農園日誌ー価値の代償は?

26.7.29(火曜日)晴れ、最高温度33度、最低温度25度
 
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                    久々の破砕作業
 
堆肥作業場に山と積まれた剪定枝と草。長い梅雨の間、破砕ができず、造園業、
シルバー人材センターなどから、ここに持ち込まれた堆肥原料の置場が無くなり、
草木堆肥も残りわずかで心細くなり始めていた。
あまりの暑さに腰が引けていたが、今日は思い切って3人で頑張る。
 
近隣の福祉施設からだと思うが、堆肥の匂いがして困っているとの苦情が大分市
に寄せられて、環境対策課の職員が数人訪れる。
現場を視察し、さほどの匂いや悪臭がするわけでもなく、むしろ草の発酵臭の芳しい香りに、納得して帰っていった。但し、発酵促進剤として使う牛糞が入った際には
ビニールなどをかけて置きますよ、と伝える。
それでも悪いと言うのであれば、国民の税金で建てられた福祉施設のほうが立ち退いたら如何ですか?何故なら、ここは調整区域の中の農業区域ですね。
むかしながらの堆肥を作ってどうしてこちらが立ち退かなければいけないですか、
と、答える。
 
イメージ 2夏野菜に竹の支柱を施す
一体何本の竹を切っただろうか?
このような畝が35本ほど
あり、やはり、支柱が立つと夏の農園の風景となり
なんとなく絞まってくる。
左のベタ懸け布は人参
の畝。
日中の地温が40度近くにもなる真夏の畑で、小さな
芽を吹く。二週間ほど、毎日の水遣りは欠かせない
 
今日は、キャベツ・ブロッコリー・白菜・サラダ野菜などの秋野菜の種を育苗トレイに
蒔いた。消費者の方々は秋になると当然かのように葉野菜がある、と思っていることだろうが、野菜にとって、最も過酷な酷暑の時季に小さな命の芽を吹き、生きていくことがどんなに過酷なことか、おそらくはお分かりではないだろう。
暑さの他に、虫は大量に発生しており、彼らも生き残るのは必死でその幼い野菜の
芽が美味しい食料となる。
農人としては、それらの野菜達の小さな命を最新の注意を払って守ってやらねばならない。自分の子供を守り育てるように。
 
最近、中国の食品加工会社から、期限切れの肉がマクドナルド他、コンビニストアー
などに卸されていたとの話題が大きく取りざたされている。
皆様方は又か?と思っていることでしょうが、私から見れば当然に起こるべくして
起こっていると思わざるを得ない。何でも安ければ良いといった風潮は行くところまで行かねば分らないのでしょうかね。
買い叩かれる側に、商品としてのプライドを持てなど、無理と言うもの。
ましてそれらの人たちにプロとしての誇りは決して芽生えないものだ。
安全とか安心とか言うものは、それなりの代償を払わねば購えないものです。
美味しくて安全な食品を作ることがどれだけの手間と労力とコストをかけているのかを知らない消費者が増えるということは、作り手側の、つまりは相手の心が分らないと言うことに繋がっていく。そんな国民が増えることは良い国とは言えない。
それを見て育つ子供達の荒んだ心がむしろ心配になる。
 
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布で覆い、強い太陽をカット
して育てているサラダ野菜。
今年は若いスタッフが入った
ため、このようなかなり手間がかかる作業を行って、盛夏に
葉野菜を育てて見る。
成功確立50%の世界。
露地栽培の遊び心かな?
 
実は10年来取引のあるレストランからの要望。七つ星にチーフシェフとして乗車することになり、かなりな無理を言う
 
「お客様が佐藤自然農園のサラダ」と言って指名して来るんだ。頼むよ!と
半ば脅迫めいた注文に、答えて良いものか、困ったものだ!
 
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露地栽培トマト
 
現在、市場に出回っているトマトで露地栽培のものは
99%無いと言っても過言ではない。
 
写真で見れば分りやすいが、今は三番果の処まで
赤く熟してきている。
8月末頃には、六か七番
果の処まで行き、終わり
旬の頃、10月下旬には
11~12番果になる。
そこまで行けば、実は小さくなるが、露地栽培トマトとしては最高の味になる。
勿論、うまくいけばの話です。今年は皆様の処へ、届きますか、どうかな!