農園日誌ー農園の衣替えの季節

26.9.26(金曜日)晴れ、最高温度26度、最低温度19度
 
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農園も最低温度が20度を切り、夕暮れ時が早くなり、18時30分には真っ暗。
日毎に夕方頃にバタついて仕事を片付けるようになった。
秋の葉物野菜も生育が早く、今年はすでに第一次出荷が始まっている。
野菜に味香りが薄く、まだまだではある。この時季は夏野菜が一番美味しくなって
おり、秋野菜の出荷には気がひける。
秋野菜は10月下旬頃からやはり美味しくなり始める。まだ季節に順ではない。
 
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開拓地7番の畑の全景
 
草茫々の荒地を開墾して
二年が経過し、相変わらず
すぐに雑草に覆われてしまう
草の種が永年蓄積しており
野菜よりは雑草のほうが
旺盛に成長してしまう。
それでも、今年はじゃがいも
・にんにく主体に植え込む。
味はまだ赤ラベル級だが
自然農に限りなく近く、
透明感のある味質ではある
 
佐藤自然農園では(むかし野菜グループでも)野菜を三等級に分けている。
 
赤ラベル級)
開発地;草木堆肥歴3年未満の畑で産出された野菜達
当然に野菜の評価(味香り・食感・旨み)は低く、消費者から通常通りには頂けない
 
それでも開墾する前に、化学肥料や農薬を使用していた畑と、雑草や竹に覆われて
いた畑では、土の質が異なり、化学物質が多かった畑は土の変化が遅く、味も
急には良くならない。
この7番の畑の野菜は、そういう意味で自然農野菜に近い。
うれしいことに研修生達もそれに気がつく。これも鍬やレイキを使った手作業で
畑作りを行っている賜物かな。機械ばかり使う農法ではこうはいかない。
 
(銀ラベル級)
草木堆肥歴3年以上5年未満の畑で産出された野菜達。
一応の目安ではあるが、土は団粒構造(粒々)が目立ち始め、鍬が軽くなってくる
余程慣れた方でないと金ラベル級野菜との区別は付かないだろうほど美味しくなってくる。
一緒にグループでやっている佐藤雄二さんの南瓜に「これなら銀ラベルの評価を
与えても良いな」と言った時の顔をいまでも覚えている。
 
(金ラベル級)
草木堆肥歴5年以上の畑で産出された野菜達。
当農園では5番までの畑がこのクラスに位置し、真にむかし野菜と呼べる質になっている。その中でも2番の畑の土はまるで砂のよう。ここで産出された野菜は極上の味がし、口の中で溶けてしまう食感がある。(草木堆肥歴13年)
 
 
大阪の野菜の展示会は散々な結果に終わったが、それに懲りずに、ぐるなびから
福岡の展示会に是非参加して欲しいとの急遽要請が入る。
九州、特に福岡の野菜生産者に声掛けをするも、単品野菜生産農家ばかりで、
当農園のようにいちどに30種類以上の野菜が揃っている処がなく、何とかしてくれないかとの申し出。
断ることも出来たが、地元九州内のことでもあり、他の野菜作りの知り合いも出来るし、九州の飲食業界の底上げに繋がればと、出展することにした。
どうなることやら・・・この機会に福岡の取引先(飲食店)でも食べ歩くことにする。
 
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黄色のセニョリータ
(ミニパプリカ)
 
ようやくこの時季になって
セニョリータが色付き始め
やはりピーマン系野菜は
太陽が似合っている。
今日は出荷作業の後に
一日中、剪定・誘引作業
を行う。
太陽を背に受けての作業
となり、頭はくらくら状態。
涼しくもあり、暑くもあり。
 
今日、散々な目に遭った大阪から、電話が入る。
何でも大阪で高級居酒屋を開店するとのこと。展示会で見た自然(有機)野菜を
使えないかとの相談。
失礼を省みず、安かろう、多かろうの大阪では無理ではないですか?と聞いてみた
最近は大阪も変わろうとしている。その魁に、この試みを行うとのこと。
むかし野菜の性格などを説明し、是非、ホームページや農園ブログをご参考にと
お話をし、当農園をお選びならば、どうぞ!と申し上げる。
 
さらに、電話が入る。
大分県地域振興局、西部地区担当の方であり、農園の見学を致したいとのこと。
ほとんど毎年このような勉強会での視察依頼が来るが、実績に結びつかないのは
悲しい。
但し、地域は完全に行き詰ってはいる。老齢化と言うにはもはや遅いと言うほどに。
何の産業も無く、どうして地域は生き残っていけるのか?
国の地方創生の掛け声がいつものようにどこか空しく聞こえてくるのは私だけでしょうか・・・・