農園日誌ー大型台風11号

26.8.6(水曜日)曇り、時折雨、最高温度32度、最低温度26度
 
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                     ゴーヤのトンネル
 
このゴーヤの棚は女性陣からは、評判が悪い。小学生がやっと通れる高さしかない
のがその理由。苦心の作(柵)であり、台風被害から守るためにあえて一本の竹を
長く割いてアーチ状に製作。これ以上、長くすると持たないというのに。
 
前回の台風は天の神様が頑張っているのに免じて、奇跡的に勢力を衰えさせてくれて、被害がなくて済んだが、今回はどうやら直撃となりそう。
それでもできることはしておこう。しないで壊滅的な被害を受けると、後悔する事になり、(対策を)した後にたとえ、全滅しても諦めがつくというもの。
そのため、この二週間は連日、竹の支柱作り、支柱立て、誘引作業、剪定作業や
除草作業に追われ、かなりバテ気味。
夏野菜の畝の数を数えたら、トマト7畝、ピーマン4畝、万願寺及び伏見とうがらし
5畝、パプリカ2.5畝、セニョリータ4畝、茄子系10畝、合計では32.5畝になる
なるほど、気が遠くなるような量となる。
一人で黙々と作業をしていると、気が重たくなり、独り言が増えてくる。かなり危険な兆候に陥る。しかも、暑く湿気が強く、薮蚊の襲撃を受け、次第に思考力が低下してくる。連日、夕方というか、夜というか、作業が終わるのがほぼ20時となる。
流石にトマトの作業は若い二人に振る。若い二人もきついであろうが、文句も言わずよく頑張っている。
 
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               これは4番の畑、こんな感じです。
ここはまだ短い方で、2番・3番・5番の畑となるとこの2倍の長さがある。
 
台風の強風に煽られると重たい実が付いている枝はほとんど折れてしまう。
そのため、今日の夏野菜は大増量での出荷となった。
来週の野菜があることを祈る。
明日から二日は何としても野菜を救うための最後の作業が待っている。
真夏に合羽を着用しての作業は堪える。
 
野菜のお休みのご連絡があった際に、一年程、野菜を取っておられる関東の方から、うれしいお話があった。
 
娘さんに不整脈の危険な兆候がでていたそうですが、野菜を取り始めて一年経過
して、医者に行ったら、不整脈が完全に消えているとの事。
考えられるのはむかし野菜しかないそうだ。
 
むかし野菜には草木堆肥にバランス良く含まれているミネラル分が、生命体の細胞を正常細胞へと促す役目をしてくれているのは間違いない。
ミネラルが正常に含まれる野菜を毎日摂取することが、人間が元来持っている自己治癒能力を高めてくれるからだが・・・
 
癌・高度アレルギー・アトピー・糖尿病に続いて、心臓病に効果が出たとすれば、
自然の持つ力の豊かさ、あるいは、神秘と言うしかない。
そのお話は、土と共に頑張る事が報われる瞬間であった。
 
時折合う人に、佐藤さんたちは農業が好きなんですね。とよく言われる。
銀行員時代にも、佐藤さんは仕事が好きなんですねと聞いたような気がする。
そう言う人達には、ライフワークと言うことがお分かりでない。
つまり、仕事をすることが、即ち、生きているということ。
 
但し、銀行員時代と明らかに違うことは、
苦しい時に助けてもらっているときは、佐藤さんは神様ですが、業容が良くなってくると、邪魔になる、といったことを繰り返してきたこととは異なり、安全で美味しい
野菜作りは、人様から毎日の食を預けて頂いていることであり、自然と向き合うことであり、野菜は決して心を変えないし、やれば必ず答えてくれる。
この頃、これが真のライフワークだと思われるようになった。
只、近頃は体がついて来ていないと感じるようになった。10年間の頑張りがここに来て堪え始めたのかもしれない。若い農人達の誕生を待つしかない。
 
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3番の畑、ここには4番に少し遅れて夏野菜を植え込んでいる。
時間差を付けて、夏野菜の出荷のピークを変えることと、畑を変えることによって
リスク分散を図るといった意味合いもある。
これも消費者との直販農園の宿命。「ちょっと待って!」は当農園にはない。
豊作の年も不作の年も、一年間安定して待っておられる消費者へ野菜を届けねばならない。しかも同価格で。
消費者の美味しいと喜んでくれる笑顔が、その声が、私達の肥料となる。