。
同時に、一夜漬けとはいかないが、からし菜も
同時に揉み込み、
漬け込む。これは一週間程度漬け込んで浅漬けとして出荷する。

高菜の古漬けになるには塩をまぶしてしんなりと
するまで揉み込み灰汁を抜きながら三回程度漬け直す手間が必要。中々に熟練の知識と経験を要する。

そもそもこのようなアンケート調査が本当に正しいのか、疑問が多い。
先ず第一に、「一般消費者」と「特定消費者」の欲求とニーズの開きが大きいことに、何の関心を持っていない調査ではある。

そのことにより、折角、安全で安心な、そして美味しいであろう?有機野菜の生産に
興味を持ち、この世界に飛び込もうとしている若い人たちをこれ以上がっかりとさせるような調査ならばしないほうが懸命だと思う。

一般消費者の欲求とニーズは兎も角として、勿論調査の通りではあろうから・・
私は現在の消費者にはがっかりとはしていない。むしろ、若い層から美味しい野菜への欲求と期待が寄せられているからです。
むかし野菜を取り続けて頂いているお客さまには、ある共通点がある。
それは、現在大量に流通している野菜(有機野菜専門店も含めて)に何らかの
疑問を抱いておられることがそれです。
そこから取引が始まったお客さま(私は仲間と称している)は勿論野菜作りの専門家でもなく、野菜ソムリエでもないのですが、有機野菜と一線を画するむかし野菜の説明をすんなりと受け入れてくれる。
大事なことは、自分が選ぶ野菜だけでは限界があり、農園直取引の特徴でもある
農園が選ぶ、あるいは、自然界が選ぶ野菜、つまりは、勝手に届けられる旬菜を
受け入れて頂いているだけではなく、むしろ、楽しんで頂いていることです。

それに答えるべく、農園側もいかにしたら、お客さまが楽しんでくれるか、常に創意工夫をしながら、かつ、価格設定でも、スタッフ全員悩みながら値段を付けているのです。
例えば、今週は巻かない白菜の出荷とすると、それに合わせるべく九条葱などの煮込み野菜を揃えるなどの工夫を日夜しております。
色物が無いのにも心を痛めて、早いけど赤蕪や人参を出荷するかなど、農園サイド
の出来うる工夫はしております。

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トンネル内部で育つ
葉野菜。

まだ、中学生になったくらい
ですが、もうすこし経ったら
やや暖かい日を選んで
トンネルを剥ぐ。

寒風に晒し、伸びきった
野菜をしっかりとさせ、
内部に旨みや味香りを
付けます。もやしでは
美味しくないのです。

多くの消費者の方々にお願いしたいことは、須らく、取引とは、双方の努力と我慢も必要であり、そこには上も下もなく、互いを思いやることも必要なのでは・・
勿論、昨今の騙し合いのような取引も増えておりますが、そこは、相手の情報を
よく読み、ご自身を信じて、信頼できる相手を選ぶこともさらに重要なのです。
ネット社会は、一方的に相手の粗や弱点を多くの視聴者に送り込む、卑劣な行為
が横行しております。
それに情宣されて動くことが最も醜い行為なのではないでしょうか。
それに翻弄される企業も組織にも多くの生活を営む家庭があります。
日本人の見識と奥行きが試される時代なのかもしれません。
日本には宗教が無いと言われますが、そこで日本人を律する唯一の歯止めは、
「恥を知る」という概念ですね。