農園日誌ーこの国の行方は何処に!

26.11.15(土曜日)晴れ、最高温度18度、最低温度7度
 
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                       5・6番の畑
 
イメージ 2トマト・大豆の時季は終わり
晩秋の季節を追いかけるように,急ピッチでの秋冬野菜の植え付け・種蒔きが
進む。
毎年のことだが、露地栽培
の場合、季節を先取りすることが難しく、いつも進む
季節を追いかけるように
植え付け作業となる。
そのため、万年野菜不足
に陥り、苦しむことになる
 
 
これは当農園が完熟野菜を目指すからに他ならない。流通が主導する季節先取りの走り(青臭い)野菜は、他の方々に任せて、美味しい野菜を目指せば当然にこのようになってしまう。
この苦しさは農園主しか味わえない。今年も去り行く秋と迫りつつある極寒の冬に
向かって天候と相談しながら、と言うか、農人の動物的な嗅覚と勘を頼りに作付け時季や品種の選定作業を決める。
一週間の作業計画、作付け時期、どの畝に何を何時植えるか、多種類の野菜の
出荷計画、緊急な手を入れる作業などを行う。毎週、土曜日の欠かせない日課となっている。
(土曜日は農園スタッフは全員休み、指図するスタッフもおらず、一人、畑の見回り)
 
農業はこの差配と段取り、そして、天気を読むことで、その70%が決まる。
後は、自然の変化に身を委ねることになり、それに如何に対処するか、と言うことになる。
 
経済は魔物であり、人間達の欲の集まりでもある。
特に自由経済と称するものは、利殖に歯止めを掛けない限りは、暴走してしまう。
時の権力者、ここでは政治家であり、一国の束ねでもある総理大臣が振るう権力は、多くの国民を取り返しのつかない方向に導くこともある。
今の野党が党利党略や自己保全のためにまとまりを欠き、自己都合で動いている
時を狙って、動こうとしている。
明治時代ではあるまいに国を富ませるために、大企業、あるいは、投資家や資本家に偏重した財政や金融操作が破綻を迎えようとしている。大企業が国民のことを考えるはずも無いのに・・資本主義という意味は、資本が自己増殖を求めてその組織をあげて動くことである。多くの企業がその創業理念(社会的存在価値)をなくして久しく、企業(資本)を律する経営陣も組織も希薄になっている。
 
一国の宰相は秤のごとく全ての国民を見ていなければならないはずが、己の思いだけで振るう権力が国を滅ぼすことを歴史がすでに証明している。
 
「国敗れて山河あり!」という言葉の真の意味は、こうではないか、と思う。
「山河」とは文字通り自然の風景ではなく、草であり、即ち、農民のことではないだろうか。これは地域であり、そこで生活している里民のことでもある。
一国の 経済で食(農業)を大切にしない国はやがて滅びる。
 
農人となって自然と接し、土を見て、野菜を見て、天気を見ているうちに、見えてくるものが多くなったようにも思う。
今の日本はかなり危険な状態にあることに気がついている人達は多いのであろうか
総理自身が今までの偏重した政策の問題点に気がついての決断であることを祈るしかないが、それを見極める力を多くの人達が持たねばならないのでは・・・
地域の疲弊は、農業他、第一次産業の担い手が育つ環境にない。
食の質が問われ始めている現在社会において、地域が担う役割は大きいはず。
政治や官僚達はどこを、あるいは、誰に向いているのか、希望を無くした里民達が
無関心になっているのが気にかかる。
 
 
 
 
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来週に出荷を控えているセロリ
 
どうやら、厳しい端境期に間に合った
親孝行物のセロリ。
流石に二番の一番育っている土と感心する。
 
好き嫌いの激しい野菜ではあるが、この土で
育ったセロリだけは格別の違いがある。
セロリ嫌いの大人が急に好きになるという
ドラマが各家庭で繰り広げられている。
 
野菜は何かの役割を持ってこの世に生まれて
きた。当農園のお客様方にはいつもこのような
言葉を押し付け、万遍なく食してもらうことに
している。
 
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蒔く時季が遅くなり、成長が遅れた人参(二番の畑)
 
この時季としては早い
トンネル設置となった。
 
現金な物で暖かくしてやると急に成長を始めた。
来年の春には間に合うか
 
今年ほど人参に苦労した
年はない。まともな人参ができない。
 
 
自然は、生き物であり、人間の制御できるものではない。
その意味では経済と似ている。それでも何らかの統制や管理を行わないと、
いきてはいけないようだ。
 
今日、大分の佐賀関の豆腐製造のご夫婦がお見えになった。坂ノ市のパン屋さん
よりのご紹介。
地域で生産された大豆を使った豆腐作りに頑張っておられる。
国産と偽って製造されているところが多い中、真っ直ぐに生きておられるようだ。
見本を持ちになられたので、今日でも賞味してみる。美味しければと祈る思い。
商品作りについて様々なお話をさせてもらったが、同じ志で生産されている方とは
手を繋いでいきたい。もし、美味しければ、農園のお客様(仲間と称している)にも
お届けできればと願っている。いくつかの障壁はあるが、先ずはテイスティングから
始める。お客様方にご理解が頂けるか、やや心配ではある。