研修生 後藤の農園観察帳 ~その2~

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農園の名物野菜「巻かない白菜」が虫害にも耐え、少しづつすこしづつ大きくなっている。

26年11月21日 曇り後雨 7℃〜19℃

こんばんは。研修生の後藤です。
早いもので僕が農業を志し、佐藤さんとのご縁を頂いてから一年が経とうとしています。
この農園を初めて訪ねたのも丁度今頃、葱の収穫や玉葱の植込みを手伝ったり、佐藤さんや農園の皆と色々と話しをした日を良く覚えています。今日も葱の収穫をしている最中、ふっと香る葱の匂いに誘われたのか、一年前のその日ことを思い出して「日が経つのは本当に早いなぁ」なんて感じていました。

この一年で僕は何ができるようになっただろうか。
鍬やレーキの扱い?トラクターや重機の運転?堆肥作り?

前職で広告制作系の小さな会社に所属していた僕は、企業の販促に関わる企画、制作を行っていました。そこでは会社案内のパンフレットやチラシ、ポスター、名刺といった小型のものから、企業の顔ともいえるロゴマーク、ウェブサイトなどあらゆる広告物を作っていました。それはそれで充実した日々だったのですが、あるときから「僕の生み出しているものは本当に価値のあるものなのか」といった疑問が浮かんでは、胸の中でモヤモヤと燻り、何とも言えない日々を送るようになりました。
広告をつくるという事は、クライアントである企業の商品を如何にたくさん売ることができるか。ということに直結していて、その商品が本当に世の中に必要なものなのか、誰かを幸せにできるものなのかといった本質的な問題を問うことは「商品」が目の前にある以上もう手遅れであって、この悩みを解決する為には商品開発の段階から関わっていくしかない。そのうえで最適な広告戦略を立ててターゲットに訴求していくしかないのではないかという結論にいたりました。

人間の根源は食にあり、最も普遍的な分野であるという考えは以前からありました。そのうえ多くの人の役に立てる可能性のある大切な仕事です。仕事とは「仕する事」であって決して「私する事」であってはならないと思います。
誰かの役に立ちたい、世の中の為に、あの人の笑顔の為に。これが仕事の本質のはず。つい先日も、僕の知人から涙混じりのメッセージを頂きました。
そのメッセージを読みながら「あぁ、この道を選んだ事はやっぱり間違いじゃなかったんだ。こんな僕でも誰かの力になれるんだ」って部屋でひとり涙しました。

怒られながら、それでも暖かく家族のように接してもらい、皆で笑い合い、たくさんのお客様に支えられあっという間に過ぎた一年。まだまだ僕では考え及ばないことも山のようにあります。それでも、この道を選択した事は間違っていなかったという確信と自信。支持して下さるお客様への感謝と決して裏切る事はできない信頼。この農法を受け継ぎ継承してゆく覚悟がはっきりと胸の中に刻まれていることを感じています。

次の一年はもっとお客様との接点を増やし、畑全体に目を配る事ができるようになれるように努力します。余力があれば前職での経験を活かせるようなこともできればななんて考えています。