農園日誌ー農業者の姿

26.2.26(水曜日)雨、最高温度12度、最低温度5度
 
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          トンネルの中で育っている青梗菜・小松菜の幼苗
 
この数日間の暖かさでトンネルを一斉に剥ぐと、雪害にもめげず青々とした新しい命が確実に育っていた。こちらまで何だかフレッシュな気分になる。
野菜達から元気をもらっている。今日明日の雨に当たり、グンと大きくなるだろう。
 
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こちらは二三週間後には
収穫を迎える畝。
見事に雑草に覆われている。
これから、二週間は、寒に
当ててやる。
そのことによって、成人になっ
た野菜達は、内部に蓄えられ
た炭水化物やデンプンを糖質
・ビタミンに変えて、完熟野菜
となる。
同時に、トンネルの中でぬくぬ
くと育った野菜達は寒に耐える
ために身を縮め、しっかりと
した、味香り豊かな、食感の良い、旨い野菜になる。
 
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昨日は、大分県地域振興局の紹介により、大分県佐伯の本匠村の農家の方々が
見学に訪れる。密集栽培・間引き出荷のやり方を説明しているところ。
 
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堆肥作りや
出来上がった
草木堆肥の
使い方などの
説明をしている
風景
 
 
 
 
流石に永年農業に携わってこられた方が多く、皆さん熱心に聞いてこられた。
残念ながら、一様に高齢の方が多く、農業現場の現状を象徴している。
地域営農の平均年齢はおそらく75歳前後、これが実情です。
最後に、むかし野菜の試食と約一時間ばかりのセミナーを育苗ハウス内にて行う。
 
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野菜の試食には皆さん
一様に旨い・甘いを
繰り返しておられた。
 
農業経験者ばかりで
畜糞による有機栽培や
自然農の違いをすぐに
理解する。話は早い。
 
地元の由布市の農業者
とはその熱心さが違う。
聞くと本匠でグループ
営農をしているそうだ。
 
 
当農園への見学の目的をお聞きすると、「美味しい野菜」を作りたいとのこと。
草木堆肥のみの栽培方法は全国にも例がないこと、低窒素栽培・高ミネラル
栽培には草木堆肥のみの施肥が今の処一番適しており、美味しい野菜を作るには
畜糞や化学肥料を多用しないことなどを説明する。
そして、草木堆肥作りは皆で取り組んで欲しいことをお伝えする。
 
美味しい野菜を作りたいと望むのは真の農業者のあるべき姿ではあるが、悲しい
ことには、既存の流通マーケットではそうではなく、見え形やサイズのみにて
野菜の価値を決めている。当然に消費者もそれに慣らされており、不揃いで
見え形の悪い虫食い野菜は敬遠されている。
 
お聞きすると、スーパーでのブロック販売をされているとのこと。
彼らに最後にこのようにお伝えした。
 
「もし、皆さんが美味しい野菜を作りたいと願うのであれば、交代で店頭に立って
ほしい。訪れる消費者との会話を続けて欲しい。この野菜達はどのようにして作ら
れたのか?美味しい野菜とは何なのか?この野菜はどのようにして調理すると
美味しく食べられるのか?消費者は本当は美味しい野菜を望んでいるのではな
いか?どのような種類の野菜を求めているのか?並んだ野菜にバラエティさはあ
るのか?買うことを楽しんでおられるのか?などなどを一生懸命にお客様達と
コミュニケートして欲しい」と・・・
 
最後にある方がボツンとおっしゃった。「私達には歳が足らない」と。
 
若い人たちに農業を頑張ってもらいたいと願うのであれば、私達が先ずマーケット
で勝たねばならない。本の少しでも良いから勝たねば、次の世代は決して農業に
関心は持たないでしょう!そのためであれば、何でもお手伝い致します」と伝えた。
 
私も本当はきついのですよ!とはとても言えなかった。