農園日誌ー露地栽培そして自然循環農法の苦しさ

26.10.24(金曜日)晴れ、最高温度21度、最低温度11度
 
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          秋への模様替えを始めた5番・6番の畑の全景
 
早いもので竹や雑草に覆われていた5番の畑を開墾してから、6年目を迎えた。
ようやく土が変わり始めて、鍬が軽くなってきた。
今年からは春の豆類の主力畑として活用すると決めた。ここまで腐食が進まないと
旨みが命のエンドウ類や空豆は美味しくない。ちなみに人参は7年以上の経歴が無い畑では作らない。
6番の畑は今年で三年目だが、化学肥料を使っていた分、腐食の進行が遅く、レタス系やじゃがいもなど植える種類は限られてくる。
7番の畑が10年間放置されていたため、未だに雑草が生い茂り、除草作業に悩まされるが、今年三年目だと言うのに、土が柔らかく、玉葱やにんにくが植えられるほどに出来上がってきた。自然農+草木堆肥の畑と言った感じ。
 
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七番の畑、
 
 
土の状態から、もはや開墾地とは言えないかもしれない。にんにくが畑の半分を占める。
 
右端は玉葱を植える予定。
 
現在、除草作業中。
 
 
 
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今日ようやく半分位に
除草作業が進んだ。
 
むかし野菜では、黒マルチ
は使わない。
有機農家も含めて、最近は自然農でさえも、にんにくや玉葱などには必ずと言って、黒マルチが使われている。
これは除草の手間を省くためと、保温力を上げて、
球を大きく育てるという目的がある。
 
黒マルチを使うと科学的には呼吸をしているのだが、生物的には自然界とのやりとりが遮断されて無呼吸状態となるは、さらに嫌なのは産業廃棄物の山となること。
黒マルチを使い、化学肥料や畜糞を入れると、地温は上がり、窒素分は多く、湿度は一定に保たれる。そのため、玉は大きく安定的に育ち、見栄え良く収量が増える。
農業にとっていいこと尽くめなのだが、味香りが落ちて、なにより旨みが少なくなってしまう。(但し、やり方によっては甘くはなる)
それは、むかし野菜の定義とは異なってくる。
やはり、野菜は出来るだけ自然条件の下で育てるほうが美味しい。太陽と雨と風と温度差に晒され、野菜は気候条件に左右されながらも強く自然体に育つ。
 
むかし野菜の農法では、国の目指すところの食糧増産には反するかもしれないが
結果として土は強くなり、自然条件に打ち勝った野菜だけが生き残る。
むかし野菜グループが目指す栄養価が高く、美味しい野菜作りは品質が全てであり
見え形は問わないのだから・・・(我々の中では安心安全は極く当たり前のこと)
 
国はこの品質の高い農産物商品については、何故か頑なに無視し続けている。
余程都合が悪いことがあるのだろう。さらに言うと、農業の現場実態を無視し続けてもいる。無知なのか、自分達が助けてやっていると思い上がっているのかのどちらかだろうか?
 
自然循環農法とは、なるべく自然の条件下で育てるために、野菜達のお世話には
それは大変な労力とリスクと経験が必要になり、農園の主役はあくまでも野菜達であり、人間ではない。それでも、野菜達からエネルギーをもらっているのか、人は至って穏やかになるのが不思議であり、自然の中に溶け込んでしまっている。
 
但し、必ずと言ってよいほど、四季折々に端境期がやってくる。その時、お客様に
何を送ったらよいのか?送れる野菜が無い!とか、そのプレッシャーのほうが辛い
日頃から、端境期を想定していくらか無理して野菜を育ててはいるのだが、自然は
いつも気まぐれではある。
 
(最近のお客様からの声)
 
「素材の美味しさを味わうように変わってきました。調理時間が短く、調味料も最低限しか使わなくなりました。お陰様で手抜き料理が得意になってきました。焼き野菜が美味しい!」
 
「妥協なしで子供に与えられることがありがたく、嬉しい!」
 
「むかし野菜は我が家ではごく自然に特別な存在になっており、夫も子供も五感で
味わって食べています」
 
「人参葉の掻き揚げがこんなにも美味しいものだとは思いませんでした!ブログを読むのが楽しみになりました」
 
「我が家では、子供がピーマン・ナスなどを欲しがります。生野菜ももう食べさせてよろしいでしょうか?」
 
メールを読んでいると微笑ましい食卓の団欒風景が目に浮かぶよう。そんな時、
この農法の継続が責務であると感じてしまう。そして、心が癒されてくる。
真にお客様は(仲間です)有難いと思う。
 
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堆肥の残りがあとわずか。
心が暗くなってしまう。
 
急に貧乏生活に陥った
ような気分になる。
 
山のようにこづまれた剪定枝や草。
 
堆肥を作るには先ずは
剪定枝の破砕作業が急務
 
 
 
 
 
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この日は一日中破砕作業
と堆肥作りに追われる。
 
庭師さん達がせっせと剪定枝や除草した草を堆肥場へ運び込む。
 
山と積まれた枝と草
 
草からはすでに発酵を始めたのか煙が出始める
 
 
 
 
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草木堆肥作りは、先ず、
草を均一な厚みで広げることから始める。
この作業が一番辛い。
腰が笑う。
 
その上に牛糞を乗せ、
さらにその上に破砕した
木屑と葉っぱを乗せる。
 
それをかき混ぜ、高さ
2mに積み上げる。
 
 
ようやくお金持ちになった気分となる。心がほっと和むのがいかにも可笑しい。